Contents
- 1激情型ヴォーカルとカオティック・サウンドを武器に黎明期のニューメタル・シーンへ乗り込みメタルコアの畑を耕すも、収穫期のを待たずに姿を消した伝説のN.S.H.C.系メタリックN.Y.H.C.バンド!!
- 1...1N.Y.H.C.シーンのN.S.H.C.バンド!?
- 1...2メジャーを目指したN.S.H.C.の異端グループ!?
- 1...3VISION OF DISORDERの音楽性は!?
- 1...4VISION OF DISORDERは運とタイミングに恵まれない実力派!?
- 1.1VISION OF DISORDER|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Still|スティル
- 1.1.2Vision of Disorder|ヴィジョン・オブ・ディスオーダー
- 1.1.3Imprint|インプリント
- 1.1.4For the Bleeders|フォー・ザ・ブリーダーズ
- 1.1.5From Bliss to Devastation|フロム・ブリス・トゥ・デヴァステーション
- 1.1.6The Cursed Remain Cursed|ザ・カーズド・リメイン・カーズド
- 1.1.7Razed to the Ground|レイズド・トゥ・ザ・グラウンド
- 1.2BLOODSIMPLE 〈ブラッドシンプル〉|DISCOGRAPHY
- 1.2.1A Cruel World|ア・クルーエル・ワールド
- 1.2.2Red Harvest|レッド・ハーベスト
VISION OF DISORDER|DISCOGRAPHY
Still|スティル
ミニアルバム:EP (1995年)
マイナーレーベルからリリースされていたデビューミニアルバム。
すでに、先達よって『N.S.H.C.』の基本フォーミュラが提示されていた時代であり、VISION OF DISORDERのスタイルも、おおむねそれを踏襲したものが基調であるため、軸となる音楽性やヴォーカル・スタイルについては、ここから大きな変化はありません。
|ハーコー度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|カオス度:★★☆☆☆
|メロエモ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
入門盤
Vision of Disorder|ヴィジョン・オブ・ディスオーダー
オリジナルアルバム – 1作目 (1996年)
NYメタリック・ハードコアの先達も多数在籍していた、大手メタル・レーベル『ロードランナー』から、鳴り物入りで登場したデビュー・アルバム。
彼らのブレイクと当時の躍進ぶりは、やはり当時の『N.S.H.C.』シーンの中で唯一、作品がメジャーからリリースされたことによる部分が大きいのは否定できません。
しかしそれゆえに、それまで『N.S.H.C.』シーンに触れる機会のなかった、一般のメタルリスナーにも少なからず衝撃を与え、メタルコア・ブームの土壌を耕す存在たりえていました。
本作の音楽性は、アンダーグラウンドの『N.S.H.C.』シーンまで視野に入れるなら、取り立てて独自性も新奇性も感じられません。
とはいえ、“クリーン・ヴォイスによるサビの歌メロ”という、レーベルメイトFEAR FACTORYのメソッドをすかさずで取り入れてるなど、後のニューメタル・ブームを見据えたような先見性と柔軟性については、むしろ評価すべきと言えます。
|ハーコー度:★★★★☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|カオス度:★★☆☆☆
|メロエモ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論
Imprint|インプリント
オリジナルアルバム – 2作目 (1998年)
曲の構成自体は、グルーヴメタル〜ニューメタルの系譜に位置するオーソドックスなものですが、HELMETなどのプロデュースで知られるデイブ・サーディを迎えて、ニューヨークのヘヴィ・オルタナティヴ寄りのなジャンクでノイジーな生々しい音づくりとなっています。
その、当時のメタリック・ハードコアとしは逆行気味で異彩を放っていたサウンドと、メジャーシーンでは突出していた、ティム・ウィリアムズの熱量に満ちたテンションの高い激情型シャウトで、大きく注目度を高める結果を生みます。
ただし、一部界隈で見られた、ウィリアムズの歌唱に〈ジム・モリソン〉までもを引き合いに出す傾向には、さすがに「調子にのるな!」と言わざるを得ないでしょう。
ヘヴィメタル界隈以外のマスコミや識者から、大絶賛で迎えらたことからもわかるように、パンク/ハードコアのみならず、オルタナティヴ・ロック系のメディアやリスナーを引き込めたことが、本作の勝因と言えますが、一方で、ヘヴィメタル・クラスタに限るならば、本作での変化はむしろマイナス要因だらけという側面もあり、事実、メタル界隈では本作よりも前作の方を押す声が少なくありません。
|ハーコー度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|カオス度:★★★★☆
|メロエモ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★
代表作 入門盤 実験作
For the Bleeders|フォー・ザ・ブリーダーズ
コンピレーションアルバム (1999年)
From Bliss to Devastation|フロム・ブリス・トゥ・デヴァステーション
オリジナルアルバム – 3作目 (2001年)
楽曲に占めるメロディーの比重が大きくなり、曲調もミッド〜スローテンポのものが多くなったことで、前作に飛びついたファンから総スカンを食らう結果となったアルバム。
…と、言うとイメージがよくありませんが、楽曲クオリティが前作に劣るというわけではありませんし、トレンドに寄せたともも思える作風の変化も、そもそもの彼らの独自性の弱さを考えれば、あえて大上段に指摘して批判するのも今更でしょう。
しかし、前作の高評価の理由が、ややテクニカルでハイテンションな作風と熱量にあふれた激情型スクリームにあったことを考えると、バンドの意図かどうかはともかく、それをここでスポイルするのはマーケティング的には失策と言えます。
いくら前作がウケたからといって、同じ作風を5枚も10枚も延々と続けられてはさすがに困りますが、もう1〜2枚程度は前作のマイナーチェンジで済ませてもよかったかもしれません。
ニューメタルのリスナーにアピールできなかったのも誤算だったのかもしれませんが、それにはさすがに、ポップネスとフックが圧倒的に足りないと言わざるを得ないでしょう。
|ハーコー度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|カオス度:★★☆☆☆
|メロエモ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 実験作
The Cursed Remain Cursed|ザ・カーズド・リメイン・カーズド
オリジナルアルバム – 4作目 (2012年)
Razed to the Ground|レイズド・トゥ・ザ・グラウンド
オリジナルアルバム – 5作目 (2015年)
BLOODSIMPLE 〈ブラッドシンプル〉|DISCOGRAPHY
〈VISION OF DISORDER〉解散後の2002年に、その中心メンバーのティム・ウィリアムズ(Vo.)とマイク・ケネディー(Gt.)によって結成されたバンド。
ここでは、解散前の〈VISION OF DISORDER〉で試みていた、メロディの導入とニューメタルへの接近というアプローチを、さらに大胆に展開していましたが、2008年に〈VISION OF DISORDER〉再結成のために活動停止となっています。
ナード・エモ・ゴス的な、メランコリックでエモーショナルなメロディと、プログレ的ともいえる凝った曲展開を大きな特徴としており、メインストリームのメジャー感のあるサウンドを意識しつつも、その類型に収まらない独自のスタイルを追求していました。
A Cruel World|ア・クルーエル・ワールド
オリジナルアルバム – 1作目 (2005年)
Red Harvest|レッド・ハーベスト
オリジナルアルバム – 2作目 (2007年)