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★ ROB HALFORD(ロブ・ハルフォード) 関連〈FIGHT〜TWO〜HALFORD〉ディスコグラフィー ★ 進化系ヘヴィメタルの追求のためにJUDAS PRIESTを脱退したメタルゴッドが繰り広げた華麗なるソロワーク!!…必聴アルバムは?

ROB_HALFORD_logo ◆ D, E, F, G
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FIGHT|DISCOGRAPHY

FIGHTは、PANTERAらヘヴィ・グルーヴメタル勢のサウンドに感銘を受け、新世代によるヘヴィメタルのひとつの進化系として高く評価していたロブ・ハルフォードが、本人もそれを取り入れたモダン・ヘヴィメタル・アプローチを試みるべく結成したプロジェクト。

そもそもは、JUDAS PRIEST在籍時から計画していたサイド・プロジェクトでしたが、そのプランを快く思わないバンド/レーベルとの間で確執が生じ、その結果ハルフォードは、JUDAS PRIESTを脱退してFIGHTを結成する道を選びます。

結果的には、JUDAS PRIESTを一時崩壊と長期活動休止に導いた要因となったことから、オールドファンや保守的なメタルクラスタからは、八つ当たりでバッシングされがちな傾向もありますが、後には再評価も進み、リマスタリング/リミックスを施した再発アルバムや、ボックスセットなどもリリースされています。

他のメンバーは、要となるドラムには、同時期にJUDAS PRIESTに在籍しながらも、中途加入で比較的ニュートラルな立場だったと思しき、腕利きのスコット・トラヴィスを迎えていますが、それ以外は、マイナー・バンドのCYANIDEのメンバーら、当時は無名で目立った実績もない若手ミュージシャンを中心に起用していました。

残念ながら、活動は1992年〜1995年の短期間に終わり、スタジオ・フルレンスのオリジナル・アルバム2枚のみを残しています。

なお、ラス・パリッシュ(Gt.)は、後にSTEEL PANTHERに参加して名を上げており、また、元THE COUP DE GRACEのマーク・チョーシー(Gt.)は後にMARILYN MANSONのサポートなどもつとめています。

War of Words|ウォー・オブ・ワーズ

FIGHT_War_of_Words

オリジナルアルバム – 1作目 (1993年)

70〜80年代と90年代を代表するヘヴィメタルのトレンド・サウンドを、匠の技で一体化させて練り上げた、新旧ハイブリッド・メタルの超傑作アルバム。

音楽性は、PANTERAやHEKMETらに代表される、当時の最先端ヘヴィミュージックだったグルーヴメタルを独自に解釈した、ヘヴィグルーヴィでパワフルなフィジカル系メタルサウンドに、JUDAS PRIEST由来の叙情性やメロディなどの、オールドスクールなメタル様式がアクセントとして加わえたスタイル。

後続の安易な便乗組とは異なり、双方の長所のみを生かしきって、相殺されることのない絶妙なバランスでクロスオーバーされており、既存のベテラン/中堅メタルグループのヘヴィグルーヴ・アプローチとしては、最上位に位置する理想的な仕上がりを見せています。

それらの中での際立った成功例は、実績はあれど世代的には新人レベルだったSEPULTURAやMACHINEHEADを除くと、IRON MAIDENのブルース・ディッキンソン、BLACK SABBATHのギーザー・バトラーと、このハルフォードという、超ベテランに集中していたというのは興味深い事実です。

|メタル度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★★★
|スピード:★★★☆☆
|ヴルーヴ:★★★★★
|叙情度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作

Mutations|ミューテーションズ

FIGHT_Mutations

コンピレーションアルバム (1994年)

当時、インダストリアルメタルやラップメタルの流行の流れから、ヘヴィメタル界隈でもポピュラーなものとなりつつあった、リミックスを施した別バージョン曲と、貴重なライヴ音源によって構成された編集盤。

マニアックなユーザー向きのファンアイテムであることは否めませんが、リミックス・バージョンの完成度は高く、原曲を上回割ろうかというカッコよさに仕上がっており、オリジナル盤が気に入ったリスナーなら必携と言っていいでしょう。

なお、リミキサーは、THE GATHERINGをはじめSCORPIONS,JUDAS PRIESTなどのエンジニア/ミックス/マスタリングなどをつとめるアッティ・バウ。

|メタル度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★★★
|スピード:★★★☆☆
|ヴルーヴ:★★★★★
|叙情度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

A Small Deadly Space|ア・スモール・デッドリィ・スペース

FIGHT_A_Small_Deadly_Space

オリジナルアルバム – 2作目 (1995年)

基本的には、前作の延長線上の…あるいはその派生系としてのヘヴィ・グルーヴ・メタルと呼び得るサウンドですが、1stに見られた、JUDAS PRIESTに通じる旧来のオールドスクールなメタル要素については、大きく後退しています。

本作は、グルーヴメタルのみならず、ドゥーム/スラッジやグランジに通じるダウナーでハード・ロッキンなヘヴィネスが濃厚で、加えて、後のニューメタルにも通じるようなエッセンスも見られ、そのプロトタイプとも呼べそうなサウンドも内包しています。

ヘヴィメタル的なドラマ性やダイナミクスが薄れたややミニマルなフラットなスタイルとなったことに加え、前作には存在した特に際立ったキラーチューンも見られないことから、前作を支持したリスナーからさえも賛否両論の結果に終わり、全体評価も下がることになりました。

キャッチネスに欠けフッキーでもないため、前作ほどのわかりやすいインパクトは望むべくもないとはいえ、同時代的なヘヴィ・サウンドを咀嚼・消化しきった、独創的で上質な楽曲がそろっていることは間違いなく、後に10年余りを経てようやく時代が追いついたことで再評価の機運も高まり、リマスター音源もリリースされることになります。

|メタル度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★★★
|スピード:★☆☆☆☆
|ヴルーヴ:★★★☆☆
|叙情度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

