Contents
- 190年代のANTHRAX黄金期のフロントマンを務めたジョン・ブッシュがパワフルな歌唱を聴かせる、グラムメタルの本場ロスアンゼルスから登場したストロングスタイルの正統派パワーメタルバンド!!
- 1...1ジョン・ブッシュがいた80年代LAメタルの異端バンド!?
- 1...2王道の正統派アメリカン・ヘヴィメタル!?
- 1...3解散〜リユニオン〜活動再開!!
- 1.1ARMORED SAINT|DISCOGRAPHY
- 1.1.1March of the Saint|マーチ・オブ・ザ・セイント
- 1.1.2Delirious Nomad|デリリアス・ノマド
- 1.1.3Raising Fear|レイジング・フィアー
- 1.1.4Symbol of Salvation|シンボル・オブ・サルヴェーション
- 1.1.5Revelation|レヴェレイション
- 1.1.6La Raza|ラ・ラザ
- 1.1.7Win Hands Down|ウィン・ハンズ・ダウン
- 1.1.8Punching the Sky|パンチング・ザ・スカイ
- 1.1ARMORED SAINTはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
ARMORED SAINT|DISCOGRAPHY
March of the Saint|マーチ・オブ・ザ・セイント
オリジナルアルバム – 1作目 (1984年)
ドライヴィンなベースラインがIRON MEIDENも彷彿させるストロングスタイルのメタルサウンドで、この時期のL.A.シーンでは異例の正統派ヘヴィメタルと呼ばれていました。
しかし、決してブリティッシュヘヴメタルの直輸入ではなく、意識的にしろ無意識にしろかなり米国産ならではのチューニングが施されたもの。米国流のポップネスもかなり濃厚で、ヘヴィメタル的美意識についても、大きくアメリカナイズされています。
やや強引に例えれえるなら、DOKKEN(ドッケン)とMANOWAR(マノウォー)の間にどこかに位置するようなサウンドで、一歩間違えればそのどちらかに転びかねないところを、スラッシュメタル/パワーメタル世代のソリッドでパワフルなスタイルが功を奏して、力づくで体勢を維持しています。
軸となるのはやはりT-01や-03といったファストチューンですが、同時期のパワーメタルに中ではミッドチューンの完成度が格段に高く、それが大きな強みになってアルバムのスキを減らして高いアベレージを達成しています。
|エピメタ度:★★★★☆
|ポップ度:★★☆☆☆
|アンスラ度:☆☆☆☆☆
|ロッキン度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤
Delirious Nomad|デリリアス・ノマド
オリジナルアルバム – 2作目 (1985年)
エピックメタル的な仰々しさは薄れており、アメリカンなハードロック色が強く、時にブルーズテイストも感じさせるような作風で、曲はコンパクトでポップさも兼ね備えています。
とはいえ、それ一辺倒ではなく、時折見せるIRON MAIDENを思わせるブリティッシュ・テイストの楽曲も健在です。
グラム(LA)メタル全盛期だけあってそれを意識したような節もあり、他のバンドが演奏すれば良質のポップメタルになってしまうような楽曲もあるのですが、パワフルで暑苦しい演奏とヴォーカルでベクトルかねじ曲がってしまっています。
いずれの路線においても、取り立てて派手さは見られないものの、ソリッドで上質な骨太のメタルナンバーが並んでおり、当時のLAをベースにしていたバンドとはとても思えない仕上がりです。
|エピメタ度:★★☆☆☆
|ポップ度:★★★☆☆
|アンスラ度:☆☆☆☆☆
|ロッキン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Raising Fear|レイジング・フィアー
オリジナルアルバム – 3作目 (1987年)
アメリカンなポップネスを感じさせつつも、再びデビュー作に見られたダークでドラマティックなメタル的美意識が目立つようになりました。パワーメタル色も強まっており、質実剛健型のヘヴィメタルに磨きがかかっています。
|エピメタ度:★★★☆☆
|ポップ度:★★★☆☆
|アンスラ度:☆☆☆☆☆
|ロッキン度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤
Symbol of Salvation|シンボル・オブ・サルヴェーション
オリジナルアルバム – 4作目 (1991年)
