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【特集】ビギナーが最初に聴くべきヘヴィメタル|ドゥームメタル:第1世代編

ヘヴィメタルライヴ中にメロイックサインを掲げるオーディエンスのイメージ ドゥーム

90年台エクストリームメタルシーンが生んだウルトラヘヴィでスロー&ダウナーな暗黒音楽ドゥームメタルとは?

ドゥームメタルのルーツはBLACK SABBATH(ブラックサバス)!

ドゥームメタルの“ドゥーム”とは「破滅」とか「(ネガティブな)運命」といった意味のワード。
ヘヴィメタルの元祖でドゥームロックとも呼ばれていた第1期BLACK SABBATH(ブラックサバス)の音楽性を、現代的に再解釈することで生まれた英国発の音楽です。

引きずるようなウルトラヘヴィなリフを基調に、スロー〜ミドルテンポ中心として重量感,ダウナー感とおどろおどろしいイメージを追求したサウンドが特徴。

近い音楽性を持つ近縁ジャンルとして、ストーナーロック,スラッジコア,70年代リバイバル系などがあり、英国以外でも米国や北欧を中心に盛り上がり互いに影響を与えていました。

ドゥームメタルの誕生とムーヴメント初期の主流サウンド

ドゥームメタルはデスメタルから生まれた?

現在ドゥームメタルとしてカテゴライズされるバンドには、80年代から活動を続けるバンドも多数存在しますが、今に至るムーヴメントとしてのドゥームメタルは、1990年代前半にデスメタル/グラインドコアから枝分かれしてポストデスメタルのひとつとして生まれたもの。

これは、ドゥームメタルムーヴメントの創始者CATHEDRAL(カテドラル)がグラインドコア出身であり、ウルトラスローなデスメタル寄りのスタイルからスタートしていることが大きな理由です。

また、この時期すでにスピード追求型のオーソドックスなデスメタルは、数々のバンドによってその手法を極められて洋式化/形骸化が進みつつあり、そのカウンターのひとつとしてスローテンポで重さを強調したスタイルが増えていました。

PARADISE LOST(パラダイス・ロスト)ANATHEMA(アナシマ)などのちにゴシックメタルの中核を担うバンドたちも、その初期のサウンドはドゥームデスをベースにしていたため、耽美派ドゥームデスなどと呼ばれドゥームメタルの一派と扱われていました。

そこういう経緯もあり、当初のドゥームメタルというジャンルは、デスメタル的なサウンドのままテンポを極端に落としたドゥームデス系のスタイルを主に指すものでした。

ドゥームメタルムーヴメントの創始者CATHEDRAL(カテドラル)

ドゥームメタルシーンの創始者は、英国のバンドCATHEDRAL(カテドラル)
まさにドゥームメタルのオリジネイターにして代名詞というべき存在で、“ドゥームメタルの歴史はCATHEDRALの歴史”と言っても言い過ぎではないくらい。

このCATHEDRALは、グラインドコアバンドNAPALM DEATH(ナパーム・デス)の初期メンバーとして、“最速エクストリーム”を極めたリー・ドリアン(Lee Dorrian)が脱退後に結成したバンドです。

ドゥームメタルの革命記念碑的1stアルバム … Forest Of Equilibrium(この森の静寂の中で/フォレスト・オブ・エクリヴリウム) – 1991年

彼らの革命的なデビューアルバムForest Of Equilibrium(この森の静寂の中で/フォレスト・オブ・エクリヴリウム)でのアプローチは…

①“最速”NAPALM DEATHから一転したヘヴィ&スローなサウンドで対極となる“最遅エクストリーム”を極める。
②BLACK SABBATHを中心とした60~70年代ヘヴィロックを、現代エクストリームミュージックの方法論で再解釈する。

サウンド基本となるテーマは、おもにこの2つ。

引きずるようなウルトラヘヴィなリフに、デス声に近いダーティなヴォーカルが乗りながらも、プログレ/トラッド的な展開もあり英国的な憂いや陰鬱さが充満したサウンドは、過去には聴くことができないものでした。

