Contents
- 1ヒップホップ・シーン第一線のラッパーにして有数のメタル・フリークICE-Tは、本格的なヘヴィメタル・バンドとしてもメインストリームのトップグループに上り詰める!!
- 1...1大物ラッパーがメタルバンドを結成!!
- 1...2ヘヴィメタルとのコラボでも名曲をドロップ!?
- 1...3ラッパーによるメタルバンドは世界初!?
- 1...4BODY COUNTはブラックロック・バンド!?
- 1...5スラッシュメタル?ラップメタル?
- 1...6フェードアウトかと思いきや!?
- 1...7メタルシーンのトップグループに返り咲く!?
- 1...8ランキング上位に食い込みグラミーも獲得!!
- 1.1BODY COUNT|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Body Count|ボディ・カウント
- 1.1.2Born Dead|ボーン・デッド
- 1.1.3Violent Demise: The Last Days|バイオレント・ディマイズ:ザ・ラスト・デイズ
- 1.1.4Murder 4 Hire|マーダー・フォー・ハイヤ
- 1.1.5Manslaughter|マンスロウター
- 1.1.6Bloodlust|ブラッドラスト
- 1.1.7Carnivore|カーニヴォー
BODY COUNT|DISCOGRAPHY
Body Count|ボディ・カウント
オリジナルアルバム – 1作目 (1992年)
フロントマンがラッパーで歌唱スタイルもラップベースなので、ラップメタルとして語られることは避けられませんが、いわゆる“ミクスチャー”の典型に収まるスタイルではありません。
音楽性自体はよりオーソドックスなヘヴィメタルを志向しており、スラッシュメタルやパワーメタルを含めた古典的なヘヴィメタルを、独自のセンスで組み立てたような作風です。
ミッドテンポのヘヴィ・グルーヴ・メタルやパンキッシュなハードコア曲もありますが、ここでアルバムの柱となっているのは、T-06, T-08, T-10といったファストなパワー/スラッシュチューン。
また、T-11のような、哀愁のメロディと流麗なギターソロがフィーチャーされたヘヴィバラードも聴くかせます。
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★☆☆☆
|ミクスチャ度:★★★☆☆
|モダン度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 通好み スルメ盤 実験作
Born Dead|ボーン・デッド
オリジナルアルバム – 2作目 (1994年)
スラッシュメタル/パワーメタルをベースにした疾走曲も引き続き健在で、T-04はなどはバンド有数の名曲ですが、それ以上にドゥーム的ともいえるスロー&ダウナーなヘヴィチューンが印象に残る、よりヘヴィネスとグルーヴに重点を置いた作風です。
そこからは、ICE-Tのサバス・フリークぶりもうかがえ、メタラーからは訝しがられた、翌年のBLACK SABBATHアルバム『Forbidden(18th)』へのゲスト起用も、本作を聞くと納得でしょう。
反面、定番のグルーヴィーなラップメタルはやや変化に乏しく、もうひと工夫が欲しいところです。
セールス/評価ともに前作には届かなかったものの、トータルでのクオリティと楽曲の充実ぶりでは、見劣りするどころかどころか上回ってさえいます。
なお、T-07ではジミ・ヘンドリックスの名曲をカバーしています。
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|ミクスチャ度:★★★☆☆
|モダン度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Violent Demise: The Last Days|バイオレント・ディマイズ:ザ・ラスト・デイズ
オリジナルアルバム – 3作目 (1997年)
やや同時代的なヘヴィサウンドへ近づいたと同時に、前作で見られたヘヴィでドゥーミィなダウナー路線も、ゴシカルとも呼べそうなテイストへとマイナーチェンジ。
これまで以上にヘヴィネス&ダークネスが強調された重厚な作品となりました。
しかし、RAGE AGAINST MACHINEやKORNなど新世代ミクスチャーの躍進。同年にはニューメタル系ラップメタルの革命児LIMP BIZKITも登場。
これらが重なって、せっかくのアップデートも旬を逃した印象で、この時期は初期のインパクトも薄れて、もはやお役御免といった雰囲気が漂っていました。
とはいえ、本来それらとは異なる立ち位置にあり、当時は影の薄かった本作も、改めてこれ以降の大量生産型ラップメタルと比較してみれば、はるかにユニークで価値のあるアルバムと言えます。
にもかかわらず、残念なことに評価/セールス/注目度、その全てが前作から大きく後退してしまい、今もあまり顧みられることのない1枚となっています。
