Contents
- 1ヘヴィ&ダンサブルでジャーマン・インダストリアル・メタルのパイオニアは、シーン最多アルバムリリースを誇るポリティカルなハードワーカー!!
- 1...1インダストリアルのトップグループの一角!?
- 1...2KMFDMの音楽スタイルは!?
- 1...3ジャーマン・インダストリアルの代表格!?
- 1...4KMFDMはポリティカル・バンド!?
- 1...5KMFDMのバンド体制は!?
- 1...6〈KMFDM〉の解散と〈MDFMK〉!!
- 1.1KMFDM|ケイ・エム・エフ・ディー・エム|DISCOGRAPHY|スタジオ・アルバム
- 1.1.1Opium|オピウム
- 1.1.2What Do You Know, Deutschland?|ホワット・ドゥ・ユー・ノウ・ドイチェランド?
- 1.1.3Don't Blow Your Top|ドント・ブロウ・ユア・トップ
- 1.1.4UAIOE|UAIOE (ユー・エー・アイ・オー・イー)
- 1.1.5Naïve|ナイーヴ
- 1.1.6Money|マネー
- 1.1.7Angst|アングスト
- 1.1.8Nihil|ニヒル
- 1.1.9Xtort|エクストート
- 1.1.10Symbols|シンボルズ:F×S×C×S×P
- 1.1.11Agogo|アゴゴ
- 1.1.12Adios|アディオス
- 1.1.13Attak|アタック
- 1.1.14WWIII|WWIII(ワールドウォー・スリー)
- 1.1.15Hau Ruck|ハウ・ラック
- 1.1.16Tohuvabohu|トーフワボーフ
- 1.1.17Blitz|ブリッツ
- 1.1.18WTF?!|WTF?!(What The Fuck?!:ワッツ・ザ・ファック?!)
- 1.1.19Kunst|クンスト
- 1.1.20Our Time Will Come|アワー・タイム・ウィル・カム
- 1.1.21Hell Yeah|ヘル・ヤァ
- 1.1.22Paradise|パラダイス
- 1.1.23Hyëna |ハイエナ
- 1.2KMFDM|ケイ・エム・エフ・ディー・エム|DISCOGRAPHY|リミックス・アルバム
- 1.2.1Naïve/Hell to Go|ナイーヴ/ヘル・トゥ
- 1.2.2Ruck Zuck|ラック・ザック
- 1.2.3Brimborium|ブリボリウム
- 1.2.4Krieg|クリーグ
- 1.2.5In Dub|イン・ダブ
- 1.3MDFMK|エム・ディー・エフ・エム・ケイ|DISCOGRAPHY|スタジオ・アルバム
- 1.3.1MDFMK|エム・ディー・エフ・エム・ケイ
- 2SLICK IDIOT|スリック・イディオット|DISCOGRAPHY|スタジオ・アルバム
- 2.1SLICK IDIOT|スリック・イディオット|DISCOGRAPHY|スタジオ・アルバム
- 2.1.1DickNity|ディックニティ
- 2.1.2Screwtinized|スクリューティナイズド
- 2.1.3SUCKSESS|サクセス
- 2.2 SLICK IDIOT|スリック・イディオット|DISCOGRAPHY|リミックス・アルバム
- 2.2.1ReDickUlous|リディックユーロス
- 2.2.2xSCREWciating|エクススクリューシーティング
KMFDM|ケイ・エム・エフ・ディー・エム|DISCOGRAPHY|スタジオ・アルバム
Opium|オピウム
オリジナルアルバム – 1作目 (1984年)
リアルタイムではライヴ会場で販売されるにとどまり、媒体もカセットテープのみだった幻のデビューアルバムが2002年に再リリースされたもので、ほぼサシャ・コニエツコとレイモンド・ワッツの2名によって制作されています。
ギターはフィーチャーされているものの、全盛期のようなゴリゴリのメタルギターはまだ用いてられおらず、曲調は、アングラ・ニューウェイヴの界隈で顕著だった、ノイズ系をも含むコンセプチュアルな前衛音楽の影響が強い作風が中心。
全体的な印象は、どろりとしたカオティックなサイケデリアをも漂わせたダーク&ダウナーなヘヴィ・エレクトロ系ニューウェイヴといったところです。
そんな中に、クラブでのフロア対応も可能なダンサブルなEDMチューン【T-04】や【T-05】、本格的なエレクトロニック・ダブの【T-06】や【T-08】といった、後のKMFDMスタイルの基本形ともいえる佳曲も見られます。
上記の曲以外にもトランシーな【T-09】など魅力的なナンバーは多く、全盛期のスタイルのみにこだわらないリスナーであれば、十二分に楽しめる好盤です
なお本作は、ジャケットのアートワークにアーティスト『Brute』によるイラストが用いられていない、例外的なアルバムのひとつ。
|ダンス度:★★★☆☆
|ポスパン度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|アッパー度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
What Do You Know, Deutschland?|ホワット・ドゥ・ユー・ノウ・ドイチェランド?
