Contents
- 1先鋭性と作家性が希薄な職人的プロデューサー兼ミュージシャンが、ライバルの背中を追い続け、インダストリアル・メタル・シーンで世界的ステイタスを築くまでに生み出された、デスメタル・アルバムの評価は?
- 1...1北欧の鬼才ペーター・テクレン率いるバンド!?
- 1...2HYPOCRISYのバンド体制は!?
- 1...3スウェディッシュ・デスのトップ・グループ!?
- 1...4HYPOCRISYの音楽スタイルは!?
- 1...5ペーター・テクレンとダン・スウォノはライバル!?
- 1...6RAMMSTEINのメンバーとのタッグで世界的ミュージシャンに!?
- 1.1HYPOCRISY|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Penetralia|ペネトレーション
- 1.1.2Osculum Obscenum|オスカラム・オブセナム
- 1.1.3The Fourth Dimension|ザ・フォース・ディメンション
- 1.1.4Abducted|アブダクテッド
- 1.1.5The Final Chapter|ザ・ファイナル・チャプター
- 1.1.6Hypocrisy|ヒポクリシィ
- 1.1.7Into the Abyss|イン・トゥ・ザ・アビス
- 1.1.8Catch 22|キャッチ22
- 1.1.9The Arrival|ザ・アライヴァル
- 1.1.10Virus|ヴァイラス
- 1.1.11Catch 22 V2.0.08|キャッチ 22・バージョン2.0.08
- 1.1.12A Taste of Extreme Divinity|ア・テイスト・オブ・エクトリーム・ディヴィニティ
- 1.1.13End of Disclosure|エンド・オブ・ディスクロージャー
- 1.1.14Worship|エンド・オブ・ディスクロージャー
HYPOCRISY|DISCOGRAPHY
Penetralia|ペネトレーション
オリジナルアルバム – 1作目 (1992年)
テクレンのセルフ・プロデュースによるデビューアルバム。
この時点では、専任ヴォーカリストとして、後にDARK FUNERALやWITCHERYに参加するメッセ・ブロバーグ、リードギターのヨナス・オスターベルクを加えた5人編成となっており、その顔ぶれによる唯一のアルバムとなります。
オールドスクールなスウェディッシュ・スタイルながら、USデスメタル的なヘヴィな質感も兼ね備えた重厚感のある音作りは、スカンジナビア系に多いB級臭さをあまり感じさせません。
楽曲もややムラはあるものの、おおむね上々の仕上がりを見せており、光る部分も随所に見て取ることができます。
|スピード:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|メロディ度:★★☆☆☆
|独自性:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤
Osculum Obscenum|オスカラム・オブセナム
オリジナルアルバム – 2作目 (1993年)
リードギターのオスターベルクが抜けた、4人編成での唯一のアルバムで、一般的には初期の代表作にあげられることも多い作品です。
おおむね前作と同路線ですが、ややストレートなスタイルでブラッシュアップしたようなつくりで、クオリティについては代表作の名に恥じないトップクラスの出来栄えを見せています。
また、ギターの音色や質感については、前作と比較するとスウェディッシュ・テイストをかなり強めたものとなっています。
T-05『Black Metal』は、もちろん〈VENOM〉の看板曲のカバー。
なお、デスメタル・アートワークの重鎮、〈ウェス・ベンスコーター〉の手によるジャケット・アートは、かなりアタリ/ハズレの差が激しいことで知られていますが、本作についてはハズレを引いたと言わざるを得ないでしょう。
|スピード:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|メロディ度:★☆☆☆☆
|独自性:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤
The Fourth Dimension|ザ・フォース・ディメンション
オリジナルアルバム – 3作目 (1994年)
ブロバーグが脱退し、テクレンがヴォーカルも兼任する“パワートリオ”体制となって最初のアルバム、
デスメタルのパイオニア勢による、『ポスト・デスメタル』アプローチが活発化してきた時期であり、本作からはHYPOCRISYもまた、オールドスクールなスタイルからの脱却を意図したアプローチを展開しするようになります。
本作は、ヘヴィネス重視のダウンテンポ気味な作風で、ややドゥーミィ&グルーヴィなミドルテンポの楽曲が増えていますが、その一方で、〈AT THE GATES〉を思わせるようなメロディック・デスラッシュも導入されています。
また、この時期はメロデス黎明期にもあたり、日本でも注目が集まっていたこともあり、本作は日本盤デビュー作にもなりました。
独自性の薄さから、どうしても安易な後追いという印象は拭い去れませんし、楽曲クオリティもかろうじて及第点はキープしていますが、取り立てて際立った出来栄えとはいえず、キラーチューンと呼べるようなキメ曲は見当たないため、B級を超えるレベルには達していません。
|スピード:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|メロディ度:★★☆☆☆
|独自性:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Abducted|アブダクテッド
オリジナルアルバム – 4作目 (1996年)
前作の発展型と言って差し支えない作風で、ドゥームデスとデスラッシュの二本立てにメロディの比重を増した基本路線は、おおむね前作を踏襲したものですが、ここでは、メロディを強化しつつも大幅にブラッシュアップが施されています。
メロディの比重が一気に大増量されて、デスラッシュ曲については、まさにメロディック・デスメタルと呼んでも差し支えないものとなっていますし、ドゥームデス路線でもメロディが強調されており、ダン・スウォノ風のゴシック的な耽美ドゥームにも近い仕上がりを見せています。
「HYPOCRISYならではの独自性の確立」という重要課題については、全く進捗が見られませんが、漠然とでも方向性が定まったためか、作品としてのグレードは確実にアップしているので、オリジナリティを重視するか否かが評価はの分かれ目にもなるでしょう。
なお、本作から『UFOメタル』『エイリアン・メタル』路線を深めることになるため、その良し悪しは別として、テーマ性のみに絞れるなら一応の差別化は図れています。
|スピード:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|メロディ度:★★★☆☆
|独自性:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 実験作
The Final Chapter|ザ・ファイナル・チャプター
オリジナルアルバム – 5作目 (1997年)
Hypocrisy|ヒポクリシィ
オリジナルアルバム – 6作目 (1999年)
Into the Abyss|イン・トゥ・ザ・アビス
オリジナルアルバム – 7作目 (2000年)
Catch 22|キャッチ22
オリジナルアルバム – 8作目 (2002年)
The Arrival|ザ・アライヴァル
オリジナルアルバム – 9作目 (2004年)
Virus|ヴァイラス
オリジナルアルバム – 10作目 (2005年)
Catch 22 V2.0.08|キャッチ 22・バージョン2.0.08
オリジナルアルバム – 11作目 (2008年)
A Taste of Extreme Divinity|ア・テイスト・オブ・エクトリーム・ディヴィニティ
オリジナルアルバム – 12作目 (2009年)
End of Disclosure|エンド・オブ・ディスクロージャー
オリジナルアルバム – 13作目 (2013年)
Worship|エンド・オブ・ディスクロージャー
オリジナルアルバム – 14作目 (2021年)