Contents
- 1BLACK SABBATH全盛期の70年代からアメリカン・ヘヴィロックとして活動を始め、80年代にドゥームメタルのプロトタイプを完成させ、90年代ブレイクを果たしたドゥーム・シーンの生きる歴史は常に最前線で挑戦を続ける
- 1...1ドゥームメタルのプロトタイプ!?
- 1...280年代のプロト・ドゥーム・バンドとは!?
- 1...380年代の同期ドゥーム・シーンの最古参!?
- 1...4ドゥーム・サウンドの確立と再評価!?
- 1...5現在の活動とMACABRE時代の再評価!?
- 1.1PENTAGRAM|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Pentagram|ペンタグラム
- 1.1.2Day of Reckoning|デイ・オブ・レッコニング
- 1.1.3Relentless|リレントレス
- 1.1.4Be Forewarned|ビー・フォーウォーンド
- 1.1.5Human Hurricane|ヒューマン・ハリケーン
- 1.1.6Review Your Choices|レビュー・ユア・チョイセズ
- 1.1.7Sub-Basement|サブ・ベースメント
- 1.1.8First Daze Here (The Vintage Collection)|ファースト・デイズ・ヒア(ザ・ヴィンテージ・コレクション)
- 1.1.9Turn to Stone|ターン・トゥ・ストーン
- 1.1.10A Keg Full of Dynamite|ア・ケグ・フル・オブ・ダイナマイト
- 1.1.11Show 'Em How|ショウ・エム・ハウ
- 1.1.12First Daze Here Too|ファースト・デーズ・ヒア・トゥー
- 1.1.13If the Winds Would Change|イフ・ザ・ウィンズ・ウーッド・チェンジ
- 1.1.14Last Rites|ラスト・ライツ
- 1.1.15Live Rites|ライヴ・ライツ
- 1.1.16When the Screams Come|ウェン・ザ・スクリームス・カム
- 1.1.17Curious Volume|キュリオス・ヴォリューム
PENTAGRAM|DISCOGRAPHY
Pentagram|ペンタグラム
オリジナルアルバム – 1作目 (1985年)
BLACK SABBATH風のヘヴィリフにオジー・オズボーン風の粘っこいヴォーカルスタイルという、“SABBATHインスパイア系”プロト・ドゥームメタルの典型とも言えるサウンドは、ここで確立されています。
音づくりは、当時のヘヴィメタル・ブームを反映してかややメタリックな質感を漂わせるもの。
しかし、ときおり聴けるヘヴィネスを増した豪快なUSヘヴィロック・サウンドからは、アメリカン・サバス路線のスタイルを追求していたこの時期の彼らの本領が、むしろ原点である70年代来のヘヴィロックにあることも確認できます。
のちに英国ピースヴィルから、『Relentless』改題されたものが、として再発されています。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|レトロ度:★★☆☆☆
|サバス度:★★★☆☆
|独自性:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 通好み スルメ盤
Day of Reckoning|デイ・オブ・レッコニング
オリジナルアルバム – 2作目 (1987年)
前作と変わらぬ路線ですが、さらに“サバス・インスパイア”の度合いが激しくなって、BLACK SABBATH風フレーズもそこかしこで聴けるようになり、クローン度合いは圧倒的に高まりました。
しかし、バンドのとしての個性においては前作の方がいくぶん上回っており、その点こそが評価が分かれるポイントでもあります。
とはいえ、この時点ですでにキャリアを積んだベテランだけあって、単なるクローンにない地力を感じさせますし、ソツのない安定した仕上がりではあります。
後に英国ピースヴィルから、前作の“Pentagram(1st)”と併せて、ジャケット差し替えの上で再発されています。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|レトロ度:★☆☆☆☆
|サバス度:★★★★☆
|独自性:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
代表作 入門盤 賛否両論 スルメ盤
Relentless|リレントレス
オリジナルアルバム – 3作目 (1993年)
