Contents
- 180年代のヘヴィメタルバブルの中で正統派のアメリカンヘヴィメタルから享楽的なパーティロックへと変貌を遂げて、メインストリーム・メタルシーンの覇権を握ったグラムメタルを代表するグループ!!
- 1...1グラムメタル=LAメタルの代名詞!?
- 1...2時代に合わせてアップデートを続ける!?
- 1...3元はストロング・スタイルのへヴィメタルだった!?
- 1...4ポップでロッキンなグラムメタルでブレイク!!
- 1...5モダンサウンドで90年代をサヴァイヴ!?
- 1...6現在も絶賛活動継続中!?
- 1.1MÖTLEY CRÜE|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Too Fast For Love|トゥー・ファスト・フォー・ロング:華麗なる激情
- 1.1.2Shout At The Devil|シャウト・アット・ザ・デヴィル
- 1.1.3Theatre Of Pain|シアター・オブ・ペイン
- 1.1.4Girls, Girls, Girls|ガールズ、ガールズ、ガールズ
- 1.1.5Dr. Feelgood|ドクター・フィールグッド
- 1.1.6Mötley Crüe|モトリー・クルー
- 1.1.7Generation Swine|ジェネレーション・スワイン
- 1.1.8New Tattoo|ニュー・タトゥー
- 1.1.9Saints Of Los Angeles|セインツ・オブ・ロスアンゼルス
- 1.2METHODS OF MAYHEM|メソッズ・オブ・メイヘム
- 1.2.1Methods of Mayhem|メソッズ・オブ・メイヘム
- 1.2.2A Public Disservice Announcement|ア・パブリック・ディスサービス・アナウンスメント
MÖTLEY CRÜE|DISCOGRAPHY
Too Fast For Love|トゥー・ファスト・フォー・ロング:華麗なる激情
オリジナルアルバム – 1作目 (1981年)
オーソドックスなヘヴィメタル・テイストが強めな作風で、冒頭のT-01などはパワフルなスピードメタルですし、T-05, T-07などのような比較的優れたメタル・チューンも聴けます。
ただし、全体的には英国の初期ヘヴィメタルやNWOBHMムーヴメントの影響が濃厚なものではなく、アメリカン・ハードロックに根ざした作風で、KISSあたりにも通じるアメリカナイズが施されたポップなスタイルです。
まだまだ荒さやチープさは否めませんが、彼らの持ち味であるポップなセンスと器用さ/要領の良さは、楽曲に生かされており、バリエーション豊かで多彩な楽曲が並び、全編飽きずに聴きとおせる仕上がりです。
|ポップ度:★★★☆☆
|ロッキン度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|チャラい度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論
Shout At The Devil|シャウト・アット・ザ・デヴィル
オリジナルアルバム – 2作目 (1983年)
前作をさらにメタル方面にブラッシュアップしたような本作は、MÖTLEY CRÜEのカタログ中で最もヘヴィメタリックな作風であり、唯一純粋なヘヴィメタル・アルバムとして聴くことのできる作品です。
ポップテイストも健在でミッドテンポが中心でありながら、ひとつのメタル・アルバムとして優れた出来栄えで、MÖTLEY CRÜEやグラムメタル一般に否定的なメタルクラスタの中にも、「このアルバムだけは例外」と認めるリスナーは少なくなありません。
のちにメンバーショットに差し替えられたものの、当初はリバース・ペンタグラム(逆五芒星)をあしらったジャケットだったことからも、意図的にストロング・スタイルのヘヴィメタル路線を狙ったことがうかがえます。T-06はTHE BEATLESのいわくつきの曲のカバー。
|ポップ度:★★☆☆☆
|ロッキン度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|チャラい度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤
Theatre Of Pain|シアター・オブ・ペイン
オリジナルアルバム – 3作目 (1985年)
本格的なグラムメタル/ポップメタル路線への皮切りとなるアルバムで、そのブームの発火点ともなったヒット作。
しかし、批評家筋からはおおむね低評価で、メンバーも否定的なコメントを公言していることから、問題作/失敗作とされることも多いアルバムです。
メタル・テイストは維持されておりヘヴィな曲も聴くことができますし、T-07をはじめT-03, T-06などはヘヴィメタルとして聴ける仕上がり。
その一方で、バラードも含めてハードポップ調のライトな曲も増えています。
前作までは“ポップなメタル”と呼べたものが、“メタリックなポップロック”へと移行しつつあり、ポップメタル/産業ロック化が大きく進行したとも言えるでしょう。
キャリア的には過渡期にあたり、アルバムとしては多彩というよりは散漫という印象が強く、楽曲も玉石混交。確かに、評価が分かれるのもやむを得ないところです。
|ポップ度:★★★★☆
|ロッキン度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|チャラい度:★★★☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論
Girls, Girls, Girls|ガールズ、ガールズ、ガールズ
オリジナルアルバム – 4作目 (1987年)
前作をブラッシュアップして洗練させたような作風で、セールス面でも前作を上回る成功を収めており、ポップメタル路線としてはここがひとつの頂点と言えます。
ヘヴィメタリックな質感は維持しつつも、ロックンロール・テイストとポップ・テイストが一段と濃くなった作風で、スマッシュヒットとなった代表曲のT-02も含め、もはや、メタルバンドがハードポップ/産業ロックをやっていると考えた方が適切でしょう。
この作風も、持ち前のセンスと要領の良さで器用にこなしており、メタルファンの評価は分かれるものの、グラムメタルムーヴメントを語るには欠かせない一枚なのは確かです。なお、T-10はプレスリーのカバー。
|ポップ度:★★★★★
|ロッキン度:★★★★☆
ヘヴィネス:★★★☆☆
|チャラい度:★★★★★
