スポンサーリンク

★ RAINBOW(レインボウ) ディコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|英米の様式美メタル・マスターがタッグを組んだドラマティックなスピードメタル/パワーメタルの原点!!…必聴アルバムは?

RAINBOW_Logo_a ◆ A, B, C
この記事は約11分で読めます。
カテゴリー
スポンサーリンク

Contents

RAINBOW|DISCOGRAPHY

Ritchie Blackmore’s Rainbow|リッチー・ブラックモアズ・レインボウ:銀嶺の覇者

RAINBOW_Ritchie_Blackmores_Rainbow

オリジナルアルバム – 1作目 (1975年)

ヴォーカルにロニー・ジェイムズ・ディオを迎えた、記念すべきデビューアルバム。
ディオはこれを機にブレイクして、後には、ブラックモアを超えるメタルアイコンとして世界的に名を成すこととなります。

ブラックモア、ディオともに、ネオクラシカルやファンタジー系エピックなど、メタル様式美の権化というイメージが定着していますが、ここで聴けるサウンドはそこから想像されるものとはやや異なるものです。

確かにそれらの要素も少なからず織り込まれていますが、両者ともブルーズやロックンロールなどのUSルーツミュージックに根ざしているだけに、ノリノリのロックンロールT-03, T-07や、ブルージーなT-02, ファンキーなT-05など、そのバックグラウンドが強く表出した曲が目立ちます。

そこからは、豊穣なルーツ・ミュージックを血肉として育ったブラックモア、ディオなどの世代と、孫引きを続けて良くも悪くも純化…ある意味では漂白された、現在のシンフォ/ネオクラメタル世代との差が見て取れます。

|メタル度:★★☆☆☆
|ネオクラ度:★★☆☆☆
|ルーツ度:★★★★★
|様式美度:★★★☆☆
|産業ポップ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 通好み 実験作

Rising|ライジング:虹を翔る覇者

RAINBOW_Rising

オリジナルアルバム – 2作目 (1976年)

“ドラムを抱いた渡り鳥”と呼ばれる、セッション系カリスマドラマーのコージー・パウエルが参加し、黄金期の布陣が整ったアルバム。

ルーツ色の強かった前作から一転、メタリックなヘヴィネスとソリッドな質感が大きく強化され、ディオのソロにもつながるようなプロト・ヘヴィメタル・サウンドが本格的に確立されてます。

アナログA面にあたる前半4曲は、1stの発展系といえるようなルーツミュージック色を感じさせる楽曲が並び、そのいずれも佳曲ではありますが、何といってもハイライトは、アナログB面にあたるヘヴィなT-05とスピードチューンT-06という、8分を超える大作ナンバー2曲。

どちらも、ブラックモアが追求してきたドラマティックな様式美サウンドを、ディオのアメリカンなヘヴィネスとポップセンスの力を借りて完成へと導いており、これは、これ以降のヘヴィメタル世代に多大な影響を与えることとなります。

|メタル度:★★★★☆
|ネオクラ度:★★★☆☆
|ルーツ度:★★★☆☆
|様式美度:★★★★☆
|産業ポップ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Rising
ハードロック¥611レインボー

Long Live Rock ‘n’ Roll|ロング・ライヴ・イン・ロックンロール:バビロンの城門

RAINBOW_Long_Live_Rock_n_Roll

オリジナルアルバム – 3作目 (1978年)

ディオが参加している最後のアルバム。
前作で到達したプロト・メタル・サウンドを、さらにブラッシュアップしてシェイプすることで、よりポップでコンパクトな整合感を持ったヘヴィメタルを確立させています。

中でもスピードチューンのT-05は、〈JUDAS PRIEST〉の【Exciter】、〈RIOT〉の【Warrior】、〈MOTÖRHEAD〉の【Overkill】、〈SWEET〉の【Set Me Free】などと並んで、ヘヴィメタル様式の確立以前に生み出された、スピードメタル/パワーメタルの基本形となる超重要曲。

