Contents
- 1ヘヴィメタルの様式美を創り上げてアップデートを続けた、メタル・アイコンにしてイノベイターのロブ・ハルフォードが、JUDAS PRIESTと決別してまでも追求した先鋭的メタルサウンド!!
- 1...1メタルゴッドと呼ばれるJUDAS PRIESTのフロントマン?!?
- 1...2ゲイゴッドとしてのロブ・ハルフォード!?
- 1...3ヘヴィメタルの最新モードを追い続けたロブ・ハルフォード!?
- 1...4理想のヘヴィメタルを求めてJUDAS PREASTを離脱!!
- 1...5ロブ・ハルフォードのモダン・ヘヴィメタル遍歴!!
- 1...6ファンが待ち望んだJUDAS PRIESTへの復帰!?
- 1.1FIGHT|DISCOGRAPHY
- 1.1.1War of Words|ウォー・オブ・ワーズ
- 1.1.2Mutations|ミューテーションズ
- 1.1.3A Small Deadly Space|ア・スモール・デッドリィ・スペース
- 1.1.4K5: The War of Words Demos|ケーファイブ:ウォー・オブ・ワーズ・デモズ
- 1.1.5War of Words - The Film|ウォー・オブ・ワーズ - ザ・フィルム
- 1.1.6Into the Pit|イントゥ・ザ・ピット
- 1.1.7Nailed to the Road|ネイルド・トゥ・ザ・ロード
- 1.2TWO|DISCOGRAPHY
- 1.2.1Voyeurs|ヴォイヤーズ
- 1.1HALFORD|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Resurrection|レザレクション
- 1.1.2Crucible|クルーシブル
- 1.1.3Halford III : Winter Songs|ウィンター・ソングス
- 1.1.4Halford IV : Made of Metal|メイド・オブ・メタル
- 1.1.5Celestial|セレスティアル
HALFORD|DISCOGRAPHY
ロブ・ハルフォードが1999年に新たに始動させた、自身の名義によるソロ・プロジェクト。
当初のメンバーは、ドラムにRIOTでの実績のある腕利きのボビー・ジャーゼンベクを置いた以外は、無名の若手ミュージシャンで固めるという『FIGHT』時代と同様の座組みでした。
しかし途中からは、ブルース・ディッキンソンのソロプロジェクトへのギタリスト/プロデューとして参加をはじめ、多数のベテラン/中堅をバックアップしたことで、オールドスクール再建屋として名を成すロイZ、LIZZY BORDENのベーシストだったマイク・デイヴィスら、実績のあるメンバーが加わっています。
一般的には、ロブ・ハルフォードがオールドスクールなヘヴィメタル回帰を狙ったプロジェクトと見なされており、それは一面では正解ですが、基本的には、グルーヴメタルやパワー/スラッシュメタルの要素も色濃い、同時代的にアップデートされたヘヴィメタルのスタンダードといった音楽性です。
その後、ロブ・ハルフォードはJUDAS PRIESTへと復帰を果たして、そちらを活動の中心に置きますが、HALFORD自体は現在もアクティヴな状態にあり、活動も継続されています。
ただし、JUDAS PRIEST本体の存在を脅かすような、本格的なメタル・アルバムの制作は遠慮せざるを得ないようで、ウィンター・シーズン向けの企画モノのアルバムなどの、中途半端な作品でお茶を濁しています
Resurrection|レザレクション
オリジナルアルバム – 1作目 (2000年)
オーソドックスな正統派ヘヴィメタルサウンドに回帰したとして、保守メタラーからも絶賛を持って迎えられたHALFORD名義での第一弾。
実際のところは、完全にオールドスクールなヘヴィメタルというわけではなく、あえて言うなら、現状では〈JUDAS PREAST〉最後の名盤である『Painkiller』に〈FIGHT〉の『War of Wordsr』の要素をミックスしたようなスタイル。
あくまでも、80年前後の古典的ヘヴィメタルとは異なる、スラッシュやヘヴィグルーヴの全盛期を通過した90年代以降の音づくりによるパワーメタルであり、本作は、それがヘヴィメタルのスタンダードと見なされるようになった、時代の趨勢を象徴するものとも言えます。
