Contents
- 1フィクショナルなテーマを追求するジャーマン・パワーメタル・バンドは、アグレッシヴなスピードメタルからドラマティックなエピック・パワーメタルに変貌を遂げて新世代ジャーマンシーンの騎手に!!
- 1...1ジャーマン・パワーメタル第二世代の代表格!?
- 1...2BLIND GUARDIANはエピックメタル!?
- 1...3アグレッシヴなサウンドで登場!?
- 1...4BLIND GUARDIANは日本で大人気!?
- 1...5シーンの荒波を越えて活動を続ける!?
- 1.1BLIND GUARDIAN|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Battalions of Fear|バタリアンズ・オブ・フィア
- 1.1.2Follow the Blind|フォロー・ザ・ブラインド
- 1.1.3Tales from the Twilight World|テイルズ・フロム・ザ・トワイライト・ワールド
- 1.1.4Somewhere Far Beyond|サムホェア・ファー・ビヨンド
- 1.1.5Imaginations from the Other Side|イマジネーションズ・フロム・ジ・アザー・サイド
- 1.1.6Nightfall in Middle-Earth|ナイトフォール・イン・ミドル・アース
- 1.1.7A Night at the Opera|ナイト・アット・ジ・オペラ
- 1.1.8A Twist in the Myth|ア・トゥイスト・イン・ザ・ミス
- 1.1.9At the Edge of Time|アット・ジ・エッジ・オブ・タイム
- 1.1.10Beyond the Red Mirror|ビヨンド・ザ・レッド・ミラー
- 1.1.11Twilight Orchestra: Legacy of the Dark Lands|トワイライト・オーケストラ:レガシィ・オブ・ザ・ダーク・ランズ
- 1.1.12The God Machine|ザ・ゴッド・マシーン
BLIND GUARDIAN|DISCOGRAPHY
Battalions of Fear|バタリアンズ・オブ・フィア
オリジナルアルバム – 1作目 (1988年)
このデビュー作は、ファスト・チューンを中心としたスピードメタル・アルバムと呼べる1枚で、時折スラッシーともいえる要素さえ垣間見える、スピーディー&アグレッシヴなサウンドを展開しています。
この時点では、まだ後年に見られるような目立ったドラマティックなエピック的演出はほぼ見られず、曲も比較的短め。
長尺曲も見られるものの、残念ながらそれを飽きずに聴かせるセンスはまだ伴っておらず、やや持て余し気味な印象です。
いい意味でも悪い意味でもB級の域を超えるものではなく、楽曲も“金太郎飴”気味で、名曲と呼べるレベルのナンバーも見られませんが、そのスタイルの中ではかなりの高水準にありますし、彼らの場合は、ここでのプリミティヴ初期衝動型のスタイルは、プラスに働いている面も少なくないありません。
そのため、後のエピック的な過剰なドラマ性と演出に気恥ずかしさを覚えるというリスナーでも、それを気にせず勢いに任せた楽曲をストレス無く楽しめる爽快な仕上がりを見せた、例外的なアルバムと言うこともできます。
|エピック度:★★☆☆☆
|大作度:★★☆☆☆
|スピード:★★★★★
|ポップネス:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 賛否両論 通好み 実験作
Follow the Blind|フォロー・ザ・ブラインド
オリジナルアルバム – 2作目 (1989年)
基本的には、前作からの流れにあるスピード/ファスト・チューンを中心としたスタイルですが、前作と比較すると、ややエピック的な演出が目につくようになっています。
新機軸として、ミッドチューンの作風に加えて長尺という、前作では見られなかったナンバーを試みていますが、いずれにしてもこの時点ではセンスが伴なっておらず、“ダウンテンポ”か“長尺大作”のどちらか一方でも持て余すところに、ここではそれが合わせ技ときてるので、出来栄えは推して知るべきでしょう。
アルバムの大半を占めるファスト・チューンについても、それなりの水準には達しているもののいまひとつ煮え切らない印象があり、T-09あたりを除くと前作から一枚劣る出来栄えです。
次の一手を模索している様子は伝わりますが、それがプラスに働いて結果につながっているとはいえず、前作の思い切りの良さと潔さを欠くだけの結果に終わっているのが残念なところです。
なお、T-10はドゥーワップ・バンド〈THE REGENTS〉のカバー曲。
|エピック度:★★☆☆☆
|大作度:★★☆☆☆☆
|スピード:★★★★☆
|ポップネス:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
通好み スルメ盤
Tales from the Twilight World|テイルズ・フロム・ザ・トワイライト・ワールド
オリジナルアルバム – 3作目 (1990年)
本作を持って、ジャーマン・パワーメタルの新鋭として、本格的にシーンで注目を集めるようになったターニングポイントであり、また、日本デビューをも果たしたアルバムということもあって、日本でも根強い人気を持つ1枚。