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★☆☆☆
|ミクスチャ度:★★★☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤
Murder 4 Hire|マーダー・フォー・ハイヤ
オリジナルアルバム – 4作目 (2006年)
前作が不振に終わったためか、かなり長期にわたるブランクを経てのリリーストなった、久々のアルバム。
その間に、ドラマーのビートマスターVが白血病で他界したのに続いて、リズムギタリストのD-Roctも癌がもとで他界するという事態に見舞われ、本作ではそれぞれ後任を迎えています。
スラッシーなファスト・チューン、ミッドテンポのヘヴィグルーヴ・ナンバー、ドゥーミィなダウナー・チューンなどが並んだ作風は、過去の総決算的な趣もありますが、ファスト・チューンの比率が大きく高まったことで、1stの頃に回帰したような印象も与えます。
Ice-T本人は、あまり本作を気に入っていないというコメントを残していますが、過去作よりも曲数も少なくコンパクトにまとまっており、クオリティも上々で曲調も多彩なので、比較的聴きやすいアルバムに仕上がっています。
|スラッシュ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★★★☆
|ミクスチャ度:★★☆☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤
Manslaughter|マンスロウター
オリジナルアルバム – 5作目 (2014年)
BODY COUNTが本格的に再起を果たしたアルバムで、本作からはAGENT STEELやEVILDEADに在籍したギタリスト、フアン・ガルシアが参加。
ニューメタル, メタルコア, スラッシュ・リバイバルの全てを視野に入れ、これまで以上にエクストリームな、よりヘヴィメタリックでハードコアなサウンドへ変貌を遂げています。
また、ICE-Tに加わえてベースのヴィンセント・プライスがダーティなシャウトで参加する、ツイン・ヴォーカルの曲も増え、さらにシンガロング・パートも強化されて厚みが増しています。
もはや、ミクスチャーやラップメタルの範疇で語るサウンドではなく、高品質なクロスオーバー・スラッシュ/メタリック・ハードコアとして高く評価できるアルバムで、再びチャートにも顔を出すようになります。
本作から、メタルカバー曲も定番となっており、本作ではT-07でSUICIDAL TENDENCIESの“Institutionalized”を取り上げています。
|スラッシュ度:★★★★★
|ハーコー度:★★★★★
|ミクスチャ度:★★☆☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤
Bloodlust|ブラッドラスト
オリジナルアルバム – 6作目 (2017年)
前作での、モダンなヘヴィ・サウンドによるハードコア・スラッシュ路線を推し進めた作風で、よりヘヴィメタリックでよりハードコアに、これまで以上にエクストリームなストロング・スタイルのサウンドとなっています。
クオリティについては、本作も文句なしの絶品ハードコア・スラッシュで、アメリカ以上にヨーロッパ各国で高評価を得て、チャートの上位にもランキングされるようになりました。
本作のメタルカバー曲は、T-05のSLAYERの名曲“Angel of Death”。
|スラッシュ度:★★★★★
|ハーコー度:★★★☆☆
|ミクスチャ度:★☆☆☆☆
|モダン度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤
Carnivore|カーニヴォー
オリジナルアルバム – 7作目 (2020年)
音楽性は直近の数作から大きな変化はなく、メタル・テイストを強めたオールドスクールなハードコア・スラッシュを展開しています。
ここ数作の好調ぶりからレーベルの期待も高まったのか、本作ではUSメタルシーンのビッグネームをゲストに迎えており、T-05ではHATEBREEDジェイミー・ジャスタ、T-08でEVANESCENCEエイミー・リーが参加。
それも功を奏して音楽性の幅が広がっただけでなく、出来栄えも引き続き絶品で、一気に聴きとおせる爽快な勢いと、濃密な充実度を持つアルバムに仕上がっています。
結果的に、T-03がグラミーで『最優秀メタル・パフォーマンス賞』を受賞するなど、その期待に違わぬ前作以上の結果を残しています。
本作でのメタルカバーT-04は、MOTORHEADの超名曲“AceofSpades”。
|スラッシュ度:★★★★★
|ハーコー度:★★★☆☆
|ミクスチャ度:★☆☆☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