ALICE IN CHAINSやJANE’S ADDICTIONなどを手がけ、90年代ヘヴィ/ハードシーンの重要プロデューサーの一人に挙げられる、デイブ・ジャーデンを迎えたアルバム。
ハードロッキンなアメリカン・ヘヴィメタルといった仕上がりで、本来がミッドテンポの比率が多めということもあってそれほど意識はさせませんが、当時のグルーヴ&グランジを意識したことは間違いないでしょう。
ここで聴ける曲には、後のANTHRAXに影響を及ぼしたと思われる部分も見られ、特にサビの歌メロにはそれが顕著。ジョン・ブッシュがANTHRAXに与えた影響もうかがえます。
|エピメタ度:★☆☆☆☆
|ポップ度:★★★★☆
|アンスラ度:★☆☆☆☆
|ロッキン度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Revelation|レヴェレイション
オリジナルアルバム – 5作目 (2000年)
ジョン・ブッシュが当時在籍していたANTHRAXが、一時的に活動を休止していた折に行われた、ARMORED SAINTリユニオン企画の一環としてリリースされた復帰アルバム。
ハードロッキンなパワーメタル・サウンドという意味では、“Symbol of Salvation(4th)”に近い方向性とも言えますが、ヘヴィロッキンなミッドチューンだけでなく、T-01やT-11のようなスラッシーなファストチューンやルーツロック風味のT-12など多彩で型にハマらないな作風。
ANTHRAX風味もいくぶん感じられますが、ANTHRAXと並行しての活動ということもあってか、意識的に抑えているようにも見受けられます。
|エピメタ度:★☆☆☆☆
|ポップ度:★★★☆☆
|アンスラ度:★★☆☆☆
|ロッキン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 通好み 実験作
La Raza|ラ・ラザ
オリジナルアルバム – 6作目 (2010年)
前作のリユニオン・アルバムでは、ジョン・ブッシュがまだANTHRAX在籍中という立場上、ANTHRAXでの作風とは意識的に差別化を図っていた印象がありました。
しかし、本作ではANTHRAXと袂を分かったことで気を使う必要がなくなったためか、90〜00年代ジョン・ブッシュ在籍時のANTHRAX黄金期ならば、そのレパートリーにあっても違和感がないような楽曲も目立つようになっています。
90年代ANTHRAXにオールドスクールなヘヴィメタルや、MOTORHEAD風のロックンロールテイストなどを交えた、陽性のノリの良さを持ったロッキンでグルーヴィーな作風は、前作の延長線上に近いものです。
手堅いつくりで取り立てて新規性があるわけでも突き抜けた何かがあるわけでもありませんが、作風は異なるとはいえベラドナ復帰後のANTHRAXよりは確実に完成度が高く、良質で魅力的なヘヴィメタルナンバーがそろっています。
|エピメタ度:★☆☆☆☆
|ポップ度:★★★☆☆
|アンスラ度:★★★☆☆
|ロッキン度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 賛否両論 通好み 実験作
Win Hands Down|ウィン・ハンズ・ダウン
オリジナルアルバム – 7作目 (2015年)
|エピメタ度:★☆☆☆☆
|ポップ度:★★★☆☆
|アンスラ度:★★★☆☆
|ロッキン度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Punching the Sky|パンチング・ザ・スカイ
オリジナルアルバム – 8作目 (2020年)
オールドスクールなアメリカンハードロックテイストの主張がやや目立つ印象はありますが、基本的にはリユニオン〜再結成以降の“90’s ANTHRAX meets ARMORED SAINT”路線から大きく逸脱しないスタイルです。
あえて言えば、明確なANTHRAX色はやや薄れてUSハードロックテイストが強まり、ミッドテンポの比率がさらに高まっています。
現在の方向性は必然的なものとはいえ同路線で4作目ともなると、多少のマイナーチェンジがあったとしても、さすがに変化の乏しさが気になってくるので、もうひとつスパイスが欲しいところ。とはいえ、地味ながら手抜きなしで生真面目なつくりの好盤ではあります。
|エピメタ度:★★★☆☆
|ポップ度:★★★☆☆
|アンスラ度:★★★☆☆
|アメロク度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 通好み