Contents
- 1エクストリーム・ミュージック先進国イギリスではやや影の薄いUKデスメタル・シーンを代表するオールドスクール・バンドから、同時代的なセンスを持ったデスラッシャーへと変貌を遂げたベテラン・バンド!!
- 1...1NAPALM DEATHのフロントマンを輩出!!
- 1...2グラインドコアにも負けずに活動!?
- 1...3UKデスメタルのトップグループ!?
- 1...4BENEDICTIONの音楽性は!?
- 1...5マイペースな活動を細々と継続中!?
- 1.1BENEDICTION|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Subconscious Terror|サブコンシャス・テラー
- 1.1.2The Grand Leveller|ザ・グランド・レヴェラー
- 1.1.3Dark Is the Season|ダーク・イズ・ザ・シーズン
- 1.1.4Transcend the Rubicon|トランセンド・ザ・ルビコン
- 1.1.5The Grotesque / Ashen Epitaph|ザ・グロテスク/エイシェン・エピタフ
- 1.1.6The Dreams You Dread|ザ・ドリームス・ユー・ドレッド
- 1.1.7Grind Bastard|グラインド・バスタード
- 1.1.8Organised Chaos|オーガナイズド・ケイオス
- 1.1.9Killing Music|キリング・ミュージック
- 1.1.10Scriptures|スクリプチャーズ
- 1.1BENEDICTIONはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
BENEDICTION|DISCOGRAPHY
Subconscious Terror|サブコンシャス・テラー
オリジナルアルバム – 1作目 (1990年)
クラストがベースということからかスウェディッシュ系にも近い質感を持ち、疾走感のあるハードコア・デスラッシュとダウンテンポのドゥームデスを織り交ぜた作風。
これ以降は、スタイルのマイナーチェンジこそありますが、楽曲のベーシックな構成要素と方向性はこの時点で固まっており、極端な変化は見られません。
しかし、この時点ではアイデアが不足は明らかで、作曲能力もかなり稚拙なため、楽曲のアベレージは及第点に及んでいません。
ミニマル路線を狙ってるようにも思える展開が目につくのですが、だとしたら試みが成功しているとは思えないので、単にセンス不足で単調に陥っただけと考えるべきでなのでしょう。
現NAPALM DEATHのバーニー・グリーンウェイが参加している、唯一の作品ということで期待は膨らみますが、残念ながらそれに応えられるレベルには至っていません。
|スラッシュ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|グルーヴ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
代表作 通好み スルメ盤
The Grand Leveller|ザ・グランド・レヴェラー
オリジナルアルバム – 2作目 (1991年)
まだ荒さはあるものの、前作と比較するとアイデアが豊富に活かされており、作曲の能力も驚異的に向上。
曲展開やアレンジにも工夫が見られ、緩急のつけ方が巧みになったことでメリハリの効いた仕上がりとなっています。
音づくりを別にすれば、前作にも増してスウェディッシュ系に近いテイストを漂わせていますが、クラストコアという同じルーツを持つことを考えれば、そのクラスティなサウンドも納得はできる範囲内です。
いずれにせよ、まだ発展途上ではあるとはいえ、前作とはまるで別物のように成長を遂げた秀作であることについては間違いないところです。
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|ドゥーム度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 通好み スルメ盤
Dark Is the Season|ダーク・イズ・ザ・シーズン
ミニアルバム:EP (1992年)
Transcend the Rubicon|トランセンド・ザ・ルビコン
オリジナルアルバム – 3作目 (1993年)
過去作と比較すると、ヘヴィネスについてもサウンドの厚みについても大きく強化されており、これまでに無いスケール感の大きいデスメタリックなサウンドへと、大成長を遂げています。
また、これまでの楽曲ではあまり効果を上げていなかった、ドゥーミィなダウンテンポの濫用を極力控えたことで、楽曲にも効果的なダイナミクスが生じており、クオリティにもさらなる向上が見られるようになりました。
初期のオールドスクール・デスメタル時代においては、間違いなく最高傑作と呼ばれるにふさわしいアルバムに仕上がった力作です。
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★☆☆☆
