Contents
- 1デスメタルに接近した新世代スラッシュメタルから、革新的なトライバル・グルーヴメタルへと華麗なる転身!一躍シーンの最先端に躍り出たブラジルの国民的メタルバンド!
- 1...1SEPULTURAはブラジリアン・メタルの代表格!?
- 1...2ブラジリアン・スラッシュメタルとしてのSEPULTURA!?
- 1...3デスメタルとしてのSEPULTURA!?
- 1...4グルーヴメタル/ポストスラッシュとしてのSEPULTURA!?
- 1...5トライバル・メタル/ラテン・メタルとしてのSEPULTURA!?
- 1...6ティーンズ・メタルとしてのSEPULTURA!?
- 1...7マックス・カヴァレラの脱退とSEPULTURAの分裂!?
- 1...8バンド再編〜現在の音楽性は!?
- 1.1SEPULTURA|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Morbid Visions|モービッド・ビジョンズ
- 1.1.2Schizophrenia|スキゾフリニア
- 1.1.3Beneath the Remains|ビニース・ザ・リメインズ
- 1.1.4Arise|アライズ
- 1.1.5Chaos A.D.|ケイオス・エー・ディー
- 1.1.6Roots|ルーツ
- 1.1.7Against|アゲインスト
- 1.1.8Nation|ネイション
- 1.1.9Roorback|ロアーバック
- 1.1.10Dante XXI|ダンテXXI
- 1.1.11A-Lex|ア-レックス
- 1.1.12Kairos|カイロス
- 1.1.13The Mediator Between Head and Hands Must Be the Heart|ザ・メディエーター・ビトウィーン・ヘッド・アンド・ハンズ・マスト・ビー・ザ・ハート
- 1.1.14Machine Messiah|マシーン・メサイア
- 1.1.15Quadra|クアドラ
- 1.1.16Sepulquarta|セパルクアルタ
- 1.1.16.1◎ SEPULTURAはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
SEPULTURA|DISCOGRAPHY
Morbid Visions|モービッド・ビジョンズ
オリジナルアルバム – 1作目 (1986年)
スラッシュメタル・バンドのデビュー作にはありがちな、有り余る初期衝動が渦巻き過ぎて空回りしている、猪突猛進型のハードコアなスタイルです。
その背景に、VENOM〜SLAYERの流れがあるのは聴いてそのままですが、部分的には、ジャーマン・スラッシュBIG3のデビュー作を想起させるような雰囲気も漂わせています。
ひとつの作品としての出来栄えについては、そもそもクオリティ云々を問う以前のレベルでしかないので、評価が分かれるのは当然のこと。
こういった、プリミティヴでジャンクなサウンドをフェティッシュに偏愛する一部の好事家や、一歩引いてその青臭さをキュートに感じて微笑ましく聴ける大ベテラン、もしくは、とにかくデビューアルバムが最高と考える“デビュー作至上主義者”には必聴盤とも言えるもしれません。
しかし、それ以外の至極真っ当なセンスのリスナーに対しては、積極的にオススメできる代物ではありません。
|ハーコー度:★★★★☆
|グルーヴ度:★☆☆☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|プログレ度:☆☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 通好み
Schizophrenia|スキゾフリニア
オリジナルアルバム – 2作目 (1987)
とにもかくにも、イントロ扱いのインスト曲T-01に続くT-02『From The Past Comes The Storms』が、むやみやたらとSLAYERしている印象しか残らないアルバムです。
成長期だけあって、前作と比較すれば全ての面で格段の向上が見られますし、自分たちなりのスタイルを構築しようとした努力の跡もうかがえます。
しかし、SEPULTURAならではの独自性の確立という点では、まだまだ発展途上もいいところで、評価の俎上に上げるレベルには至っていません。
SLAYERそのままのT-02を、アルバムの印象を決めかねない冒頭のツカミに持ってくるしかなかった、…という結論が全ての事実を物語っています。