K5: The War of Words Demos|ケーファイブ:ウォー・オブ・ワーズ・デモズ

FIGHT_K5_The_War_of_Words_Demos

コンピレーションアルバム (2006年)

2000年代にFIGHT再評価の機運が高まったことから、お蔵入りだった関連音源までもが続々とリリースされることになります。
本作もその一環でリリースされたもので、『War of Words(1st)』のデモ音源を集めたもの。

確かに音質は“デモ音源相当”の荒々しいサウンドですが、これはこれで生々しい魅力がありますし、何よりここでしか聴くことの出来ない激レアな未発表曲も多数収録されているので、ファンならこれもまた見逃すわけにはいきません。

メタル度:★★★★★|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★☆☆☆
マニア度:★★★★★|レ ア 度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

通好み スルメ盤 実験作

War of Words – The Film|ウォー・オブ・ワーズ – ザ・フィルム

FIGHT_War_of_Words_The_Film

ミュージックビデオ (2007年)

何ぶん活動期間が短かったため、今となってはかなり貴重で激レアなものとなった、ライヴ映像とPVを含む映像記録と音源のカップリング。

年寄りの冷や水と冷やかされながらも、スケーター系のストリート・ファッションを着こなして頑張るハルフォードが微笑ましく、ファンならば必携は間違いなしのマスト・アイテムです。

|メタル度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★★★
|スピード:★★☆☆☆
|選  曲:★★★★★
|レ ア 度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤

Into the Pit|イントゥ・ザ・ピット

FIGHT_Into_the_Pit

ボックスセット (2009年)

FIGHTの過去3枚のアルバムが、リマスターにより大幅アレンジされたサウンドで蘇ったボックスセット。

特にヘヴィネスが大幅増量されたメタリックなアレンジにより、別モノと言っていい仕上がりとなった『A Small Deadly Space(2nd)』の変貌ぶりは話題になりました。

このリマスター・アルバムは、再発日本盤以外では個別にはリリースされていないので、海外ではまさにここでしか聴くことのできない必携のボックスセットとなっています。

|メタル度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★★★
|スピード:★★☆☆☆
|ミックス:★★★★☆
|マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作

Nailed to the Road|ネイルド・トゥ・ザ・ロード

FIGHT_Nailed_to_the_Road

ライヴアルバム (2008年)

こちらもファン必携の貴重なライヴ音源ですが、前記の『War of Words – The Film』からの音源で内容は同じなので、そちらを持っていれば不要です。

|メタル度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★★★
|スピード:★★☆☆☆
|ヴルーヴ:★★★★★
|叙情度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 入門盤

TWO|DISCOGRAPHY

『TWO』は、ハルフォードが、インダストリアル・メタルのアプローチを試みるためのプロジェクトで、スタジオ・フルアルバム1枚のみを残して、事実上活動を終えています。

ここでは、NINE INCH NAILSのトレント・レズナーをプロデューサーに迎え、MARILYN MANSON ROB ZOMBIEのバンドでの活躍で知られるジョン5ことジョン・ロウリーら、インダストリアル・メタル界隈のミュージシャンを集めており、本格的にインダストリアル・メタルを追求する意思がうかがえる布陣となっています。

当然のように、保守的な旧来のファンに受け入れられることはなく、かといって、先鋭志向のメタルクラスタにも響かず、インダストリアル界隈でも注目を集めることはないままに、活動は立ち消えとなりました。

しかし、リスナーの志向の変化や入れ替わりもあってか、近年では一部で再評価の機運もあり、そこでは不評の反動からかカルト的に持ち上げられる傾向もあります。

Voyeurs|ヴォイヤーズ

TWO_Voyeur

オリジナルアルバム – 1作目 (1996年)

インダストリアル・メタルといっても、ここで聴けるのは、エクストリーム・メタルの一形態とも見なされた、かつてのデジタル・スラッシュ路線でも、ジャーマン系に目立つアッパーなダンス系でもなければ、ヘヴィ&ダウナーな英国流でも、ニューメタル系のサイバー・メタルでもありません。

簡単に言えば、90年代からアメリカのシーンでもひとつの流れとなった、“ニューウェイヴ/ポストパンク・リヴァイヴァル”の一環にあるサウンドで、さらに端的に言うなら、FEAR FACTORYの浮遊感のあるクリーン・パートだけを取り出して引き伸ばしたような作風。

新奇性の面については、甘く見れば「かろうじて最新モードをカスっている」とねじ込めなくもないタイミングですが、『FIGHT』でのように、最新フォーミュラを自身のスタイルに落とし込んで、独自のサウンドへと再構築することは出来ていません。

メタル/ロック的なアグレッションやダイナミクス、ヴォーカルのメタル・スクリームの完全なオミットについては、意図的なものと考えられますが、それは、先端サウンドとのケミストリーを生むハルフォード最大の武器を自ら捨てたということ。

そのため、『FIGHT』のように新旧メタル・サウンドの衝突から、既存のスタイルに収まらない独自のサウンドを生み出すという奇跡は起り得ず、聴き手をうならせる新奇性も、理屈を超えた圧倒的で特異な魅力も見られません。
一定水準はクリアしているものの、アトモスフェア頼りでメリハリもフックも欠如した、凡庸な楽曲の羅列に終わっています。

メタル度:★★☆☆☆|ヘヴィネス:★☆☆☆☆|スピード:★☆☆☆☆
サイバー度:★★★★★|叙情度:★★★☆☆|総合評価:★★★☆☆

代表作 賛否両論 スルメ盤
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