|総合評価:★★★☆☆
代表作 入門盤
Dr. Feelgood|ドクター・フィールグッド
オリジナルアルバム – 5作目 (1989年)
METALLICAとの仕事でも知られるボブ・ロックのプロデュースによるアルバムで、セールス的にも批評的にも最も大きな成功を収め、一般的にも代表作ともみなされています。
ここでは、前作までは維持されていたメタル・テイストが後退し、ほぼロックンロール・テイストのハードロックといっていいサウンドに変化を見せており、グラムメタル・シーンのトレンドの移り変わりが見て取れます。
そもそも、彼らが初期からロックンロール・テイストを持っており、ここまでも作品ごとにそれを増してきたことは事実とはいえ、その延長線上にあるものではなく、完全にGUNS N’ ROSESのブレイクのあおりを受けた“バッドボーイ系パーティR&R”に仕上がっています。
高水準でソツのない作品なのは確かですが、作風の変化からオールドファンからの評価はマチマチですし、何より“バッドボーイ系パーティR&R”の収束が思いのほか早かったことも、彼らにとっては誤算だったかもしれせん。
|ポップ度:★★★★★
|ロッキン度:★★★★★
ヘヴィネス:★★☆☆☆
|チャラい度:★★★★★
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤
Mötley Crüe|モトリー・クルー
オリジナルアルバム – 6作目 (1994年)
グラムメタル/ポップメタルの終焉、そしてヴォーカリストの脱退によるブランクを経て、リリースされたアルバム。
ここでは、当時シーンを席巻していた“ダブルG”…つまり、グランジ&グルーヴを取り入れるという、同時期には盛んに見られた80年代バンドの新時代サヴァイヴ・メソッドに則っています。
もっとも、「時代と寝る」がモットーの彼らだけに、そのアプローチには何ら意外性はありませんし、持ち前の器用さとポップセンスを活かして無難にこなしており、出来栄えも高水準。
少なくとも前作よりは、メタル/ヘヴィミュージックのリスナーに、受け入れられる余地のあるサウンドです。
ただし、グランジであれグルーヴメタルであれ、“リアルさ”が重要視される面があります。
80年代バブルを謳歌しきった彼らが、この時代のリスナーに受け入れられるには、よほどの革新性や本気度が要求されるところですが、残念ながらそれに見合うレベルには達していません。
加えるなら、アイドル人気が高かったバンドだけに、いわゆる“推しメン”の脱退は一般的なメンバー・チェンジ以上の痛恨事であり、負け戦はほぼ確定していたとも言えます。
むしろ、それらのしがらみに囚われない新世代リスナーの方が、ニュートラルなスタンスで楽しめる可能性があるかもしれません。
|ポップ度:★★★☆☆
|ロッキン度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★★★
|チャラい度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 スルメ盤 実験作
Generation Swine|ジェネレーション・スワイン
オリジナルアルバム – 7作目 (1997年)
前作に続いてグランジやヘヴィグルーヴを取り入れて、ヘヴィな音像のオルタナティヴ・ロック/メタルに接近したサウンド。
ややジャンクでノイジーな音づくりは、当時のガレージロック・ブームも意識しているとも、インダストリアルテイストも狙った結果とも解釈できます。
とはいえ、前作以上にポップネスが強調された作風となっており、その点においては、前作に不満を感じていたリスナーにも受け入れやすいアルバムかもしれません。
ただし、そのポップ・テイストは80年代の産業ロック/ポップメタルのソレとは異なり、どちらかというと英オルタナなどによく見られる“パワーポップ”系に近いもので、英国のTHE WILDHEARTSなどを想起させる部分もあります。
彼ら特有の“つくりもの臭さ”はやはり付きまといますが、グランジほどにはリアルである必要のない作風ということもあり、前作ほどその点について変に意識することなく肩の力を抜いて聴けるアルバムです。
|ポップ度:★★★★☆
|ロッキン度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|チャラい度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 実験作
New Tattoo|ニュー・タトゥー
オリジナルアルバム – 8作目 (2000年)
Saints Of Los Angeles|セインツ・オブ・ロスアンゼルス
オリジナルアルバム – 9作目 (2008年)
METHODS OF MAYHEM|メソッズ・オブ・メイヘム
METHODS OF MAYHEM(メソッズ・オブ・メイヘム)は、MÖTLEY CRÜEのドラマーであるトミー・リーがバンド脱退時期に結成したグループ。
当時ニューメタルムーヴメントの中で、新世代のパーティロックとして脚光を集めていたラップメタルのブームが背景にあり、同時代的なサウンドを持った本格的なミクスチャー/ラップメタルを展開していました。
実質的にはトミー・リーのソロプソジェクトで、それ以外のメンバーはセッションメンバー的な扱いで、アルバムごとにメンバーは異なりますが、多数の豪華ゲストを招いてコラボレーションを行っていることで知られています。
ゲストとしては、ニューメタル勢ではフレッド・ダースト(LIMPBIZKIT), キッド・ロック, チノ・モレノ(DEFTONES)、ヒッポホップシーンからスヌープ・ドッグとミックス・マスター・マイク(BEASTIE BOYS)らのほか、ファンク界の大物ジョージ・クリントンなど各界のビッグネームが参加していました。
1999年にデビューを果たすも短期的な活動にとどまりましたが、その後10年周期で再結成しアルバムリリースやライヴ活動を行っています。
Methods of Mayhem|メソッズ・オブ・メイヘム
オリジナルアルバム – 1作目 (1999年)
|ミクスチャ度:★★★★★
|ロッキン度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|ポップネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤
A Public Disservice Announcement|ア・パブリック・ディスサービス・アナウンスメント
オリジナルアルバム – 2作目 (2010年)