また、ジャンルを問わず少し慣れた新人にはありがちなのですが、むしろ妙にこなれてしまった分だけ、開き直った潔さやヤブレカブレの勢いを失っており、かといって、作品そのもので勝負できるだけの地力や、エッジィなポイントがあるわけでもないので、小さく半端にまとまっただけの、1stよりもインパクトが薄い微妙な仕上がりになっています。
|ハーコー度:★★★★☆
|グルーヴ度:★☆☆☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|プログレ度:☆☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 通好み
Beneath the Remains|ビニース・ザ・リメインズ
オリジナルアルバム – 3作目 (1989年)
スラッシュメタル時代の初期SEPULTURA作品の中では、次作と人気を二分しているほどのアルバム。
確かに前作からは格段の成長を見せており、本場アメリカやドイツの強豪バンドと並んでも、見劣りしないレベルに達しています。
本作では、前作のようなドストレート過ぎるSLAYERリスペクトは後退しましたが、一方で、今度はジャーマン・スラッシュのSODOMやKREATORあたりの影響がかなり見て取れます。
それでも、引き続き自分たちならではのサウンドを模索していることはうかがえ、その努力もある程度は結果として作品に反映されています。
また、初期から踏襲されているプリミティヴなサウンドを、ここでは、デスメタルと紙一重のアグレッションに昇華することにも成功しており、このハードコアなデスラッシュ・サウンドが、プロト・デスメタルのハシリと見なされているのも納得でしょう。
ただ、高水準なスラッシュ・アルバムで特にケナすところも無い作品ではあるのですが、シーンのトップどころと肩を並べるには、個性も含め突出した何かが足りていないのは否定できない事実。
曲の出来栄えのムラが大きい点もやや気になるポイントで、これについては、残念ながら後年の作品でもあまり解消されたとは言えません。
|ハーコー度:★★★★☆
|グルーヴ度:★☆☆☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|プログレ度:☆☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤
Arise|アライズ
オリジナルアルバム – 4作目 (1991年)
デビューからのデスラッシュ路線での総決算的なアルバムで、前作と共に初期の代表作の1枚にも数えられる作品です。
いかにもスラッシュ的な疾走感と過激さでは前作、独自性と完成度の高さでは本作に分がある…というのが一般的なメタラー評価と言ったところでしょう。
それについては異論はありませんが、前作にはまだ残っていたサウンドの借り物臭さが抜けて、独自のスタイルを確立させたという点を考えれば、代表作と呼ぶにふさわしい仕上がりという意味では、やはり本作が一枚上回っていると言えます。
SEPULTURA流のハードコアなスラッシュメタルというスタイルにおいては、本作はバンドにとってひとつの到達点と呼べるものでもあり、後のスラッシュ・リバイバル・ブーム到来時の原点回帰路線の作品や、SOULFLYやCAVALERA CONSPIRACYでの活動を含め、これ以前もこれ以降もこれに類するアプローチにおいては、本作の水準に達することは出来ていません。
スラッシュメタルの名盤を選出したとして、ベスト10に名を連ねるのはさすがに厳しいところですが、ベスト30ならば間違いなく食い込むことができるレベルにあるでしょう。
|ハーコー度:★★★★☆
|グルーヴ度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|プログレ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Chaos A.D.|ケイオス・エー・ディー
オリジナルアルバム – 5作目 (1993年)
スラッシュメタルからグルーヴメタル…当時で言うところのモダンヘヴィネス・アプローチを展開して、独自のスタイルにまで到達して後続の指針にもなった、いわゆる『ポストスラッシュ』の先駆的な作品のひとつ。
当然ですが、そのヘヴィグルーヴへの転身に加えて、時流を反映してハードコア色が強まったことも相まって、当然のようにメタル界隈では賛否両論となり、特に保守スラッシャーからはバッシングの嵐でした。
