- 80年代のメインストリームメタルとは完全に隔てられた地平に立ち、アメリカンドゥームBIG3の中でも特にアンダーグラウンドの匂いとアウトローテイストが充満した空気感で、孤高のカリスマの地位を築いた暗黒地下メタルバンド。
- SAINT VITUS|DISCOGRAPHY
- Saint Vitus|セイント・ヴァイタス
- Hallow’s Victim|ハロウズ・ヴィクティム
- The Walking Dead|ザ・ウォーキング・デッド
- Program: Annihilator – A Soundtrack for Destruction|プログラム:アナイアレーター – ア・サウンドトラック・フォー・デストラクション
- Born Too Late|ボーン・トゥ・レイト
- Mournful Cries|モーンフル・クライズ
- V|ファイヴ
- Live|ライヴ
- Heavier than Thou|ヘヴィアー・ザン・ザウ
- C.O.D.|シー・オー・ディー
- Die Healing|ダイ・ヒーリング
- Reunion 2003 – Live in Chicago|リユニオン2003 – ライヴ・イン・シカゴ
- The Walking Dead / Hallow’s Victim|ザ・ウォーキング・デッド/ハロウズ・ヴィクティム
- Lillie: F-65|リリー:F-65
- Marbles in the Moshpit|マーベルズ・イン・ザ・モッシュピット
- Live Vol. 2|ライヴ・ヴォリューム2
- Let the End Begin…|レット・ジ・エンド・ビギン…
- Saint Vitus|セイント・ヴァイタス
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80年代のメインストリームメタルとは完全に隔てられた地平に立ち、アメリカンドゥームBIG3の中でも特にアンダーグラウンドの匂いとアウトローテイストが充満した空気感で、孤高のカリスマの地位を築いた暗黒地下メタルバンド。
SAINT VITUS(セイント・ヴァイタス)は、90年代のドゥームメタルムーヴメントに先駆けて初期BLACK SABBATHの影響下にあるスタイルで活動していたグループで、彼らとともにPENTAGRAM(ペンタグラム),TROUBLE(トラブル)らと合わせて80年代USドゥームのBIG3とも称されています。
そのUSドゥームBIG3も英国のWITCHFINDER GENERAL(ウィッチファインダー・ジェネラル)や北欧のCANDLEMASS(キャンドルマス)も、ブームやムーヴメントとは無縁であくまで独自の立ち位置でドゥームサウンドを確立させたグループで、“サバスインスパイア系”スタイルとはいえど作風はそれぞれで異なっています。
他のUSドゥームと同様BLACK SABBATHを米国的流にチューニングされた“アメリカンサバス”的な作風ですが、彼らはBLACK SABBATHと同じくらいにMOTORHEADが大きなバックボーンとなっており、ワイルドなハードロックンロールサウンドとバイカーロック的なやさぐれたアウトローテイストが大きな特徴でしたが、次第にヘヴィ・スロー・ダウナー・ダークの4台エレメントがそろった、次世代にも引き継がれる王道ドゥームサウンドを確立していきます。
BLACK SABBATHフリークとしても有名なUSハードコアシーンのカリスマバンド、BLACK FLAG(ブラック・フラッグ)のギタリストグレッグ・ギン(Greg Ginn)が設立し、SOUNDGARDENやSCREAMING TREESらグランジ勢やBAD BRAINSなどのハードコア勢を送り出した『SST Records』に所属していたことでも知られています。音楽的にはヘヴィメタルフィールドのものでありながら、当時のメインストリームのUSヘヴィメタルシーンとは距離をおいていたことで、むしろオルタナティヴロックシーンに近い立ち位置だったとも解釈できます。
また、90年代になってアルバムデビューを果たしたTHE OBSESSED(ジ・オブセズド)は彼らの兄弟バンドともいえるグループで、その中心人物のウィノ(Scott “Wino” Weinrich)はSAINT VITUSにも長年在籍して中核として活動しており、今なお盟友といえる存在です。
SAINT VITUS|DISCOGRAPHY
Saint Vitus|セイント・ヴァイタス
オリジナルアルバム – 1作目 (1984年)
豪快な70年代USヘヴィロックのエッセンスも濃厚な“アメリカンサバス”スタイルではありますが、リバーブが効いた特徴的なギターによるアンダーグラウンド感覚あふれる作風は大陸的な開放感は薄く、くぐもった密室感の強い暗黒サウンドです。荒削りながら老舗ならではの魅力にあふれた1枚。
ドゥーム度:★★★★☆|アングラ度:★★★★★|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 通好み スルメ盤 実験作
Hallow’s Victim|ハロウズ・ヴィクティム
オリジナルアルバム – 2作目 (1985年)
UKヘヴィメタルの影響が濃くなり、彼らのディスコグラフィの中では最もヘヴィメタリックなサウンドで、今となっては異色作ともいえるアルバムながら充実度は文句なしの仕上がり。NWOBHMに近い質感で湿り気も感じさせる楽曲は今でいうダークメタル系に近い作風で、T-03などはブレイクダウンを用いたスピードメタルともいえるナンバーです。