一方で、T-01やT-07などのポップなロックン・メタル・チューンは、これ以降の米国シーンを意識したマーケティング・メタル展開の予兆を漂わせていますが、いずれもクオリティ面では一分のスキもない完成度であり、前作と並ぶRAINBOWの代表作である事は間違い無しの名盤です。

|メタル度:★★★★☆
|ネオクラ度:★★★☆☆
|ルーツ度:★★★★☆
|様式美度:★★★★☆
|産業ポップ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Down to Earth|ダウン・トゥ・アース

RAINBOW_Down_to_Earth

オリジナルアルバム – 4作目 (1979年)

本来はポップシンガーでありながら、エキセントリックな4オクターブ・ハイトーン・シャウトを武器に、メタル界最強ボーカルリストとして引く手数多となる、“メタル・ダンディ”ことグラハム・ボネットが、ハード/ヘヴィ界隈に名を成すきっかけとなったアルバム。

エッジの効いたヘヴィネスはそのままに、マーケットでの成功を意識したポップ路線に舵を切っており、当時メインストリーム対応の産業ロック/ポップロック化を進めていた、〈FOREIGNER〉や〈JOURNEY〉といったUSプログレハード・グループのサウンドにも通じる一面を持つ作風です。

音楽性の変化については当然のように賛否両論あるものの、スマッシュヒットとなったポップチューンT-01やT-05以外の曲も、軒並み水準を上回るクオリティであり、否定論者であってもその完成度には一目置かざるを得ないほどです。

ただし、最大のヒットとなったそのT-05はオリジナルではなく、UKハードロック・バンド〈ARGENT〉のメンバー、ラス・バラードの持ち曲のカバーです。

|メタル度:★★★★☆
|ネオクラ度:★★★☆☆
|ルーツ度:★★★☆☆
|様式美度:★★☆☆☆
|産業ポップ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★

代表作 入門盤 賛否両論

Difficult to Cure|ディフィカルト・トゥ・ケア:アイ・サレンダー

RAINBOW_Difficult_to_Cure

オリジナルアルバム – 5作目 (1981年)

ブラックモアの推し進める商業ポップ路線への反発や、クリエイティヴ面の相違から、前作を最後にグラハム・ボネットとコージー・パウエルと決別。
このことからも、ブラックモアは一般的な“偏執的ネオクラシカル様式美の権化”というイメージ以上に、ビジネスライクな商売人という面が大きいことがわかります。

後任は、USロックバンド〈FANDANGO〉のフロントマンだったジョー・リン・ターナーと、〈BLACK SABBATH〉と〈BLUE ÖYSTER CULT〉という英米ビッグネームをはじめとした多くのバンドを渡り歩き、現在はジャーマンメタル〈AXEL RUDI PELL〉に在籍中のボビー・ロンディネリ。

ジャケットアートの重鎮ヒプノシスの手によるジャケットが印象的な本作は、メンバーチェンジとさらなるポップ路線の強化で、オールドファンから見限られるきっかけにもなったアルバムでもあります。

確かにもはや“AOR”としか呼べないような産業ポップ曲が増えていますが、ネオクラシカルなスピードメタルチューンの名曲T-02やヘヴィなT-08、ベートーヴェンの第九をカバー・アレンジしたT-09などで、オールドファンにも色目を使っています。
クオリティは決して低いわけではなく、インパクトのあるキラーチューンも存在するので、好き嫌いはあれどチェックして損のない1枚です。

バンド最大のヒットとなる、ドラマティックな哀愁のポップメタルT-01はまたしてもラス・バラードのカバー曲。この時期のRAINBOWにとってラス・バラードの存在は、もはや優秀な外部ソングライターとも影のメンバーとも呼べるほど重要なものでした。

|メタル度:★★★★☆
|ネオクラ度:★★★☆☆
|ルーツ度:★★☆☆☆
|様式美度:★★★★☆
|産業ポップ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 賛否両論

Straight Between the Eyes|ストレイト・ビトウィーン・ジ・アイズ:闇からの一撃

RAINBOW_Straight_Between_the_Eyes

オリジナルアルバム – 6作目 (1982年)