|ドゥーム度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤
The Grotesque / Ashen Epitaph|ザ・グロテスク/エイシェン・エピタフ
ミニアルバム:EP (1994年)
The Dreams You Dread|ザ・ドリームス・ユー・ドレッド
オリジナルアルバム – 4作目 (1995年)
この当時のオールドスクールなデスメタル・シーンに広く見られた、グルーヴ&ロッキン路線へ傾倒する傾向が反映された作風。
これは、この時期の主だったデスメタル・バンドの多くが試みてきたアプローチですが、玉石混交だったそれらの中では、本作は比較的効果を上げており、健闘できている部類と言えます。
総合的なクオリテイについては、前作から大きく劣るものではありませんし、本来BENEDICTION自身がダウンテンポを多用した作風だったこともあって、過去作と比較してもサウンド面でそれほど違和感は感じられません。
前作と比較すると一枚落ちるのは確かでなので、さすがに最優先で聴くべき1枚とまでは言えませんが、地味ながら良質なアルバムではあります。
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★☆☆☆
|ドゥーム度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Grind Bastard|グラインド・バスタード
オリジナルアルバム – 5作目 (1998年)
米国と比較すると、一般に欧州のデスメタル・バンドには、音楽性の変化を厭わない傾向が見られます。
デスメタルがジャンルとしてのピークを過ぎた90年の中盤以降、その傾向はますます加速することになり、BENEDICTIONも例外ではありませんでした。
スラッシュ回帰, グルーヴ・スラッシュ. デスンロール…といった、本作に見られるエッセンスも、当時脱デスメタルを試みるグループに良く見られたアプローチです。
それらのを試みてきたグループの作品の中で、本作はよりオーソドックスなスラッシュメタル・サウンドへ接近したサウンドを聴かせます。
これを進化と呼んでしまうのは、さすがにはばかられる面がありますが、THE HAUNTEDなどの北欧デスラッシュとも異なる、高品質な独自のモダンデスラッシュを確立している事実に違いはありません。
これが非常に上手いハマリぶりを見せており、やや異例のアルバムではあるものの、全キャリア中でも出色の出来栄えとなっています。
|スラッシュ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|ドゥーム度:★☆☆☆☆
|グルーヴ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Organised Chaos|オーガナイズド・ケイオス
オリジナルアルバム – 6作目 (2001年)
前作と同様に、デスラッシュというカテゴリーの枠に収めることが可能なスタイルです。
ただし、80年代のスラッシュメタル・サウンドを独自にブラッシュアップした前作とは異なり、北欧メロデスをルーツとするネオ・スラッシュ/モダン・デスラッシュに近い感触も感じられすサウンドで、前作よりはややデスメタリックな仕上がりとなっています。
相変わらずケレン味が無くキメ曲に乏しい弱点は否定できませんが、適度なダウンテンポやハードコアなロッキン・テイストなど、彼らならではのセンスで類型的サウンドとは一線を画すことに成功していますし。
なにより、緩急のついた巧みな楽曲が並び、最後まで勢いを失うことの無い、心地よいアルバムに仕上がっています。
|スラッシュ度:★★★★★
|ハーコー度:★★★★☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 通好み スルメ盤 実験作
Killing Music|キリング・ミュージック
オリジナルアルバム – 7作目 (2008年)
前作と比較するとデスメタル色はやや薄れて、さらにハードコア・テイストを増しており、クラストやDビート(ディスコア)のエッセンスが前面に出るようになりました。
ケレン味の無さは相変わらずではあるものの、メタル的構築美を感じさせる楽曲はよく練られており、“Grind Bastard(5th)”あたりと同レベルの、キャッチーなフックを持ち合わせています。
ある意味では、「初期のBENEDICTIONをブラッシュアップさせたら、こうなってしかるべき」…といったサウンドで、周辺からのインプットはありながらも、当世風の主流に安易にスリ寄ったような印象はありません。
デスメタルもスラッシュメタルも、もはやスタイルが出尽くしたと言ってよい状況の現在において、地道ながらも類型化が進んだサウンドとは一線を引こうと足掻いている様子がうかがえ、英国流の頑固さを感じさせてくれます。
|スラッシュ度:★★★★★
|ハーコー度:★★★★☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 賛否両論 通好み 実験作
Scriptures|スクリプチャーズ
オリジナルアルバム – 8作目 (2020年)