Contents
- 180年代グラムメタルから90年代コンセプト系ヘヴィバンド、果てはビジュアル系まで世代を縦断ジャンルを横断してギミック・バンド全般に影響を与え続けた、ショックロックのリヴィング・レジェンド!!
- 1...1『バンド時代』と『ソロ時代』!?
- 1...2多岐にわたる音楽性とファンベース!?
- 1...3グラムメタルの登場で再評価!?
- 1...4新世代ギミックバンドの登場で再評価!?
- 1...5未だ現役で第一線の活躍を続ける!?
- 1.1ALICE COOPER|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Pretties For You|プリティーズ・フォー・ユー
- 1.1.2Easy Action|イージー・アクション
- 1.1.3Love It To Death|ラヴ・イット・トゥ・デス:エイティーン
- 1.1.4Killer|キラー
- 1.1.5School's Out|スクールズ・アウト
- 1.1.6Billion Dollar Babies|ビリオン・ダラー・ベイビーズ
- 1.1.7Muscle of Love|マッスル・オブ・ラヴ
- 1.1.1Welcome To My Nightmare|ウェルカム・トゥ・マイ・ナイトメア:悪夢へようこそ
- 1.1.2Goes to Hell|ゴーズ・トゥ・ヘル:アリス・クーパー地獄へ行く
- 1.1.3Lace & Whiskey|レース・アンド・ウィスキー:レースとウイスキー
- 1.1.4From the Inside|フロム・ジ・インサイド:閉ざされた世界
- 1.1.5Flush The Fasion|フラッシュ・ザ・ファッション
- 1.1.6Special Forces|スペシャル・フォーセス
- 1.1.7Zipper Catches Skin|ジッパー・キャッチズ・スキン
- 1.1.8DaDa|ダダ:DADA
- 1.1.9Constrictor|コンストリクター
- 1.1.10Raise Your Fist and Yell|レイズ・ユア・フィスト・アンド・イェル
- 1.1.11Trash|トラッシュ
- 1.1.12Hey Stoopid|ヘイ・ストゥーピッド
- 1.1.13The Last Temptation|ザ・ラスト・テンプテーション
- 1.1.14Brutal Planet|ブルータル・プラネット
- 1.1.15Dragontown|ドラゴンタウン
- 1.1.16The Eyes of Alice Cooper|ジ・アイズ・オブ・アリス・クーパー
- 1.1.17Dirty Diamonds|ダーティ・ダイアモンズ
- 1.1.18He's Back|ヒーズ・バック
- 1.1.19Along Came a Spider|アロング・カム・ア・スパイダー
- 1.1.20Welcome 2 My Nightmare|ウェルカム・2・マイ・ナイトメア:悪夢へようこそ 第2章
- 1.1.21Paranormal|パラノーマル:超常現象の館
- 1.1.22Detroit Stories|デトロイト・ストーリーズ
- 1.2HOLLYWOOD VAMPIRES|ハリウッド・ヴァンパイアズ|DISCOGRAPHY
- 1.2.1Hollywood Vampires|ハリウッド・ヴァンパイアズ
- 1.2.2Rise|ライズ
ALICE COOPER|DISCOGRAPHY
Pretties For You|プリティーズ・フォー・ユー
オリジナルアルバム – 1作目 (1969年)
ALICE COOPER名義のバンドとしてのデビュー作は、時代が時代ということもあって全盛期や現在とは全く異なり、ややサイケテイストでプログレ/アートロック傾向の強いアルバムです。
〈シド・バレット〉在籍時の初期〈PINK FLOYD〉や、〈フランク・ザッパ〉が引き合いに出されるのも納得の、ストレンジなサイケポップを展開しており、ソロ転向後のファンには積極的にオススメはしないものの、好事家なら一聴の価値あり。
サイケポップに多い雰囲気だけのコンパクトなポップソングとは違って、インストパートもなかなかに充実しており、ダークでトリッピーなサイケデリック・サウンドを聴かせてくれます。
T-10の“Reflected”はのちに代表アルバム『Billion Dollar Babies(6th)』でも“Elected”としてリメイクされたほか、オージー・インダストリアルの元祖〈FOETUS〉や〈DEF LEPPARD〉の手によってもカバーされた名曲。
|トリップ度:★★★★☆
|ダーク度:★★★☆☆
|プログレ度:★★★★☆
|ポップ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Easy Action|イージー・アクション
オリジナルアルバム – 2作目 (1970年)
前作同様のプログレ/アートロック傾向の強いアルバムで、曲によっては〈THE DOORS〉あたりを想起させる部分もありますが、フリーキーなサイケデリアやプログレ・テイストはやや薄まり、ストレートなポップロックに接近しています。
ややヘヴィな曲も見られるようになり、中でも本作では異色曲ともいえるT-05は〈THE STOOGES〉や〈MC5〉などにも通じるラウドなガレージロックで、まさにプロト・パンクとも呼べそうな仕上がり。
80年代の活躍からだけでは見えてこない、パンク/オルタナティヴ界隈からの人気の高さの理由の一端がうかがい知れます。
|トリップ度:★★★☆☆
|ダーク度:★★★☆☆
|プログレ度:★★★☆☆
|ポップ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Love It To Death|ラヴ・イット・トゥ・デス:エイティーン
