Contents
- 1クローン扱いもされたBLACK SABBATHインスパイア・スタイルから、ヴィンテージ・テイストを感じさせるアメリカン・ヘヴィロックに変貌を遂げ、ストーナーロック・ファンまでも虜にしたカリスマ・ドゥーム・バンド!!
- 1...180年代ドゥームの代名詞的なバンド!?
- 1...2名伯楽リック・ルービンの手腕で急成長!?
- 1...3TROUBLEはクリスチャン・ドゥーム・メタル!?
- 1...4ドゥーミィ・スラッシュEXHORDERのフロントマンが加入!?
- 1...5ポリティカルなカリスマ、コリー・クラークも一時在籍!?
- 1.1TROUBLE|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Trouble:Psalm 9|トラブル:サルム・イン
- 1.1.2The Skull|ザ・スカル
- 1.1.3Run to the Light|ラン・トゥ・ザ・ライト
- 1.1.4Trouble|トラブル4
- 1.1.5Manic Frustration|マニック・フラストレイション
- 1.1.6Plastic Green Head|プラスティック・グリーン・ヘッド
- 1.1.7Simple Mind Condition|シンプルマインド・コンディション
- 1.1.8Unplugged|アンプラグド
- 1.1.9Live in L.A.|ライヴ・イン・L.A.
- 1.1.10Live Palatine 1989|ライヴ・パラティン 1989
- 1.1.11Live Schaumburg 1993|ライヴ・シャンバーグ
- 1.1.12Victim of the Insane - Demos & Rarities Part 2|ヴィクティムズ・オブ・ザ・インセイン - デモズ&レアリティズ パート2
- 1.1.13Revelations (Life or Death) - Demos & Rarities Part 1|レヴェレイションズ(ライフ・オア・デス) - デモズ&レアリティズ パート2
- 1.1.14Live 1983|ライヴ 1983
- 1.1.15Black Shapes of Doom|ブラック・シェイプス・オブ・ドゥーム
- 1.1.16The Distortion Field|ザ・ディストーション・フィールド
TROUBLE|DISCOGRAPHY
Trouble:Psalm 9|トラブル:サルム・イン
オリジナルアルバム – 1作目 (1984年)
このデビュー作は、いわゆる“サバス・インスパイア系”サウンドとはいえ、純粋な第1期BLACK SABBATHリバイバルとはいえないサウンド。
あえて言うならば、BLACK SABBATHの第1期と第2期を足したような作風で、ヴォーカルは微妙にオジーを意識したスタイルですが、引きずるような“いかにも”な曲調はそれほど多いわけではなく、アップテンポな楽曲も目立ちます。
それは、同じ80’s USドゥームのPENTAGRAMやSAINT VITUSとはやや方向性が異なり、音づくりこそアメリカンではあるものの、どちらかというと、スウェーデンのCANDLEMASSに近い印象を受けるものです。
典型的なドゥーム・ロック/メタルそのものではなく、より広義の意味での、普遍的なヘヴィメタルと呼ぶことができる面もあり、ドゥームのパブリック・イメージからはややズレを感じさせます。
とはいえ、多彩な楽曲が並び飽きずに聴くことのできる作品であり、ヘヴィメタル・アルバムとしてとらえれば、かなり上質な仕上がりを見せています。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|レトロ度:★☆☆☆☆
|サバス度:★★★★☆
|サイケ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
The Skull|ザ・スカル
オリジナルアルバム – 2作目 (1985年)
基本的には、前作を踏襲した“サバス・インスパイア系”の作風ですが、一気にアップテンポな曲調が少なくなり、より一般的なドゥームメタルのイメージに近いサウンドへと接近しました。
あくまでもBLACK SABBATHのアメリカナイズ・サウンドだった、80年代“サバス・インスパイア系”時代の初期3作の中でも、バンドサウンドとしての独自性の薄さや、本作ならではの特色の欠如という、マイナス面において一歩も二歩も抜きん出た1枚です。
とはいえ、10分超の大作曲も含め、出来の悪い“サバス・クローン”にありがちな、フラットで単調なだけのサウンド陥るという失策は見られず、緩急によってメリハリを効かせた展開によって、飽きずに聴き通せる出来栄えとなっています。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|レトロ度:★☆☆☆☆
|サバス度:★★★★☆
|サイケ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 スルメ盤
Run to the Light|ラン・トゥ・ザ・ライト
オリジナルアルバム – 3作目 (1987年)
作風自体は、これまでの2作を踏襲したと言えるものであり、過去作と比較して劇的な変化が見られるわけではありません。
それでも、これまでになく豊富にアイデアが詰め込まれたアルバムとなっており、楽曲それぞれにも独自の工夫が織り込まれてれます。
相変わらずBLACK SABBATHテイストは濃厚で、その影響下にある“サバス・インスパイア系”、あるいは“サバス・クローン”と呼ばれることは、逃れられないアルバムであることには変わりはありません。
しかし、“サバス・インスパイア系”枠の中にありながらも、安易にそこに安住することは避けたい、単なるクローンには堕するまい…という意志は、確実にアルバム全体に充満しており、端々からそれを感じ取ることができます。
ここでは、彼らなりの“BLACK SABBATH再構築”を試みられており、本作はそれをアルバムとして結実させたようにも思える意欲作と言えますし、完成度についても、初期3作の中ではトップの仕上がりと言えるものです。
本作があってこその、次作からの新展開があったのは、間違いのないところでしょう。
|ヘヴィネス:★★★★☆
