Contents
- 1混迷を極めた90年代ヘヴィ/ハードシーンに、デンマークから彗星の如く現れて消え去ったた奇跡のハードポップロック・バンドは、20年を経てヘヴィなヴィンテージ・ドゥーム・ポップとして蘇る!!
- 1...1奇跡の名盤を生んだ不動のパワートリオ!?
- 1...2デンマークが生んだ奇跡のブライテスト・ホープ!?
- 1...3DIZZY MIZZ LIZZYの音楽性は!?
- 1...4衝撃のデビューから解散〜再結成!!
- 1.1DIZZY MIZZ LIZZY|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Dizzy Mizz Lizzy|ディジー・ミズ・リジー
- 1.1.2Rotator|ローテイター
- 1.1.3Forward in Reverse|フォワード・イン・リヴァース
- 1.1.4Alter Echo|オルター・エコー
- 1.1.5Live In Japan|ライヴ・イン・ジャパン
- 1.1TIM CHRISTENSEN|ティム・クリステンセン|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Secrets On Parade|シークレッツ・オン・パレード
- 1.1.2Honeyburst|ハニーバースト
- 1.1.3Superior|スーペリア
- 1.2TIM CHRISTENSEN and THE DAMN CRYSTALS |ティム・クリステンセン & ダムン・クリスタル|DISCOGRAPHY
- 1.2.1Tim Christensen And The Damn Crystals|ティム・クリステンセン アンド ダムン・クリスタルズ
- 1.2.2Pure McCartney|ピュア・マッカートニー
- 1.3TIM CHRISTENSEN and MADS LANGER|ティム・クリステンセン &マッズ・ランガー|DISCOGRAPHY
- 1.3.1Side Effects|サイド・エフェクツ
DIZZY MIZZ LIZZY|DISCOGRAPHY
Dizzy Mizz Lizzy|ディジー・ミズ・リジー
オリジナルアルバム – 1作目 (1994年)
DIZZY MIZZ LIZZYの名を知らしめた、このデビューアルバムで聴けるのは、同時代の英米のメインストリームロック、グランジとブリットポップにも通じる60〜70年代ロックの再構築サウンドに、北欧のポップミュージックの要素をも加えたような、キャッチーで適度にヘヴィなポップロック。
実のところ、これは、当時のメタルファンが嫌悪する、90年代トレンドが大きく反映されたサウンドです。
しかし、業界の重鎮やメディアの大プッシュと、何より超名曲T-05“Glory”の存在がメタル/ハードロック・クラスタに衝撃を与えハートをわしづかみ、その琴線を激しく弾きまくったことから、デンマークの…そしてオルタナ・バンドとしては異例の大ヒットとなりました。
他の曲もおしなべて高い完成度を持っており捨て曲なし。どこを切ってもフックに引っかかるという、一部のスキも無いアルバムで、手放しの大絶賛を受けたのも納得の名盤です。
しかし、これだけの傑作を生み出した結果の反動として、“名盤の呪い”ともいえる代償とも今後付き合っていくことになります。
|レトロ度:★★★☆☆
|メロディ:★★★★★
|オルタナ度:★★★★☆
|メタル度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Rotator|ローテイター
オリジナルアルバム – 2作目 (1996年)
デビューアルバムに衝撃を受けたリスナーの期待を一身に集めた本作も、音楽性は前作とほぼ同路線で、よく練られて適度なツイストも効いた曲がつまった、上質なポップロック・アルバムではあります。
前作ほどの作品を出した後でも、しぼりカスにならずに、これだけの作品をドロップできたことは評価すべきですし、前作に匹敵するセールスをあげたことからも期待のほどがうかがえます。
実際、それなりに人気もあるアルバムなのですが、さすがに前作を耳にした後では“一枚落ち”の印象は拭えません。
全体的にややフックが弱めなため“要聴き込み”なスルメ系アルバムになっていますし、何よりガッツリと聴き手をつかむ名曲“Glory”に匹敵するキラーチューンをの不在から、作風に大きな変化は無いにもかかわらず、インパクトを欠いて全体の印象を弱めています。
|レトロ度:★★☆☆☆
|メロディ:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
|メタル度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤
Forward in Reverse|フォワード・イン・リヴァース
オリジナルアルバム – 3作目 (2016年)
20年越しとなったファン待望の復帰作は、過去のイメージを払拭する意欲作として、やや評価が分かれる作風となりました。
クリステンセンの得意とするメロディを武器にしていることは、変わりはありませんが、ヘヴィ/ハード志向なニールセン&フリスの2人のカラーが強く出たのか、かなりヘヴィでメタリックなサウンドへと変化を遂げています。
インストのT-01やT-09などのような、CATHEDRALやKYUSSの存在が頭をよぎる、ヴィンテージ・テイストのドゥームメタル/ストーナーロックそのものといった曲も見られます。
叙情的な歌メロに惚れ込んでいたファンに不評気味ですが、ソロ作も含む1st以来の展開を見る限りでは、クリステンセンのメロディセンスはスリ減ってきており、もはや、それだけで1stの牙城に迫ることは難しくなっています。
それを考えれば、歌メロを贅沢に使った作風から、リフワークや曲展開の妙で聴かせる作風に移行したのは正解でしょう。
結果的に、十分歌メロに対抗しうる存在感を持つヘヴィリフとのコントラストと、プログレ的な凝った曲展開とのケミストリーで、絶品とは呼べない少ないメロディをより効果的に輝かせる、いわば“省メロ”の手法に開眼しています。
|レトロ度:★★★☆☆
|メロディ:★★★☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|メタル度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Alter Echo|オルター・エコー
オリジナルアルバム – 4作目 (2020年)
復帰作で見せた、ドゥーム/ストーナー的ヘヴィネスの効いたメタリック・リフ主体の曲に、クリステンセンの歌メロが絡むスタイルについては変化はありません。
しかし、ストレートなドゥーム/ストーナー・テイストはやや薄まっており、結果的に、曲によってはニューメタル系のポストグランジに近づいたようにも感じられます。
その一方で、時にはプログレテイストを感じさせる展開も、本作でより一層強まった印象があります。
メロディについては、やや手クセ感は否めないものの前作に増して主張しており、ヘヴィサウンドとの絡みも良くなったことで、その相乗効果でさらなる魅力が生まれています。
T-06からT-10まではワンテーマでの連作となっていますが、組曲系の長編ではなく完全に独立した異なる作風の楽曲が並んだだもので、曲単位でも違和感なく楽しめます。
初期からは作風こそ変わったものの、1stに挑めるだけのポテンシャルは感じられる力作で、オールドファンにとっては前作よりもなじみやすい仕上がりと言えるかもしれません。
|レトロ度:★★★☆☆
|メロディ:★★★★☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|メタル度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 賛否両論
Live In Japan|ライヴ・イン・ジャパン
ライヴアルバム (1995年)