また、アーティストデイヴ・パチェットの手による、彼らのサウンドをそのままビジュアル化したようなアートワークも絶大なインパクトを与えます。

ドゥームメタルの可能性を切り開いた2nd … The Ethereal Mirror(ジ・エセリアル・ミラー/デカダンス) – 1993年

さらに大きな転機となるのが2作目のThe Ethereal Mirror(ジ・エセリアル・ミラー/デカダンス)です。

前作を踏襲した楽曲のみならず、グルーヴ重視のアップテンポなヘヴィサイケナンバー,キャッチーでアッパーなディスコナンバー,フォーキーなトラッド風ナンバー,プログレばりのドラマティックな展開のナンバーまで交えた、ポップさすら漂わせる恐ろしくバリーションが豊かな作風で、1stを受け入れなかった保守的な一般ヘヴィメタル/ハードロックリスナーのハートまで鷲掴みにします。

その後、基本的なスタイルは2ndのアプローチを引き継ぎながら、70年代インスパイア色やプログレ的要素を強めたり、初期に近いサウンドに回帰したりしつつ活動を続けますが、1st〜2ndでのラディカルな探求/実験やアプローチによる進化や科学変化はもう生まれませんでした。

様々な後続バンドが新たなエッセンスを持ち込み、ドゥームメタルというジャンルが孕む音楽性を広げていきますが、シーンに革命を起こしたCATEDRALは逆にマンネリ感が強くなり、尻すぼみになっていきます。

CATHEDRALと同時期に活動していたドゥームメタルバンド

初期のドゥームメタルシーンは、CATHEDRALを核にそのフォロアーが中心となって活性化し、ムーヴメントとなったジャンルです。

一方でその流れとは別に、時期を同じくしてCATHEDRALとは異なるアプローチで、ドゥームメタルと呼ばれるスタイルを作り出していたバンドも存在します。

そのスタイルは多岐にわたりバンドもかなりの数に上るので、ここでは“日本盤アルバムがリリースされていたグループ”シバリで紹介したいと思います。

2匹目のドジョウを狙って日本盤まで出されたわりには、その多くがCATHEDRALやそのフォロアーほどの知名度を得られず、通好みな存在に止まっていましたが、後に隠れた名バンドとして好事家の目に止まり再評価されることもありました。

NON-FICTION|ノン-フィクション

アメリカのバンドNON-FICTION(ノン-フィクション)は、簡単に言うとグランジ的アプローチを取り入れたヘヴィメタルサイドのバンドですが、その手のスタイルではかなりの先駆者的存在です。

まだこういったスタイルの定形が固まってない頃に多かった、“グランジ風だけどサウンドの質感は完全にメタルのそれ”というタイプで、後のポストグランジ的なスタイルとはまったく異なるもの。

サウンドをやや無理くり表現するならメタル度の高いSOUNDGARDEN(サウンドガーデン)とでもいったところで、所謂“SABBATHインスパイア系”とストーナーロックの間のどこかに位置するバンドです。

SOLITUDE AETURNUS|ソリチュード・イターナス

アメリカのSOLITUDE AETURNUS(ソリチュード・イターナス)は、“SABBATHインスパイア系”である以上に自他共に認めるCANDLEMASS(キャンドスマス)フォロアー。

MEMENTO MORI(メメント・モリ)ABSTRAKT ALGEBRAl(アブストラクト・アルジェブラ),KRUX(クラックス)といったCANDLEMASSファミリーバンドは、必然的に音楽性も共通点が多いものでしたが、出身国も異なる全く無関係なCANDLEMASSフォロアーというのはドゥームメタルシーンの中でもごく稀なものです。

ヴォーカルのロバート・ロー(Robert Lowe)は、メサイア・マーコリン(Messiah Marcolin)に代わり一時期CANDLEMASSに在籍していたこともありますから、まさに本家お墨付きのフォロアーと言えます。

音楽的にはあえて言えばCANDLEMASSよりもややパワーメタル寄りで、作品ごとにそれが強まっていき後年はNEVERMORE(ネバーモア)のようなダークパワーメタルに接近しています。

