Contents
- 1ヘヴィメタルサウンドに音楽的影響を与えたバンド達
- 2ルーツ・オブ・ヘヴィメタルの代表的バンド|サウンド編
- 2.1ブリティッシュハードロックの2大巨頭
- 2.1.1LED ZEPPELIN|レッドツェッペリン
- 2.1.2DEEP PUEPLE|ディープ・パープル
- 2.2英米二大元祖メタル、ブラック&ブルー
- 2.2.1BLACK SABBATH|ブラック・サバス
- 2.2.2BLUE ÖYSTER CULT|ブルー・オイスター・カルト
- 2.1ヘヴィメタリックなサウンドのルーツは?
- 2.2ヘヴィメタルサウンドに影響を与えたその他の重要バンド
- 3ルーツ・オブ・ヘヴィメタルの代表的バンド|コンセプト編
- 4ルーツ・オブ・ヘヴィメタルの代表的バンド|ビジュアル編
ヘヴィメタリックなサウンドのルーツは?
ヘヴィメタルの代名詞でもあるメタリックな質感のサウンドが登場するには、さすがにサウンドテクノロジーが発達が進むのを待たないといけません。その点においてはプログレ界隈はさすがで、予算もあって新し物好きな先鋭派がそろっています。
英国5大プログレバンド(BIG5)の一角KING CRIMSON(キング・クリムゾン)のサウンドは、クールで硬質なメタリックとも言える質感を持っていて、メタリックなサウンドでヘヴィメタルに先駆けた存在と言えます。
特にメタルクリムゾンと呼ばれるREDアルバム時期のKing Crimsonは、ギターの質感までもメタリックで重量感のあるサウンドを作り出していて、ヘヴィメタルの直接的ルーツとも言えます。
同じく英国のVAN DER GRAAF GENERATOR(ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター)は、スタジオアルバムで聴ける端正なサウンドと異なるライヴでのヘヴィで暴力的なサウンドが、ヘヴィメタルに通じる破壊力を感じさせます。
特殊な例ですが、少し遡ってハードロックバンドのSPOOKY TOOTH(スプーキー・トゥース)が現代音楽家ピエール・アンリとコラボレイトしたCeremonyアルバムは、サイケや実験音楽色が強いながらも金属的でインダストリアル的な要素や、当時としてはメタリックで硬質な質感も感じさせます。
ある意味ではプログレから一歩先を行った、メタリックサウンドのルーツのひとつと言えるかもしれません。
ヘヴィメタルサウンドに影響を与えたその他の重要バンド
ここまで紹介した以外にも、ヘヴィメタルに影響を与えたルーツバンドは数限りなく存在します。
英国では、元ディープ・パープルの元祖ネオクラシカル・ギターヒーロー、リッチー・ブラックモアが結成し、のちのメタルアイコンロニー・ジェイムス・ディオが世に出るキッカケにもなった洋式美ユニットのRainbow(レインボー)の存在は重要です。
また、アイドルバンドとしてスタートしながら、ジューダス・プリーストに先駆けてヘヴィ&ファストなメタルサウンドを切り開いていたSweet(スウィート)、ヘヴィサイケからキレのあるハードロックに転身し、ギターヒーローマイケル・シェンカーを排出したU.F.O、NWOBHMシーンに最も大きな影響を与えたバンドと呼ばれるBudgie(バッジー)なども、忘れるわけにはいきません。
英国以外では、欧州哀愁派の代表格でジャーマンメタルの元祖でもあるドイツのScorpions(スコーピオンズ)、同じくドイツの老舗で、のちにRISK(リスク)と改名しパワーメタル/スラッシュメタルとしても活躍するバイキングバンドFAITHFUL BREATH(フェイスフル・ブレス)、サイケなアートロックからアメリカの馬鹿力系ハードロックの大御所&ギターヒーローとなったテッド・ニュージェント、同じく馬鹿力系でミドルテンポが光るオーストラリアの大陸的金太郎飴ハードロックAC/DCなども、ヘヴィメタルのルーツとして無視できない重要なバンドですね。
ルーツ・オブ・ヘヴィメタルの代表的バンド|コンセプト編
ヘヴィメタルには、歌詞の世界観やアルバムコンセプトをSFやファンタジー、ホラーなどの文学作品に求める流れがありますが、上で紹介したLED ZEPPELINやBLACK SABBATH、BLUE ÖYSTER CULTなどはそのルーツの一端と言えます。
また、ヘヴィメタルと親和性が高い一部のプログレッシヴ・ロックの中にも、神話や歴史物語、ファンタジーなど叙事的な世界観をコンセプトにしていたバンドは少なくありません。
とはいえ、今でこそSFやファンタジーといえば粗製乱造のオタクビジネスとなっていますが、上でも触れたように60~70年代のSF・ファンタジー小説は、形態はチープなパルプマガジンだったとはいえ、知的でクールで先鋭的な最先端のサブカルチャーだったのです。
また、当時はそれらの作品を生み出した作家とバンドが直接交流を持つことも少なくありませんでした。
今までにないロックミュージックを作り出そうとしていた先鋭的なバンドと最先端の作家との、クリエイター同士の精神的コラボレーションが行われていたわけです。
現在のコミックやゲームなどでテンプレ化,通俗化した世界観の踏襲とは、全く別の次元であったことは知っておくべきでしょう。
ルーツ・オブ・ヘヴィメタルの代表的バンド|ビジュアル編
ヘヴィメタルには、グラムメタル,ショックメタル,ブラックメタルなどに代表される、特殊なコスチュームに強烈なメイクといった特異なビジュアルコンセプトのバンドも少なくありませんが、それらのルーツにあたるようなバンドも存在します。
コンセプチュアルなビジュアルということなら、サイケデリックロック全盛期はアーティスティックなボディペイントやメイク、コスチュームは特に珍しくありませんでした。
その代表とも言えるアーサー・ブラウンのメイクなどは、白黒にしたらブラックメタルバンドかと見間違うくらいです。
さらに遡れば、それ以前にもスクリーミン・ジェイ・ホーキンスやスクリーミング・ロード・サッチなどのロックンロール系アーティストが、吸血鬼やヴードゥー風のメイク&コスチュームなど、ホラー映画的なシアトリカルでキッチュなビジュアル/ギミックで人気でした。
これらの先駆者たちとの間に、被り物王子ピーター・ガブリエル(Genesis/ジェネシス)や目玉おやじのコスプレで有名なTHE RESIDENTS(ザ・レジデンツ)などのプログレ/アート勢、デヴィッド・ボウイやT. REX(T-レックス)らナル&ユニセックスなグラムロック勢を挟んで、ショックメタル・コスプレメタルのルーツと言われるバンドが登場!
それがアリス・クーパーやKISSです。彼らの存在はビジュアルだけでなくサウンド面でも、ヘヴィメタルバンドに直接的に大きな影響を与えました
この時点で、コスプレ系/ビジュアル系ヘヴィメタルの雛形や、エンタメ的なギミックの手法はほぼ出揃ったと言えるでしょう。
今回はヘヴィメタルに影響を与えたルーツ的バンドを紹介してきました。サウンド的にメタルとは直接つながらないバンドもありますが、メタルを深掘りするためには聞き逃せないバンドばかりなのでチェックしてみてください。