引き続きヒプノシスによるアートワークの本作は、その中身もまた前作を引き継いでおり、やはりUS産業ロック/ポップロックテイストの強いアルバムです。

とはいえ、前作のようなマーケットを狙いすぎたAORチューンは姿を消し、やや初期への原点回帰も見られるスタイルとなっています。
それによってオールドファンの支持もいくぶん取り戻したようですが、良くも悪くも無難で守りに入った印象の強い仕上がりになっています。

毎度の目玉ファストチューンのT-01やヘヴィなT-05あたりは、それなりに印象に残るものの、過去の名曲と比べるとやや精彩を欠きますし、過去作には確実に見られたキラーチューンも不在。
それ以外もせいぜいが及第点どまりなので、あえて他のアルバムより優先して本作を選ぶ理由が見つからないのが弱点です。

|メタル度:★★★☆☆
|ネオクラ度:★★☆☆☆
|ルーツ度:★★☆☆☆
|様式美度:★★★☆☆
|産業ポップ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 スルメ盤 お布施

Bent Out of Shape|ベント・アウト・オブ・シェイプ:ストリート・オブ・ドリームス

RAINBOW_Bent_Out_of_Shape

オリジナルアルバム – 7作目 (1983年)

黄金期のメンバーは身内に近いロジャー・グローヴァーのみとなり、やや旬を過ぎたラストアルバムということもあって、注目度も評価もそれほど高くないものの、意外にも聴きどころの多いアルバムとなっています。

基本的には、メタル/ハードロックの最大マーケットとなった、アメリカのチャート狙いのここ数作の流れにあるものです。

その一方で、これまでの総決算的な面もあり、曲も近作で目立つ産業ロックやAOR調だけでなく、従来のネオクラシカルなスピードメタルや、〈DEEP PURPLE〉を思わせるオーソドックスなハードロックまで、なかなかに多彩な取り合わせとなっています。

今回は、アップテンポなトラックが比較的多めで、それが適所に配置されているため、最後まで勢いが途切れないのもアルバムの印象を良くしているポイントで、総合力では黄金期には及ばないものの、前作よりはアベレージは上回っています。

アートワークは引き続きヒプノシスですが、本作ではストーム・ソーガソン名義となっています。

|メタル度:★★★★☆
|ネオクラ度:★★★★☆
|ルーツ度:★★☆☆☆
|様式美度:★★★☆☆
|産業ポップ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★

入門盤 賛否両論 通好み

Stranger in Us All|ストレンジャー・イン・アス・オール:孤高のストレンジャー

RAINBOW_Stranger_in_Us_All

オリジナルアルバム – 8作目 (1995年)

再結成〈DEEP PURPLE〉から再度脱退したブラックモアが再始動した、『RITCHIE BLACKMORE’S RAINBOW』名義による90年代RAINBOW唯一のアルバム。
今作でヴォーカルを務めるのは、いよいよ便利屋的な印象が染み付いてしまったドギー・ホワイトです。

解散前のアメリカンなヘヴィネスやポップテイストは払拭されて、欧州的美意識に覆われたサウンドとなっており、ときおり感じさせるダークな耽美志向には、シンフォ系のゴシックメタルにも通じる部分も見受けられます。

その辺りも含めて、のちの欧州系シンフォニック・メタルにもつながるサウンドですが、ここでもブルーズロック・テイストを感じさせる曲が見られたり、UKロックの先輩格〈YARDBIRDS〉をカバーするあたりに、様式美と同時にルーツにもこだわるブラックモアの特性が見て取れます。

良くも悪くもベテラン特有の新奇性に乏しいハードロックであり、ブラックモア信仰と美メロ/ネオクラシカル志向の強い日本やスウェーデンなどでこそヒットしたものの、それ以外ではブラックモアが期待したほどの成功には届かず、これ1枚で打ち止めとなります。

|メタル度:★★★★☆
|ネオクラ度:★★★★☆
|ルーツ度:★★☆☆☆
|様式美度:★★★★☆
|産業ポップ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 お布施
次ページは関連バンドBLACKMORE’S NIGHTのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

Translate »