基本的には、ファスト・チューンを中心としたこれまでのスタイルを踏襲したものですが、ドラマティックで大仰な展開やエピック演出が大きく強化されており、最初期のスピード&アグレッション主体の作風と、これ以降のエピック的な大仰なドラマ演出重視の作風の、橋渡しとなった位置付けのアルバムとも言えます。
王道のジャーマン・パワーメタルとして、どちらのファンにも比較的受け入れられやすいバランスの良さを持つ反面、どっちつかずと捉えられる危惧もありますが、少なくとも前作よりは総合力で上回っているのも事実です。
|エピック度:★★★☆☆
|大作度:★★★☆☆
|スピード:★☆☆☆☆
|ポップネス:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤
Somewhere Far Beyond|サムホェア・ファー・ビヨンド
オリジナルアルバム – 4作目 (1992年)
BLIND GUARDIANの代表作として推されることにおいては、前作と双璧ともいえる人気アルバム。
音楽性については前作の発展系とも言えるものであり、ドラマティックで大仰な展開やエピック演出がさらに大きく強化されています。
アグレッシヴな“ジャーマン・パワーメタル=メロディック・パワーメタル”としてのバランスを維持しつつ、独自のカラーをアピールしたという意味でも、最も“らしい”アルバムとして、BLIND GUARDIANの看板作にもなっている1枚です。
エピック的な大仰なドラマ性と演出の過剰さでは、方向性に差はあれど、かの〈MANOWAR〉にも匹敵しようかというレベルの暑苦しさで、初期のストレートな作風を好むリスナーにとっては好みが分かれるところかもしれません。
そのため、決して万人向けとは言いがたい面もありますが、ジャーマン・パワーメタルを代表する1枚に挙げられる作品であることは事実ですし、ある種の“踏み絵”たり得るという意味でも、彼らのスタイルや持ち味を知るためには最適なアルバムとも考えられます。
楽曲については、おおむね及第点以上ではあるものの、特に傑出した曲となるとやや少ない印象がありますが、そんな中T-04はこれまでパッとしなかったミッドチューンながらも、コンパクトにまとまった中で個性とフックが発揮された、オールタイムベスト級の名曲と言えるでしょう。
これを過去のミッドチューンと比較してみれば、明確なバンドの成長の跡がうかがえます。
|エピック度:★★★★☆
|大作度:★★★☆☆
|スピード:★★★★☆
|ポップネス:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 実験作
Imaginations from the Other Side|イマジネーションズ・フロム・ジ・アザー・サイド
オリジナルアルバム – 5作目 (1995年)
前作において本格的な完成へと達した、“ブラガ印”のドラマティックなエピック・サウンドをさらに推し進めたアルバム。
前作と比較で見ると、これまでは作風は変われどバンドの核として揺るがなかった“スピード・チューン”の比重がかなり後退しており、また、ややプログレ的な大作志向によって構成が複雑化する傾向も確認できます。
一方で、ストレートなパワーメタルとしての魅力が弱まった影響からか、同じ全盛期の作品ながら、やや評価の分かれる傾向も見られます。
とはいえ、こと完成度においては前作にひけをとるものではないどころか、楽曲単位で見てもアルバムトータルで見ても、一歩リードしていると言ってもいいでしょう。
残念ながらこれ以降は、この手のバンドにありがちな自己満足的な悪い意味でのコンセプト志向や、シンフォニックな大作志向が顕著になって賛否が分かれる状況とってゆくことになります。
また、同時にクオリティ面でも右肩下がりとなっていくことを考えるならば、本作こそが彼らの黄金時代の幕を飾る最後の輝きと呼べるかもしれません。
|エピック度:★★★★☆
|大作度:★★★☆☆
|スピード:★★★☆☆
|ポップネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作
Nightfall in Middle-Earth|ナイトフォール・イン・ミドル・アース
オリジナルアルバム – 6作目 (1998年)
A Night at the Opera|ナイト・アット・ジ・オペラ
オリジナルアルバム – 7作目 (2002年)
A Twist in the Myth|ア・トゥイスト・イン・ザ・ミス
オリジナルアルバム – 8作目 (2006年)
At the Edge of Time|アット・ジ・エッジ・オブ・タイム
オリジナルアルバム – 9作目 (2010年)
Beyond the Red Mirror|ビヨンド・ザ・レッド・ミラー
オリジナルアルバム – 10作目 (2015年)
Twilight Orchestra: Legacy of the Dark Lands|トワイライト・オーケストラ:レガシィ・オブ・ザ・ダーク・ランズ
オリジナルアルバム – 11作目 (2019年)
The God Machine|ザ・ゴッド・マシーン
オリジナルアルバム – 12作目 (2022年)