デビューアルバムの“Pentagram(1st)”のリイシュー・アルバム。
『イヤーエイク』に次ぐ英国アングラ・エクストリーム・ミュージックの大手で、同様にドゥームメタルにも力を入れていた『ピースヴィル』からのリリースで、一般にこちらの方が多く市場に出回っていました。
収録曲と曲数は“Pentagram(1st)”と同様ですが、曲順が大きく変更された編集盤となっており、ジャケットのアートワークも変更されています。
このリイシュー版のアートワークは、VENOMを想起させる逆五芒星と悪魔の文様をあしらったものに差し替えられていますが、これは、同時期にリリースの“Day of Reckoning(2nd)”のリイシュー盤とは、同一デザインの色違いです。
これらのリイシュー2作は、タイトル表記と色以外はほぼ同一であり、一見しただけで判別しづらく取り違えやすいので要注意です。
Be Forewarned|ビー・フォーウォーンド
オリジナルアルバム – 4作目 (1994年)
90年代ドゥームメタル・ムーヴメントの最中に、リリースされたアルバム。
これまでの“SABBATHインスパイア系”を追求しつつも、スラッシュメタルやグルーヴメタルをも視野に入れた、90年代風ヘヴィネスによる新生サウンドへと変化を遂げています。
さらには、UKゴシックメタルBIG3が在籍していたピースヴィルのレーベル・カラーを意識してか、微妙にゴシック・テイストも織り込まれてあります。
レーベルやリスナーの期待に答えつつも、彼らの独自性が発揮された充実度の高い作品で、PENTAGRAMの代表作であるだけでなく、ドゥームメタル全盛期を代表する1枚でと言ってもいいでしょう。
|ヘヴィネス:★★★★☆
|レトロ度:★☆☆☆☆
|サバス度:★★★☆☆
|独自性:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
Human Hurricane|ヒューマン・ハリケーン
初期ライヴアルバム (1998年)
Review Your Choices|レビュー・ユア・チョイセズ
オリジナルアルバム – 5作目 (1999年)
本作では、ジョー・ハッセルヴァンダー(Joe Hasselvander)とボビー・リーブリング(Bobby Liebling)の、初期メンバー2人のみの編成となり、楽器は全てハッセルヴァンダーが担当しています。
従来のドゥーム路線を踏襲しつつも、ややストーナー・サウンドに接近したようなスタイルで、音づくりもガレージロック的な荒々しさを感じさせるものとなっています。
ヘヴィネスとダウナー度の濃厚さでは、は全カタログ中でもトップの仕上がりで、前作と並んで、PENTAGRAMキャリアドゥーム/ストーナーの波が、ひとつのピークにあたる時期に生まれた充実の1枚です。
|ヘヴィネス:★★★★★
|レトロ度:★★☆☆☆
|サバス度:★★★☆☆
|独自性:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み
Sub-Basement|サブ・ベースメント
オリジナルアルバム – 6作目 (2001年)
引き続きボビー・リーブリングとジョー・ハッセルヴァンダーの初期メンバー2人のみの体制で、従来の典型的な“SABBATHインスパイア系”スタイルとしては、一応のラストとなったアルバムです。
この時点ですでに、PENTAGRAM以前のキャリアを反映させた、USヘヴィロック風のスタイルも交えるようになってきていますが、手馴れたスタイルだけあって楽曲面では高水準で安定しています。
とはいえ、90年代のドゥームメタル・ブーム以降というもの、サバス・クローン系のサウンドはちまたに氾濫した状態となっていました。
さすがにこの時期にもなると、玉石混交とはいえいささかマンネリが過ぎる様相も呈していたので、その意味でも、ベテランの意地などにはとらわれず、路線変更を選んだのは英断と言えるでしょう。
ただし、ジャケットのセンスは前作に続いて今ひとつです。
|ヘヴィネス:★★★★☆
|レトロ度:★★☆☆☆
|サバス度:★★★☆☆
|独自性:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤
First Daze Here (The Vintage Collection)|ファースト・デイズ・ヒア(ザ・ヴィンテージ・コレクション)
コンピレーション:初期作品 (2002年)
70年代にアメリカン・ヘヴィロックを展開したMACABRE時代の音源のセレクション。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|レトロ度:★☆☆☆☆