COUNT RAVEN|カウント・レイヴン

COUNT RAVEN(カウント・レイヴン)は、いわば“SABBATHインスパイア系”とでも呼ぶべきスタイルを持つスウェーデンのバンド。

こういった音楽性のバンドは既に80年代から存在していましたが、CATHEDRALののブレイクを機にまさに“雨後の筍状態”となります。

初期BLACK SABBATH直系のサウンドはもちろんとして、粘り気のあるオジ・オズボーン(Ozzy Osbourne)風ヴォーカルも“SABBATHインスパイア系”によく見られる鉄板スタイルです。

“SABBATHインスパイア系”にはアメリカのバンドが目立ちますが、彼らはUS系のバンドとは異なり欧州的な湿り気を感じさせるのが特徴です。

この手のバンドとしては作品クオリティも高水準ですが、あまりにもストレートにBLACK SABBATH色を押し出し過ぎているあたりが評価が分かれるところです。

SORROW|ソロウ

SORROW(ソロウ)はアメリカの大手のエクストリームメタルレーベル、ロードランナー(Roadrunner Records)に在籍していたドゥームデス系のバンド。

スロー/ミドルテンポ中心のデスメタル自体は80年代からも見られましたが、超高速グラインドコア出身のCATHEDRAL(リー・ドリアンNAPALM DEATH出身)が、ドゥームデス寄りのアルバムでプレイクしたことから、同じような激スローなドゥームデスバンドが一気に増殖します。

SORROWはその中で日本盤もリリースされた数少ないバンドですが、スローな曲調という以外にCATHEDRALに通じる部分は無くむしろスラッジコアに近い淡白で無機質なスタイルだったため、深みのあるサウンドを求めるリスナーの評価は芳しくありませんでした。

今では、時代の波に消えた“知る人ぞ知る掘り出し物バンド”的な扱いで、好事家から支持を集めています。

CONFESSOR|コンフェッサー

CONFESSOR(コンフェッサー)は、イギリスの老舗エクストリームミュージックレーベルのイヤーエイク(EARACHE RECORDS)で、CATHEDRALのレーベルメイトだった英国産バンド。

ドゥームメタル的なヘヴィロックとスラッシュメタルをベースに、変則的でテクニカルなドラムとハイトーンヴォーカルをフィーチャーした、まさに唯一無二の前衛的な個性派変態ドゥームサウンドが特徴。

デスメタル全盛期にはカテゴライズ不能の個性的すぎるサウンドが受け入れられず、イヤーエイクでもやや浮いた存在で、リアルタイムでは通好みのリスナーだけ認められるにとどまり、むしろ後年にポストハードコアなどにも通じる独自のスタイルが再評価されたバンドです。

ヴォーカルの様式メタル風のハイトーンボイスも、ありがちなスタイルとは一線を画したフリーキーなスクリーミングで、メタルにおけるハイトーンの正しい使い方を示すものです。

PARADISE LOST|パラダイス・ロスト

PARADISE LOST(パラダイス・ロスト)はゴシックメタルシーンではドゥームメタルにおけるCATHEDRALにあたる存在で、いわばゴシックメタルの創始者で代名詞的なバンド。

活動が古いゴシックメタルのパイオニア的バンドたちは、その多くがデビュー当初はドゥームデススタイルで活動しており、耽美派ドゥームデス,ゴシック・ドゥーム・デスなどと呼ばれてドゥームメタルとカテゴライズされていました。

PARADISE LOSTもデビュー当初は完全なドゥーム・デスメタルバンドで、ゴシックメタルスタイルを確立してそれがジャンルとして認知されるには、そこから数作を経る必要があります。

CROWBAR|クロウバー

同郷のEYE HATE GOD(アイ・ヘイト・ゴッド)と並んで、スラッジメタル/スラッジコアのパイオニアにに数えられるバンド。

ドゥーム/ストーナーと並んで語られつつもそれらとは一線を画したスラッジ系バンドらしく、ブラックサバスをルーツに持ってハードコアやグランジなどを通過した、装飾を抑えたミニマルでパンキッシュなスタイルで圧力の高い無骨なサウンドが持ち味。

それと、同時にPANTERAに代表されるアメリカ南部のサザングルーヴメタルのグルーヴィーでヘヴィメタリックなエッセンスも持ち合わせています。

基本的なスタイルはそのままに、少しずつサウンドの幅を広げつつコンスタントな活動を続ける他、フィル・アンセルモDOWN(ダウン)にメンバーの派遣も行っています。

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