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【問題作】FIGHT / War of Words|ファイト / ウォー・オブ・ワーズ – (1993)

Fight_War of Words ヘヴィメタル
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JUDAS PRIESロブ・ハルフォードが自身のソロ活動をめぐってバンドと大モメに揉めた結果袂を分かち、JUDAS PRIESメンバーながらシガラミがなかったらしきスコット・トラヴィスに無名の若手を加えたプロジェクトFIGHT(ファイト)として発表したのがこのアルバムです。

FIGHT / War of Wordsが問題作扱いされる理由は?

当時それなりに話題になったものの、かなり否に傾いた賛否両論だった記憶があります。

①.JUDAS PRIESを活動中止に追い込んだ戦犯!
②.王道を捨て流行りのヘヴィグルーヴにすり寄った!

と言うのが最大のバッシング理由ですね。ネガキャン的な言説もありメタル保守派からは総スカンだったような気もします。実際、一時期は中古盤屋の特売コーナーの常連になっていました。

ついでに言えば、モンスターとか戦士なんかがいないタイポグラフィックなジャケットデザインもメタラー受けが悪かったみたいですね。

実際のところ作品としてはどうなの?

これは会心の名盤と言い切っていいでしょう! JUDAS PRIESソロ時代を含めても間違いなく上位に位置するアルバムです。

このロブさん、メタルゴッドの異名通り王道ヘヴィメタルを一身に背負う存在のようにみなされていますが、実はかなりの新しモノ好きでヘヴィミュージックのトレンドを敏感に察知して取り入れる才能に長けた人でもあります。
JUDAS PRIES時代からにそのセンスを発揮して、バンドサウンドを時代の音に負けないスタイルにブラッシュアップすることに貢献してきました。

この時期のメタル/ハードロック界の新ムーブメントといえば、グランジ,グルーヴメタル(モダンヘヴィ、ラウドロック),デスメタルですが、どれもマスコミ含め保守派はケチョンケチョンにこき下ろしていましたね。
その前のトレンドだったヘアメタルのポップメタルや産業ロックなんかよりは、ずっとメタルの本道だと思うんですけどねぇ。

ロブ・ハルフォード史上TOP3には入る名盤!

ロブさんはそれら新潮流の中でも特にPANTERAらグルーヴメタル勢に感銘を受け、それを取り入れたサウンドを実践するためにJUDAS PRIESを脱退、戦犯扱いを受けてまで作り上げたアルバムがWar of Wordsなわけですから、そこに込められた熱量は半端なものではありません。

PANTERA以降のヘヴィサウンドを大胆に取り入れながらも、自分の持ち味を失うことなく独自のハードコアなでヘヴィなメタルサウンドを作り上げることに成功しています。
曲調にも多様性があり、アルバム通してもメリハリが効いているので終始緊張かが途切れることがありません。特に前半のテンションの高さは凄まじいかぎりです。

このあたりからメタル界のメインストリームは1億総PANTERA化に突入してしまい、本家JUDAS PRIESらベテラン勢も消化不良な作品を大量に生み出すわけですが、そういう時流に乗ったり乗せられただけのバンドと一括りにするのは失礼な話。本気度もクオリティも別次元です。

しばらく前にはリマスター盤も発売されるなど、再評価もされているようです。
時代の音と切り捨てるにはもったいない、今でも通用するサウンドなので興味があればぜひ聴いてみてください。何気に凡曲も多かったりするJUDAS PRIESの名盤より楽しめるかもしれません。もちろん最近のJUDAS作品なんかとは比べるのも失礼なくらいです。

FIGHT / War of Words
問題作度:★★★★☆
一般評価:★★☆☆☆
評  価:★★★★★


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