|サバス度:★★★★☆
|独自性:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作 お布施
Turn to Stone|ターン・トゥ・ストーン
ピースヴィルベスト (2002年)
ピースヴィル時代のベストセレクション。
A Keg Full of Dynamite|ア・ケグ・フル・オブ・ダイナマイト
初期ライヴアルバム (2003年)
1978年のライヴで、彼らの原点でもある初期のBLUE CHEER(ブルー・チアー)系アメリカンヘヴィロックと、目覚めかけのBLACK SABBATHインスパイアのUSドゥームが交差する過渡期ならではのスタイル。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|レトロ度:★★★★★
|サバス度:★★☆☆☆
|独自性:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 通好み
Show ‘Em How|ショウ・エム・ハウ
オリジナルアルバム – 7作目 (2004年)
INTERNAL VOIDS(インターナル・ヴォイド)とDREAM DEATH〜PENANCE(ペナンス)という、90年代USドゥーム黎明期を彩ったグループのメンバーを、サポートメンバーに迎えた新編成によるアルバム。
これをもって“夢のドゥームメタル・プロジェクト”と呼ぶのは、さすが少々言い過ぎかもしれませんが、マニアなら垂涎モノのラインナップが集結した1枚と言えます。
基本的には、従来どおりの“SABBATHインスパイア系”ではありながらも、混合編成を活かしたことでやや作風の幅も広がっており、ここにきて、MACABRE時代にも通じるBLUE CHEER系のアメリカン・ヘヴィロック・テイストも感じさせるようになりました。
|ヘヴィネス:★★★★☆
|レトロ度:★★★☆☆
|サバス度:★★★☆☆
|独自性:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 スルメ盤 実験作
First Daze Here Too|ファースト・デーズ・ヒア・トゥー
コンピレーション:初期作品 (2006年)
MACABRE時代を含む、初期音源のセレクション第2弾。
If the Winds Would Change|イフ・ザ・ウィンズ・ウーッド・チェンジ
後期ベストアルバム (2011年)
Last Rites|ラスト・ライツ
オリジナルアルバム – 8作目 (2011年)
ジョー・ハッセルヴァンダーが抜け、入れ替わりに初期メンバーのヴィクター・グリフィン(Victor Griffin)と、USドゥームメタル後発バンドPLACE OF SKULLS(プレイス・オブ・スカル)のメンバーを加えた編成。
“SABBATHインスパイア系”ドゥームメタルの枠にとどまりつつも、前作以上に70年代的なアメリカン・ヘヴィロック色を増したサウンドとなっています。
これは、立て続けにリリースされた初期音源へのリアクションが良かったことや、ドゥーム/ストーナー・シーンにおいて、いわゆる70年代リバイバルの“ヴィンテージ系”人気が高まったことも影響たと考えられます。
|ヘヴィネス:★★★★☆
|レトロ度:★★★★☆
|サバス度:★★☆☆☆
|独自性:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤
Live Rites|ライヴ・ライツ
ライヴアルバム (2011年)
When the Screams Come|ウェン・ザ・スクリームス・カム
ライヴアルバム (2015年)
Curious Volume|キュリオス・ヴォリューム
オリジナルアルバム – 9作目 (2015年)
いわゆる“SABBATHインスパイア系”ドゥームメタル・テイストはさらに薄れて、ノリのいいヴィンテージ風ハード/ヘヴィロック・ナンバーが増えており、ドゥームメタル全盛期とはとはかなり異なる作風になっています。
もっとも彼らの場合は、部分的に初期のスタイルに回帰した…と言った方が正確かもしれません。
際立った新鮮味や意外性が感じられるほどの変化ではないものの、マンネリ回避のためにも作風の変化は歓迎すべきですし、ベテランさしいさすがの安定感で、クオリティは高レベルを維持されています。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|レトロ度:★★★★☆
|サバス度:★★☆☆☆
|独自性:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 スルメ盤 実験作