|レトロ度:★★☆☆☆
|サバス度:★★★★☆
|サイケ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Trouble|トラブル4
オリジナルアルバム – 4作目 (1990年)
リック・ルービンの手による、デフ・アメリカンからのヘヴィなルーツロック路線の一環となる、90年代TROUBLEアルバムの第1弾。
ヘヴィネス重視のベーシックな音楽性については、これまでと大きな変化があるわけではありませんが、レーベルのコンセプト通り、70年代のアーリー・ヘヴィロックやアメリカン・ルーツロックのエッセンスが強まった作風へと変化を見せています。
ようやく、単なる“サバス・インスパイア”の枠から完全にに脱却しに成功たアルバムで、これは、今でいう“ヴィンテージ系”のスタイルの先駆けとも言えるものであり、また時には、METALLICAのブラックアルバムの元ネタと思えるような楽曲までも確認することができます。
リアルタイムでは、それほど目立った成果や評価を残ししたわけではありませんが、のちに、ドゥーム・ロック/メタルとしてだけでなく、ストーナー・ロックの先駆けとして語られるようになるなど、この作品は彼らのターニング・ポイントとなった重要作であり、セルフタイトルを抱かせるのも納得でしょう。
|ヘヴィネス:★★★★☆
|レトロ度:★★★☆☆
|サバス度:★★★☆☆
|サイケ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Manic Frustration|マニック・フラストレイション
オリジナルアルバム – 5作目 (1992年)
リック・ルービンと組んでのデフ・アメリカンからの第2弾にして、そこでの最終作となるアルバム。
前作での、“脱サバス・クローン”と“ルーツロック・リバイバル路線”の試みを、さらに推し進めたことで、BLACK SABBATH直系のエッセンスはさらに拡散。
広義的なルーツロック色が濃厚なヴィンテージ路線が加速し、アーシーでオーガニックな質感やサイケデリック・テイストも大きく増しています。
音楽的には、前作以上に多様性が大きく増して、過去最高に豊穣なサウンドになり、ひとつの高みに到達したと言える反面、ドゥームメタルのスタンダードと呼びうる範疇からは、大きく逸脱したものになりました。
ドゥームとストーナーが大きくリンクするジャンルとして共存していた90年代は、本作は双方のシーンから満遍なく高評価を受け名盤どころか経典のひとつにも数えられていましたが、昨今では、聴き手によって評価が分かれがちな傾向も見られます。
これは、ドゥーム/ストーナーのそれぞれのシーンが肥大化した結果、サブジャンルとしての過剰な細分化とリスナーの棲みわけが進んだ弊害でもあり、なかなか皮肉な結果とも言えます。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|レトロ度:★★★★☆
|サバス度:★★☆☆☆
|サイケ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Plastic Green Head|プラスティック・グリーン・ヘッド
オリジナルアルバム – 6作目 (1995年)
デフ・アメリカンからドロップして、マイナー・レーベルからのリリースとなったアルバムで、プロデュースはスラッシュ系に多く関わるヴィンセント・ヴォイノを迎えています。
マイナー・レーベルとはいっても、ヨーロッパでは『ミュージック・フォー・ネイション』、アメリカでは『センチュリー・メディア』のディストリビューションなので、メタル系インディ・レーベルとしては比較的大手ではあります。
しかも、ドゥームメタル/ストーナーロックのムーヴメントが、大きな盛り上がりを見せていた時期でもあり、この当時のメタル界隈に限れば、デフ・アメリカン在籍時以上に広く注目を集めていたとも言えます。
デフ・アメリカン時代と同様、ストレートなドゥームメタルというよりは、ストーナー・ロックに近い多様性を持った作風で、サウンドの背景には、この当時はまだ勢いが残っていたグランジの存在も感じられます。
適度にフックも効いた多彩な楽曲が並んでおり、楽曲によってはややヘヴィメタリックな質感が増したものも見られますが、その充実ぶりはデフ・アメリカン時代にも劣るものではありません。
レーベル移籍の影響かメタルファンをターゲットにしようとしたのか、エッジの立ったメタル寄りの音づくりとなっていますが、これについては、サウンドの深みと豊潤さを損なう結果となっており、歓迎すべき変化とは言いかねます。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|レトロ度:★★★☆☆
|サバス度:★★★☆☆
|サイケ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤
Simple Mind Condition|シンプルマインド・コンディション
オリジナルアルバム – 7作目 (2007年)
Unplugged|アンプラグド
ライヴEP:アンプラグド (2007年)
Live in L.A.|ライヴ・イン・L.A.
ライヴアルバム (2008年)
Live Palatine 1989|ライヴ・パラティン 1989
ライヴアルバム (2010年)
Live Schaumburg 1993|ライヴ・シャンバーグ
ライヴアルバム (2010年)
Victim of the Insane – Demos & Rarities Part 2|ヴィクティムズ・オブ・ザ・インセイン – デモズ&レアリティズ パート2
コンピレーションアルバム (2011年)
Revelations (Life or Death) – Demos & Rarities Part 1|レヴェレイションズ(ライフ・オア・デス) – デモズ&レアリティズ パート2
コンピレーションアルバム (2011年)
Live 1983|ライヴ 1983
ライヴアルバム (2011年
Black Shapes of Doom|ブラック・シェイプス・オブ・ドゥーム
ライヴアルバム (2011年)
The Distortion Field|ザ・ディストーション・フィールド
オリジナルアルバム – 8作目 (2013年)