オリジナルアルバム – 3作目 (1971年)
前作の流れを汲んだ作風ですが、よりわかりやすくポップなロックンロールの比重が増え、前作に見られたようなハードロックともプロトパンクとも呼び得るT-03のような、ハードでアグレッシヴなロックンロール・ナンバーも聴けます。
その後につながるシアトリカルな作風にも磨きがかかり、全体的にケレン味も増して『グラムロック』のジャンルイメージにも近づいていますが、いかにもなきらびやかな華々しさではなく、ダークで毒々しいゴシック寄りのテイストが濃厚で、このあたりはショックロックのカリスマの面目躍如といったところ。
デビュー作から本作までの流れを見れば、『サイケ』〜『グラム』〜『ゴシック』というジャンルの地下に、それを縦断する一本の根が張っていることが確認でき、『サイケ』と『ゴシック』に不可分な一面がある理由の一端が浮かび上がります。
そのあたりを歴史を再確認するには、最適な事例とも言えるかもしれません。
|トリップ度:★★★☆☆
|ダーク度:★★★★☆
|プログレ度:★★★☆☆
|ポップ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Killer|キラー
オリジナルアルバム – 4作目 (1971年)
一般に、本作から始まる3作がバンド時代の代表作と見なされており、クリエイティヴ面においてはも、全キャリアの中でもピークにあると評されることも少なくありません。
その3作の中では、本作は特にこれまでのアート感以上に、プログレ的な性質が濃厚なアルバムといえます。
これまで同様にダークなゴシックテイストも感じさせますが、ポップネスも増して前作ほどの重苦しい印象は与えません。
シングルカットされたアグレッシヴなハードロック・ナンバーT-01や、同系統のT-05は本作での看板曲と呼べるものですが、何より、本作のカラーを決定づけている重要曲は、8分超のプログレ大作T-03とダークでゴシカルなオールタイムベスト級のダウナー・チューンT-07の2曲でしょう。
いずれにせよ、71年という背景を考えるならば、本作は時代を超越した独創駅な名盤との1枚と呼べるでしょう。
|トリップ度:★★☆☆☆
|ダーク度:★★★★☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|ポップ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
School’s Out|スクールズ・アウト
オリジナルアルバム – 5作目 (1972年)
キッズのアンセムにもなったヒットチューンでもあり一般的にも代表曲とされる、ポップなハードロック・ナンバーのタイトル・トラックT-01を収録することで知られており、その存在がブースターとなって幅広い層に支持され、人気が加速する呼び水にもなったアルバム。
明確なストーリー性を持ったコンセプト・アルバムとはされていませんが、シアトリカルな要素を強く感じさせるだけでなく、どちらかというとアルバム・オリエンテッドな作風となっています。
作風は多彩で、ハードロック/ポップロックから、ブルーズロック, ピアノプログレ風, ジャズロック風, ビッグバンド風など多岐にわたります。
また、サウンドの表面的にはダークな雰囲気はやや薄れて、全体的にポップな印象が増しています。
あえて言えば、ハードロックなT-07などはT-01近いと見ることもできますが、個々の曲で見るならばやはりT-01がピークで、それ以降は同レベルのキラーチューンは見られず、その意味では前後の2枚に一歩及びません。
とはいえ、ダークなT-02やプログレ風味なT-06など地味とはいえ佳曲もあり、インパクトは今ひとつながらも全体を通して捨てがたい味わいも感じられるアルバムです。
|トリップ度:★★☆☆☆
|ダーク度:★★★☆☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|ポップ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Billion Dollar Babies|ビリオン・ダラー・ベイビーズ
オリジナルアルバム – 6作目 (1973年)
これまでの黄金期の3枚の中でも、セールス/チャート的には頂点にあたり、オールタイムベスト級の人気曲も多いことから、“代表作の中の代表作”と表されることさえある1枚。
全体的には、シアトリカルなグラム・テイストのヘヴィ/ハードロックといった印象の強い仕上がりですが、今回も作風は多岐にわたっており、また、それぞれが単体の曲としても極めて高水準という理想的な仕上がりを見せています。
イギリス出身ながらジャーマンシーンでも活躍したインダストリアルのカリスマ、〈PIG〉ことレイモンド・ワッツがカバーしたT-01、1stアルバム『Pretties For You』収録曲のリメイクT-03、〈MEGADETH〉によるカバーもスマッシュヒットとなったポップなハードロックT-06と、オールタイムベスト級のキラーチューンも満載で、楽曲の密度も突出しています。
このように、持ち前のダークネスとポップネスが共存した名盤であり、その充実度では『Killer(4th)』と双璧とも言えますが、一般受けしやすい分かりやすさにおいては本作がリードしています。
|トリップ度:★★☆☆☆
|ダーク度:★★★★☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|ポップ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Muscle of Love|マッスル・オブ・ラヴ
オリジナルアルバム – 7作目 (1973年)