とはいえ、完成度については申し分ない出来栄えなので、ハルフォードらしい最先端ヘヴィネスを導入した野心的アプローチや、真に伝統的/古典的と呼べるオールドスクール・メタルさえ期待しなければ、高品質なメタル・アルバムとして十分以上に楽しめる力作です。
ヴルーヴ:★★★☆☆|叙情度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★
代表作 入門盤 実験作
Crucible|クルーシブル
オリジナルアルバム – 2作目 (2002年)
かつてパワーメタルと呼ばれたスタイルが、オールドスクール・メタルの標準モードと認識されるようになった、90年代以降のモダン・ヘヴィメタル・スタンダード。
…その作風については、前作から大きな変化はなく、楽曲もファスト・チューンからヘヴォ&グルーヴィなダウンテンポ・チューンまで取りそろえたラインナップです。
前作との比較で言えば、保守メタラー受けするファスト・チューンの比率がやや増えた反面、グルーヴメタルのみならずニューメタルのエッセンスも取り入れるなど、モダンなアプローチもさらに強化されるという、二極化の傾向が見られます。
本作もまた、一級品のヘヴィメタル・アルバムであることは間違ないので、メタルファンなら聴いて損はありませんが、あくまでもオールドスクールな作法/様式美にこだわるリスナーには不満が残るかもしれません。
ヴルーヴ:★★★★☆|叙情度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 実験作
Halford III : Winter Songs|ウィンター・ソングス
オリジナルアルバム – 3作目 (2009年)
クリスマス〜ニューイヤーにかけての、ウィンター・ホリデー・シーズンをテーマにしたメタルアルバム。
とはいえ、メタル系クリスマス・アルバムによく見られる、いかにも企画モノ然としたユルさやノーテンキさは薄く、比較的シリアスでシットリとしたつくりとなっています。
ヘヴィネルやアグレッションよりも、叙情性を重視したメロウなサウンドが主体なので、ヘヴィメタルとして考えるなら大きく魅力に欠けますが、“クラシカル叙情派”や“クラシカル美メロ派”のリスナーには響くかもしれません。
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|スピード:★★☆☆☆
|ヴルーヴ:★☆☆☆☆
|叙情度:★★★★☆
|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論 スルメ盤 実験作
Halford IV : Made of Metal|メイド・オブ・メタル
オリジナルアルバム – 4作目 (2010年)
US風パワーメタルやジャーマン風メロディック・スピードメタルから、初期のJUDAS PREAST風ナンバー、スペイシーなスタイルやエスニック・テイストなど、これまでになく多彩な作風がそろった意欲作。
しかしながら、それが成功しているかどうかはまた別の話。
JUDAS PREASTとしての兼ね合いで遠慮/忖度があるのか、あえてメタル的ダイナミズムやカタルシスを抑えたようにも感じさせる楽曲は、フックの効き具合も脆弱でいまひとつ突き抜けたところがありません。
〈HALFORD〉名義のみに限っても、その初期と比較するとかなりアベレージが下がった、低調な仕上がりと言わざるを得ないでしょう。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|スピード:★★★☆☆
|ヴルーヴ:★☆☆☆☆
|叙情度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
スルメ盤 お布施
Celestial|セレスティアル
オリジナルアルバム – 5作目 (2019年)
ウィンターアルバムの第二弾。
申し訳程度にメタル・ナンバーも収録されているものの、前作よりもベタなクリスマス・アルバムとなっています。
「ヘヴィメタルのクリスマス・ソングをどうしても入手する必要がある」…という特殊な事情にあるユーザー以外には、もはや、お布施以上の意味は残っていないアルバムといえます。
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|スピード:★★★☆☆
|ヴルーヴ:★☆☆☆☆
|叙情度:★★★☆☆
|総合評価:★★☆☆☆
賛否両論 お布施