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【問題作】NAPALM DEATH / Diatribes|ナパームデス / ディアトライブス (1995)

napalmdeath_diatribes グラインドコア

グラインドコアのパイオニアが最先端モードを取り入れて生み出した独創的エクストリームダンスミュージック!!

NAPALM DEATH(ナパーム・デス)はグラインドコアというジャンルのパイオニアにして未だ現役で、その代名詞的と呼ばれ続ける重鎮。そんな彼らにも迷走期と呼ばれた時期がありました。

ファンから黒歴史扱いされている時期のアルバムん中でも最大の問題作とされて、批判にさらされる以前に黙殺に近い扱いで顧みられることがないのがこの6作目にあたるDiatribes(ディアトライブス)です。特に初期のサウンドを好むオールドファンの評価は散々だった記憶があります。

問題作扱いされる理由は…

そんな扱いを受けている理由は何なのかというと、まぁこれは明らかです。

①グラインドコアスタイルから大幅に音楽性を変えてきた。
②時流におもねたとも捉えられかねないスタイルへの変化だった。

実際、以前の彼らを知っている人なら、リリース当時一聴した時点で「これは賛否両論だなぁ」という確信したことでしょう。

まずについて。
音楽性の変化という意味では、すでに前作Fear,Emptiness,sDespair(哀歌)からしてそれまでのスピード偏重からヘヴィグルーヴを基調にした音楽性の追求へとシフトしていました。
さらに言えばそれ以前からも最初期のグラインドコアスタイルから、それにデスメタル要素をクロスオーバーしたスタイルへとマイナーチェンジしたりもしていたわけです。

デスメタルとのクロスオーバーについては、もともと並行進化してきた親和性の強い兄弟ジャンル同士ということもあってさほど否定的には捉えられていませんでしたし、Fear,Emptiness,Despairリリース時もその変化に戸惑う人はいたものの声高な非難の声はそれほど多くなかったように思います。

そしてですが、確かにプレニューメタルとでもいうべきFEAR FACTORYの前年の歴史的傑作アルバムDemanufactureなどに通じる要素があります。

Fear,Emptiness,Despairに比べてDiatribesが初期ファンに批判されがちなのは、そのあたりが素人耳にもわかりやすかったので、「NAPALM DEATHトレンドへ大接近!?」みたいな単純で一面的な捉え方をしてしまったリスナーが多かったためでしょう。

メタルの最新モードに接近するという行為に保守的なオールドファンが抵抗を覚えるのは、時代やジャンルを問わずよくあること。
特にメタルやハードコアなど保守的なファンが多いジャンルでは顕著で、最初期のサウンド/スタイルのみを神棚に上げて崇め奉る原理主義者はむしろ多数派になります。

ましてグラインドコアというジャンルの創始者たるNAPALM DEATHだけに、そういった層は相当に分厚くて非常に頑なだったりするわけです。

しかし、ことNAPALM DEATHの初期について言えばスピードと過激さ追求型のハードコアというスタイルで先鋭的な存在となりましたが、本来は「広い意味でエクストリーム志向のミュージシャンたちによる音楽実験の場」的な要素が強く、グラインドコアスタイルもその一時的な結果に過ぎないという印象があります。

だからこそミック・ハリス(SCORN/スコーン),ジャスティン・ブロードリック(GODFLESH/ゴッドフレッシュ),リー・ドリアン(CATHEDRAL/カテドラル),ビル・スティアー(CARCASS/カーカス)といった、ひとくくりにはできない幅広い先鋭的な音楽性を持ったアーティストたちが入れ替わり立ち替わり参加して、さらにはその後にあらたなジャンルが生まれるような革新的な作品を生み出したんじゃないでしょうか?

何が言いたいかというと、エクストリームなスピードの追求においてはある到達点に達した以上、次の音楽実験のために新しいスタイルを模索するのはバンドの姿勢として必然なわけで、サウンドが変化するのも自然な成り行き。
単なる「トレンドへの迎合」などという否定は安易すぎるんじゃないの?ということです。

まぁ、最終的にはグラインドコアスタイルをベースにしつついろいろな要素を取り入れていくという、安定感重視の現在のスタイルへと落ち着くわけです。この時期に比べるとやや冒険的なスリルに欠けるのは仕方がないところですが、いまだ意欲的な実験精神が健在なのは何よりです。

実際のところ作品としてどうなの?

結論的には、中期の名盤の一枚と言っていい会心のアルバムです。
サイバーでダンサブルな当時の最新モードに接近しつつも、何にも似ていない彼らにしか作れない独自のスタイルを完成させていますし、クオリティも間違いなく一級品。

当時としてはすでに先鋭的でも実験的でもなくなっていた、グラインドコア/デスメタルを再生産するのに比べればこちらの方がはるかに刺激的です。

あえて難を挙げれば、アルバムとして考えると少し無駄が目立つあたりです。

ただし、それは収録時間MAXまで曲を詰め込むのが義務化されていたこの時代の悪習からくるもの。
ロック名盤クラスでさえアルバムオリエンテッドな見方をするとダレ気味な作品が多かった時代でもあり、そのあたりは大目にみる必要があります。

NAPALM DEATH / Diatribes
問題作度:★★★★☆
一般評価:★★☆☆☆
筆者評価:★★★★★

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