彼らが、ヘヴィグルーヴ界隈では後発ながらも特筆すべき存在となり得たのは、本作の存在あってこそであり、ここでPANTERAフォロアーでも単なるミッドテンポのスラッシュでもない、独自のグルーヴメタルを創り上げたことが最たる要因となっています。
事実、MACHINE HEADなど後続のグループには、PANTERAスタイル以上に本作のメソッドからの影響が少なからず見受けられます。
今でこそ、次作『Roots(6th)』の強烈すぎるインパクトの陰に隠れてやや印象が薄い、前哨戦とでもいえる過渡期の1枚の座に落ち着いてしまっていますが、当時は、純メタルフィールドからのヘヴィグルーヴ・アプローチは、まだ異例と呼べるものであり、本作は、ヘヴィメタル界隈以外のメディアでも先進的な作品として注目を集め、それなり以上の評価を得ていました。
それらを鑑みて、画期的な作品として大いに好意的な評価できるとはいえ、「突出した曲が少ない」という大きな弱点もあり、手放しで“歴史的名盤”とまでの賞賛は及び腰になりますが、SEPULTURAのキャリアの枠を超えてメタル史上に残る名曲T-01の存在だけでも、十分に価値があるアルバムと言えるでしょう。
|ハーコー度:★★★★☆
|グルーヴ度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★★☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作
Roots|ルーツ
オリジナルアルバム – 6作目 (1996年)
革新的な野心作だった前作『Chaos A.D.(5th)』さえ、一気に存在感が薄れてしまうほどの衝撃を、ヘヴィメタル界隈のみならず様々な音楽シーンに与える結果となった…という意味においては、SEPULTURAの代表作と呼び得るアルバム。
本作で完成を見せた、グルーヴメタル/ニューメタルをベースにしつつも、ブラジル伝統部族の民族音楽やラテン音楽のエッセンスを大々的に取り入れた、トライバルでプリミティヴなヘヴィサウンドは、これまでにはどのシーンにおいてもつくりだし得なかったできなかったもの。
その功績を鑑みるならば、むしろその各界からの賞賛さえも十分なものとは言えないでしょう。
本作は、今後の彼らの指標として大きな影響を及ぼし続けただけでなく、エクストリームなラテンメタル/エスノメタルが続々と生み出すムーヴメントの火付け役になるなど、90年代ヘヴィミュージック・シーンにおける、パラダイムシフトでありターニングポイントの役割を果たした、この時代を象徴する1枚にも数えられる最重要アルバムのひとつです。
当然、前作同様にメタル界隈においては賛否両論の嵐でしたが、おそらく中堅スラッシュメタルをつづけても『Arise』をピークとして右肩下がりかせいぜい現状維持だったであろうことは、その後の成り行きを見ても想像に難くありません。
それに加えて、本作が歴史にくさびを打ち込み、後続に影響を与えるほどの存在となったことも考慮するならば、前作からの軌道修正が正解だったことは紛うこと無き事実でしょう。
|ハーコー度:★★★★☆
|グルーヴ度:★★★★★
|オルタナ度:★★★★★
|プログレ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Against|アゲインスト
オリジナルアルバム – 7作目 (1998年)
新ヴォーカリストのデリック・グリーンを迎えて、脱退したフロントマンでソングライターでもあった、マックス・カヴァレラが結成したSOULFLYの躍進に対抗するようにリリースされたアルバム。
しかしながら、SEPULTURAにとっては迷走期と呼ばれる、一連のアルバム三部作の口火を切る、第1弾となりました。
この時期における、SEPULTURAの作品アプローチの最大の問題点は、『Roots』路線を推し進める…という明確なビジョンの下にあったSOULFLYに対して、どういった方向性をとるべきか、どう差別化を図るべきか定めきれていなかったことでしょう。
一応のところは、プリミティヴなハードコア・スラッシュが基調に置かれてはいますが、そこに投入された、前作からの持ち越しを中心としたアイデアを、吟味せずに未消化なまま作品としてカタチにしてしまっています。
その結果、多彩な作風の楽曲が並んだ意欲的な姿勢は買えますし、そのところどころに光る部分があり評価すべき点おみられるものの、全体的に練り込み不足が祟った散漫な仕上がりになってしまいました。