ドゥーム度:★★★☆☆|アングラ度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
The Walking Dead|ザ・ウォーキング・デッド
ミニアルバム:EP (1985年)
3曲中2曲はMOTORHEAD風味も感じさせるドライヴィンなヘヴィハードロックンロールですが、10分超えのT-03ではダウナーなプレドゥームメタルサウンドが完成を見せています
ドゥーム度:★★★☆☆|アングラ度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤 実験作
Program: Annihilator – A Soundtrack for Destruction|プログラム:アナイアレーター – ア・サウンドトラック・フォー・デストラクション
SSTスプリット (1986年)
Born Too Late|ボーン・トゥ・レイト
オリジナルアルバム – 3作目 (1986年)
ウィノが加入してここからヴォーカルを務めるようになったアルバムで、全編通して引きずるようなリフワークによるスロー&ダウナーなサウンドとなりました。90年代ドゥームメタルにも影響を与えたプレドゥームメタルを確立した、もっともドゥームらしいドゥームサウンドを感じられる、彼らにとってのひとつの頂点といえるアルバムです。
ドゥーム度:★★★★★|アングラ度:★★★★★|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
Mournful Cries|モーンフル・クライズ
オリジナルアルバム – 4作目 (1988年)
前作でほぼ作風が固まったのか、それを踏襲して大きな変化は見られません。ややテンポが上がった部分もありますが、毎度おなじみのようでありながら多少なりともアップデートを欠かさなかった彼らにしては、やや守りに入って無難に仕上げた印象があります。
ドゥーム度:★★★★★|アングラ度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み スルメ盤
V|ファイヴ
90年代ウィノ在籍時の最後のアルバム。これまで通りのドゥーム路線ですが、やや作風の幅が広がって多様性を持ったアルバムに仕上がっています。T-03などは女性コーラス入りである意味ゴシック的ともいえる耽美エッセンスも漂わせています。総合力ではトップともいえる充実盤です。
ドゥーム度:★★★★★|アングラ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤 実験作
Live|ライヴ
ライヴアルバム (1990年)
Heavier than Thou|ヘヴィアー・ザン・ザウ
ベストアルバム (1991年)
C.O.D.|シー・オー・ディー
オリジナルアルバム – 6作目 (1992年)
ウィノ(Scott “Wino” Weinrich)が脱退してスウェーデンのCOUN RAVENのヴォーカルChristian Lindersonを起用。その影響かアングラ感が薄れてややクリーン質感のサウンドとなったこともあり、オールドファンには賛否両論となった作品です。ドゥームメタルムーヴメントが始まった時期でもあり、このアルバムで兄弟バンドのTHE OBSESSEDともども日本盤デビューも果たしました。
ドゥーム度:★★★★★|アングラ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Die Healing|ダイ・ヒーリング
オリジナルアルバム – 7作目 (1995年)
ドゥームメタルムーヴメントが勢いを増した時期のリリースのおかげで、おそらくもっとも知名度の高いアルバム。作風もその時流を反映して、まさにリスナーがイメージしていたものをそのままカタチにしたような、ヘヴィ・スロー・ダウナー・ダークと四拍子そろった“いかにも”なドゥームサウンドです。その点でも代表作の1枚として挙げるにふさわしい作品ですが、あいにくこのアルバムを最後にいったん活動の幕を閉じることになります。
ドゥーム度:★★★★★|アングラ度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤
Reunion 2003 – Live in Chicago|リユニオン2003 – ライヴ・イン・シカゴ
ライヴDVD (2007年)
The Walking Dead / Hallow’s Victim|ザ・ウォーキング・デッド/ハロウズ・ヴィクティム
カップリングアルバム -(2010年)
Lillie: F-65|リリー:F-65
オリジナルアルバム – 8作目 (2012年)
Marbles in the Moshpit|マーベルズ・イン・ザ・モッシュピット
ライヴアルバム (2012年)
Live Vol. 2|ライヴ・ヴォリューム2
ライヴアルバム (2016年)
Let the End Begin…|レット・ジ・エンド・ビギン…
ライヴアルバム (2016年)
Saint Vitus|セイント・ヴァイタス
オリジナルアルバム – 9作目 (2019年)