オリジナルアルバム – 2作目 (1986年)
|ダンス度:★★☆☆☆
|ポスパン度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|アッパー度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Don’t Blow Your Top|ドント・ブロウ・ユア・トップ
オリジナルアルバム – 3作目 (1988年)
|ダンス度:★☆☆☆☆
|ポスパン度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|アッパー度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
通好み スルメ盤 実験作
UAIOE|UAIOE (ユー・エー・アイ・オー・イー)
オリジナルアルバム – 4作目 (1989年)
ヨーロッパのみでなく、インダストリアル・メタルの最大マーケットであるアメリカをターゲットにした世界展開を開始したアルバムで、そのアメリカでは「ワックストラックス!」がディストリビューションを行いました。
これまでの主力の1人レイモンド・ワッツは、前作の製作中に脱退して〈PIG〉を始動させたため本作からはしばし不参加となり、それ以降も参加は断続的となります。
音楽的には、従来のスタイルを基調としつつもサウンドはこれまで以上にヘヴィで、さらにメタルギターのフィーチャー度合いを大幅アップしたロック寄りの作風へと移行し、同時代的なインダストリアル・メタル路線へと一歩を踏み出しています。
ここではミドル〜スローのダウンテンポなグルーヴチューンが主体で、全盛期のようなアッパーでエクストリームなキラーチューンは見られないものの、冒頭の【T-01】【T-02】や、【T-06】,【T-07】,【T-09】といった準名曲クラスの佳曲は多め。
それ以外も、ラップ風のヴォーカルを用いたインダストリアル・ヒップホップ調の【T-01】や、後の〈マリリン・マンソン〉のマーチングメタルの原点とも言えそうな【T-04】、定番のダブ・チューン【T-05】や【T-08】などのきなみ高水準で、充実度の高いアルバムと言えるでしょう。
|ダンス度:★★☆☆☆
|ポスパン度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|アッパー度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 通好み スルメ盤 実験作
オリジナルアルバム – 5作目 (1990年)
80年代から〈LAIBACH〉〈FRONT 242〉〈FRONT LINE ASSEMBLY〉〈REVOLTING COCKS〉などインダストリアル/ボディミュージックを中心としたリリース展開を行い、インダストリアル・メタル全盛期のアメリカシーンで存在感を見せていたレーベル「ワックストラックス!」へと移籍。
バンドもアメリカへと乗り込み、「ワックストラックス!」の本拠地シカゴに居を構えての第一弾となる記念すべきアルバム。
……だったのですが、【T-07】内で用いたサンプリングに対する著作権がらみのクレームが原因で、10年以上に渡って廃盤状態に追いやられていた…といういわく付きの1枚です。
メタルギターをフィーチャーしたダウンテンポ主体という点では前作を踏襲しており、廃盤の原因となったやや〈PIG〉風の【T-07】や、マーチング・メタル系の【T-08】、かの〈SLAYER〉の名曲【Angel of Death】のサンプリングをフィーチャーした【T-11】などのヘヴィチューンも含まれます。
ただし、前作と比較するとそれ以前のニューウェイヴ・テイストとダンサブルな面が強調されており、インダストリアル・メタルとして見るとソリッドなヘヴィネスとアグレッションは控えめ。
なお、前記のヘヴィな【T-11】はCDのみの収録だった言わばボーナス・トラックなのですが、全盛期につながるアッパーなデジタルスラッシュ系のナンバーでオールタイム・ベスト級の出来栄えを見せており、おおむね及第点ながら決め曲をに乏しい本作においては間違いなく看板曲と言えるキラーチューンです。
|ダンス度:★★☆☆☆
|ポスパン度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|アッパー度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み スルメ盤 実験作
Money|マネー
オリジナルアルバム – 6作目 (1992年)
Angst|アングスト
オリジナルアルバム – 7作目 (1993年)
全面的にメタルギターをフィーチャーしたヘヴィなサウンドと、ロック/メタル色の強いスタイルへと変貌。
強烈なフックを持った、アグレッション全開のアッパーなデジタルスラッシュ・チューンを武器に、インダストリアル・メタルのトップグループへ殴り込みをかけ、ターニングポイントとなった黄金期の幕開けにあたるアルバムです。
第一次インダストリアル・メタルのムーヴメントとしては爛熟期、そしてそのブーム最盛期の渦中にある本作からはじまる一連の3作品は、いわば「KMFDM黄金期三部作」とも呼ぶべきものであり、一般的にバンドのキャリアにおいても全盛期と見なされています。
楽曲の中では、なんといっても本作の看板曲のデジタルスラッシュ【T-02】が出色。
〈MINISTRY〉にも匹敵するエクストリミティを持ちながらも極めてキャッチーなナンバーで、新たな方向性を示したと同時に明確に格が異なる出来栄を見せ、全キャリア中でも有数のキラーチューンといえます。
それ以外にも、名曲の【T-01】,【T-05】やそれに次ぐ準名曲の【T-06】,【T-09】など多彩な作風のキャッチーな佳曲が目白押しで、この時期クリエイティヴィティが完全覚醒してることが理解できます。