新ヴォーカルのグリーンが、そのビジュアルに反して思いのほかパワーに欠けるというマイナス要因もありますが、そこに目をつぶったとしても、ひとつのアルバムとしては、あまりに偉大過ぎる前作はもちろんのこと、同時期リリースのSOUFLYの1stアルバムにさえも届いていません。
|ハーコー度:★★★★☆
|グルーヴ度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|プログレ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Nation|ネイション
オリジナルアルバム – 8作目 (2008年)
“SEPULTURA低迷期三部作”の第2弾という、ありがたくない称号を与えられたアルバム。
前作と同じく、疾走感のあるハードコア・スラッシュを冒頭に配置したことによる、ツカミの手法自体は悪くないのですが、そこから先が続かず、たちまち息切れ状態に陥るあたりまでもが前作を踏襲されています。
ハードコア寄りの音づくりはそのままに、ややグルーヴメタル/ニューメタルに接近した作風は、そこから受ける印象だけならば、『Roots』アルバムに近い一面もあります。
しかしながら到底その域には届いておらず、中途半端に同時代性を取り入れてモダン化した作風への違和感と、相変わらずの楽曲の練り込み不足があいまって、オールドスラッシャーの評価をいっそう下げる結果になります。
デリックが持ち込んだと思われる、ポスト・パンク/オルタナティヴ・ロック風のアプローチには可能性を感じる興味深い面もあるのですが、ハードコア・スラッシュとトライバル・グルーヴという黄金時代のスタイルに固執しすぎており、そこに上手く落とし込むことも出来ていないために、どうしても散漫な印象だけが増してしまいます。
マックス・カヴァレラ脱退の影響のほどは、実のところ何とも言えませんが、こうなると、そこに理由を求めたくなるファン心理に対しても同情的にならざるを得ません。
この時点においては、後にSEPULTURAとカヴァレラサイドの評価が完全に逆転してしまう事態は予想だにしないほどに、両者の勢いや存在感には大きな差が生じていました。
|ハーコー度:★★★★☆
|グルーヴ度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|プログレ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤
Roorback|ロアーバック
オリジナルアルバム – 9作目 (2003年)
Dante XXI|ダンテXXI
オリジナルアルバム – 10作目 (2006年)
A-Lex|ア-レックス
オリジナルアルバム – 11作目 (2009年)
Kairos|カイロス
オリジナルアルバム – 12作目 (2011年)
The Mediator Between Head and Hands Must Be the Heart|ザ・メディエーター・ビトウィーン・ヘッド・アンド・ハンズ・マスト・ビー・ザ・ハート
オリジナルアルバム – 13作目 (2013年)
Machine Messiah|マシーン・メサイア
オリジナルアルバム – 14作目 (2017年)
名作『Root』リリースを経て、マックス・カヴァレラと袂を分かった後のSEPULTURAは、ハードコアなスラッシュとプリミティヴなグルーヴメタルという、バンドの黄金時代を築いたスタイルに固執し過ぎたために、デリック・グリーンの持ち込んだオルタナティヴなセンスなど、新要素導入の試みも功を奏さず、ただ先細りの一途をたどっていました。
そんな中で、特にイゴール・カヴァレラの脱退を機に、本格的に新スタイルの模索を続けてきた結果たどりついた、ひとつの結論ともいえる新機軸を前面に押し出したのが、このアルバム。
彼らが本作で試みたのは、端的に言うと、エクストリーム・ミュージックを基盤とした、ネオ・プログレメタル,ポスト・ハードコア的なアプローチということになります。
これらのサウンドは、現在では一定のシェアを獲得して、世間的にもそれなりに認知されているものであり、斬新なアプローチであるどころか、やや手垢にまみれて飽和状態さえにあるほどです。
とはいえ、彼らにとっての鉄板と考えられていたサウンドをかなぐり捨てて、あたらな挑戦に打って出たことだけでも評価に値しまし、何よりここではそのアプローチが、驚くほどのケミカル・リアクションを生んでいます。