|ダンス度:★★★★☆
|ポスパン度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|アッパー度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Nihil|ニヒル
オリジナルアルバム – 8作目 (1995年)
KMFDMのカタログにおいても特にヘヴィな楽曲が集中した1枚で、この時期のデジタルスラッシュ3部作の中においても、最もヘヴィメタリック&アグレッシヴなアルバム。
ニューメタル以降のメタルブームを経てシーン全体のエクストリミティが飛躍的に底上げされたゼロ年代後半からの作品と比較しても、ヘヴィネスとアグレッションにおいては引けを取りません。
また、楽曲はこれまでにも増してキャッチーなフックが効いており、中でも冒頭の【T-01】,【T-02】に【T-03】や【T-06】、実質的なラスト・ナンバーの【T-10】はツカミ完璧の絶品アッパー・チューンですし、それ以外もほぼ全曲が軽く水準のはるか上をゆく佳曲という充実ぶり。
まさに粒ぞろいの楽曲が目白押しの一部のスキも無い仕上がりで、下馬評どおり代表作に推されるだけの値打ちがあるのはもちろんのこと、インダストリアル・メタル史に残る名盤の1枚に加えても何ら差し支えないでしょう。
あえていえば、本作のアルバムの看板的なキラーチューンは、前作の【A Drug Against War】や次作の【Son of a Gun】といった強力なアンセムと比較するとやや小粒で、そのインパクト不足が弱点といえます。
また、前後のアルバムと比較してやや作風のレンジが狭いあたりも、好みが分かれるポイントかもしれません。
とはいえ、全体的にハイレベルなアベレージ重視なクオリティ・バランスであり、デジタルスラッシュ3部作の中でも総合力では一歩リードともいえます。
|ダンス度:★★★☆☆
|ポスパン度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★★
|アッパー度:★★★★★
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤
Xtort|エクストート
オリジナルアルバム – 9作目 (1996年)
全面的にメタルギターをフィーチャーして、フィジカルを刺激するヘヴィかつアッパーなインダストリアル・メタルを押し出した、90年代デジタル・スラッシュ路線三部作のトリを飾るアルバム。
その直近2作と比較すると、作風はメタリックなヘヴィネス重視でストロングな前作『Nihil』よりも、アグレッシヴながら多彩な作風が並ぶ『Angst』に近く、それに劣らぬ幅広いスタイルを楽曲がそろった多様性重視の作品と言えます。
また、楽曲クオリティに若干ムラがある反面、アッパーでエクストリームな激烈キラーチューン【T-08】が、看板曲としてもあまりに桁違いのインパクトで際立っている点でも『Angst』と共通しています。
確かにヘヴィネスやスラッシュ色は減退したものの、流麗なメタル・ギターソロに尺を割くなどメタラーにも聴きどころは少なくありません。
なにより前記の【T-08】は、全キャリア中でも屈指のアンセムと名高いデジタル・スラッシュの超名曲ですし、【T-01】,【T-02】,【T-04】,【T-05】,【T-10】とフッキーな佳曲は盛りだくさんで、多少の波の荒さを補って余りある見事な出来栄えと言えるでしょう。
|ダンス度:★★★★☆
|ポスパン度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|アッパー度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤
Symbols|シンボルズ:F×S×C×S×P
オリジナルアルバム – 10作目 (1997年)
Agogo|アゴゴ
オリジナルアルバム – 11作目 (1998年)
Adios|アディオス
オリジナルアルバム – 12作目 (1999年)
Attak|アタック
オリジナルアルバム – 13作目 (2002年)
WWIII|WWIII(ワールドウォー・スリー)
オリジナルアルバム – 14作目 (2003年)
Hau Ruck|ハウ・ラック
オリジナルアルバム – 15作目 (2005年)
Tohuvabohu|トーフワボーフ
オリジナルアルバム – 16作目 (2007年)
Blitz|ブリッツ
オリジナルアルバム – 17作目 (2009年)
WTF?!|WTF?!(What The Fuck?!:ワッツ・ザ・ファック?!)
オリジナルアルバム – 18作目 (2011年)
WTF?!
Kunst|クンスト
オリジナルアルバム – 19作目 (2013年)
Our Time Will Come|アワー・タイム・ウィル・カム
オリジナルアルバム – 20作目 (2014年)
Hell Yeah|ヘル・ヤァ
オリジナルアルバム – 21作目 (2017年)
Paradise|パラダイス
オリジナルアルバム – 22作目 (2019年)
Hyëna |ハイエナ
オリジナルアルバム – 22作目 (2022年)
KMFDM|ケイ・エム・エフ・ディー・エム|DISCOGRAPHY|リミックス・アルバム
リミックス・アルバム (1994年)
Ruck Zuck|ラック・ザック
リミックス・アルバム (2006年)
Brimborium|ブリボリウム
リミックス・アルバム (2008年)
Krieg|クリーグ
リミックス・アルバム (2010年)
In Dub|イン・ダブ
リミックス・アルバム (2020年)
MDFMK|エム・ディー・エフ・エム・ケイ|DISCOGRAPHY|スタジオ・アルバム
MDFMK|エム・ディー・エフ・エム・ケイ
オリジナルアルバム – 1作目 (2000年)