元来SEPULTURAは、毎回のように名曲レベルの楽曲をいくつも生み出せるタイプのバンドではないことは明白で、それについては、ベストアルバムを聴いてもらえれば、その密度の薄さから容易に理解できることでしょう。
それらを鑑みるならば、作風に多様性をもたせて、個々の楽曲に変化とメリハリを加え、さらに展開や曲調のバリエーションを増やすことによって、アルバム・オリエンテッドな作品に仕上げるという方法論は、まさに理にかなったものであり、ここではそれが一応の成功型として結実した姿を見せています。
|ハーコー度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
|プログレ度:★★★★★
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Quadra|クアドラ
オリジナルアルバム – 15作目 (2020年)
前作での、ラテン・プログレ/ポストメタルに思い切り舵を切るという、『Chaos A.D.』『Roots』以来の大胆な冒険的アプローチから、本作でも新たな野心的展開が期待されました。
しかし、作品の基盤をハードコア・スラッシュ/グルーヴ・スラッシュ回帰路線に置いた結果、保守化とも退行とも取れるような印象を与える作品に仕上がりました。
とはいえ、前作での実験的な試みが全く無駄になっているわけではなく、スラッシュメタルらしい疾走感やノリと勢いが重視された、ストレートでシンプルな作風ながらも、要所々々にテクニカルなフレーズやリズムを織り込まれてくることで、一本調子をギリギリ回避しているようにも感じられ、アルバムを全編を飽きずに聴き通したいリスナーをサポートしてくれます。
また、ハードコア・スラッシュへのリバイバルのアプローチにについては、過去作はもちろんのこと、SOULFLY,CAVALERA CONSPIRACYなどの脱退したカヴァレラ兄弟関連の作品と比較しても、はるかに高いレベルに到達していると言っていいでしょう。
楽曲の出来不出来のムラが大きい点については、もはや全盛期から変わらない弱点となっていますが、T-01などのように、代表曲にもかろうじて肩を並べられそうな楽曲も見られます。
今回は、前作での変化に戸惑ったオールドファンとの、緩衝材のような作品とも考えられるので、それならば、次作こそが現行SEPULTURAの試金石となるでしょう。
|ハーコー度:★★★★☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|プログレ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Sepulquarta|セパルクアルタ
カバーアルバム (2023年)
コロナパンデミック中にメタル界隈の著名ミュージシャンをゲストを迎えて定期的に行っていた、ストリーミング・セッションの音源をまとめたアルバム。
楽曲はセルフカバーが中心で、主なゲストは下記のとおり。
デイヴィッド・エレフソン (ba.) [元MEGADETH]
スコット・イアン (Gt.) [ANTHRAX]
ダンコ・ジョーンズ (ヴォーカル) [DANKO JONES]
フィル・ラインド (ba.)[SACRED REICH]
アレックス・スコルニック (Gt.) [TESTAENT]
マシュー・K・ヒーフィー (Gt. + Vo.) [TRIVIUM]
ロブ・キャヴェスタニィ(Gt.)[DEATH ANGEL]
マーク・ホルコム(Gt.)[PERIPHERY]
ラファエル・ビッテンコート (Gt.) [ANGRA]
フィル・キャンベル(Gt.) [元MOTÖRHEAD]
etc…
◎ SEPULTURAはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
初期デスメタルとも呼ばれたスラッシュサウンドをご所望であれば、完成度を重視するなら“Arise(4th)”プリミティブな作風だったら“Beneath the Remains(3rd)”を選べば間違いないでしょう。
しかし、スラッシャーからは賛否両論ですが、革新性,独自性,クオリティの全てを兼ね備えた歴史的名盤ならば、なんといっても“Roots(6th)”。これを聴かないのなら、あえてSEPULTURAを通る必要は無い…それだけの超重要作です。“Chaos A.D.(5th)”も重要作ですが、Rootsと比較するとさすがに存在感が霞んでしまいます。
最近のアルバムなら、やはり新境地を開いた“Machine Messiah(14th)”は一聴の価値がある仕上がりなので超チェック。