【Wikiに無い!】ドゥームメタル紹介:第1世代 編【ビギナー必見・必聴|ヘヴィメタルジャンル徹底解説】

ヘヴィメタルライヴ中にメロイックサインを掲げるオーディエンスのイメージ ドゥーム

90年台エクストリームメタルシーンが生んだウルトラヘヴィでスロー&ダウナーな暗黒音楽ドゥームメタルのムーヴメント黎明期を彩るパイオニア達!

前回の記事でも書いた通り、現在に至るドゥームメタルムーヴメントは、90年代その創始者CATEDRAL(カテドラル)を核にそのフォロアーが中心となって活性化し、ストーナーやスラッジともクロスオーバーしつつじわじわと勢力を広げてゆきます。

ここではそのCATEDRALと、彼らとほぼ同時期にドゥーム的アプローチで活動をスタートしていた第1世代とも言えるグループを紹介していきます。

ドゥームメタルムーヴメントの創始者CATHEDRAL

今に至るドゥームメタルムーヴメントの基礎を気付いた、英国のバンドCATHEDRAL。まさにドゥームメタルのオリジネイターにして代名詞というべき存在で、“ドゥームメタルの歴史はCATHEDRALの歴史”と言っても言い過ぎではないくらいです。

CATHEDRALは、グラインドコアバンドNAPALM DEATH(ナパーム・デス)の初期メンバーとして、“最速エクストリーム”を極めたリー・ドリアン(Lee Dorrian)が脱退後に結成したバンドです。このリー・ドリアンこそ、現在に至るドゥームメタルムーヴメントの仕掛け人にして、シーン最大の功労者でもあります。

ドゥームメタルの革命記念碑的1stアルバム … Forest Of Equilibrium(この森の静寂の中で/フォレスト・オブ・エクリヴリウム) – 1991年

彼らの革命的なデビューアルバムForest Of Equilibrium(この森の静寂の中で/フォレスト・オブ・エクリヴリウム)でのアプローチは…

①“最速”NAPALM DEATHから一転したヘヴィ&スローなサウンドで対極となる“最遅エクストリーム”を極める。
②BLACK SABBATHを中心とした60~70年代ヘヴィロックを、現代エクストリームミュージックの方法論で再解釈する。

サウンド基本となるテーマは、おもにこの2つ。

引きずるようなウルトラヘヴィなリフに、デス声に近いダーティなヴォーカルが乗りながらも、プログレ/トラッド的な展開もあり英国的な憂いや陰鬱さが充満したサウンドは、過去には聴くことができないものでした。

また、アーティストデイヴ・パチェットの手による、彼らのサウンドをそのままビジュアル化したようなアートワークも絶大なインパクトを与えます。

ドゥームメタルの可能性を切り開いた2nd … The Ethereal Mirror(ジ・エセリアル・ミラー/デカダンス) – 1993年

さらに大きな転機となるのが2作目のThe Ethereal Mirror(ジ・エセリアル・ミラー/デカダンス)です。

前作を踏襲した楽曲のみならず、グルーヴ重視のアップテンポなヘヴィサイケナンバー,キャッチーでアッパーなディスコナンバー,フォーキーなトラッド風ナンバー,プログレばりのドラマティックな展開のナンバーまで交えた、ポップさすら漂わせる恐ろしくバリーションが豊かな作風で、1stを受け入れなかった保守的な一般ヘヴィメタル/ハードロックリスナーのハートまで鷲掴みにします。

その後、基本的なスタイルは2ndのアプローチを引き継ぎながら、70年代インスパイア色やプログレ的要素を強めたり、初期に近いサウンドに回帰したりしつつ活動を続けますが、1st〜2ndでのラディカルな探求/実験やアプローチによる進化や科学変化はもう生まれませんでした。

様々な後続バンドが新たなエッセンスを持ち込み、ドゥームメタルというジャンルが孕む音楽性を広げていきますが、シーンに革命を起こしたCATEDRALは逆にクオリティは水準以上を維持するも、サウンドは停滞気味となりマンネリにも思えるようになってゆきます。

CATHEDRALと同時期に活動していたドゥームメタルバンド

初期のドゥームメタルシーンと言うと、どうしてもシーンの旗手たるCATHEDRALにスポットがあたりがちですが、一方でその流れとは別に時期を同じくして、CATHEDRALとは異なるアプローチでドゥームメタルあるいはそれに通じるスタイルを作り出していたバンドも存在します。

そのスタイルは多岐にわたりバンドもかなりの数に上るので、ここでは日本盤アルバムがリリースされていたグループ縛りで紹介したいと思います。

2匹目のドジョウを狙いで日本盤がリリースされたものも多買ったものの、その多くがCATHEDRALやそのフォロアーほどの知名度を得られず通好みな存在に止まっていましたが、後に隠れた名バンドとして好事家の目に止まり再評価されることもありました。

NON-FICTION|ノン-フィクション

アメリカのバンドNON-FICTIONは、パワーメタルバンドHADES(ヘイダス)の中心メンバーが結成したグループ。簡単に言うとグランジ的アプローチを取り入れたヘヴィメタルで、グランジ位全盛期には掃いて捨てるほどあったスタイルですが、その手のバンドではかなりの先駆者的存在です。

まだこういったスタイルの定形が固まってない頃に多かった、“グランジ風だけどサウンドの質感は完全にメタルのそれ”というタイプで、後のポストグランジ的なスタイルとはまったく異なるもの。

サウンドをやや無理くり表現するならメタル度の高いSOUNDGARDEN(サウンドガーデン)とでもいったところで、所謂“SABBATHインスパイア系”とストーナーロックの間のどこかに位置するバンドで、のちのドゥーム/ストーナーシーンではなかなかお耳にかかれなくなるサウンドです。

 

KINGHORSE|キングホース

KINGHORSEはアメリカのクロスオーバー系ハードコアバンドですが、DANZIGグレン・ダンジグによるプロデュース&バックアップでデビューしたことが頷ける、ヘヴィロック寄りのサウンドを持っていました。

DANZIGとアップテンポなハードコア/スラッシュをミックスしたような、ルーツアメリカンテイストも感じさせるアーシーでヘヴィなハードコアサウンドに、やはりDANZIG系のヴォーカルが乗るスタイルは、のちのLIFE OF AGONYの先駆的サウンド言えますし、ストーナ系ではTHE OBSESSEDKARMA TO BURNあたりに近い感触もあります。

アルバムはオリジナルと編集盤の2枚のみを残して活動停止となりますが、早すぎたバンドだけにその後の音沙汰がないのが残念です。

THE OBSESSED|ジ・オブセズド

80年代USドゥームのカリスマSAINT VITUSに在籍していたウィノ(Scott “Wino” Weinrich)が結成したグループ。活動スタートは早いですがデビューは1990年。
SAINT VITUSの埃っぽい地下室感のあるサウンドは踏襲しつつ、USドゥームの典型のひとつとなる“BRACK SABBATH meets MOTORHEAD”というスタイルを確立させます。

名作とされる2ndアルバムLunar WombSAINT VITUSの6thアルバムC.O.D.と同時期に日本盤もリリースされますが当時は鳴かず飛ばず。
のちにSAINT VITUSともども再評価が進み、USドゥームレジェンドとして崇めたてつられるようになります。

SOLITUDE AETURNUS|ソリチュード・イターナス

アメリカのSOLITUDE AETURNUS(ソリチュード・イターナス)は、“SABBATHインスパイア系”である以上に自他共に認めるCANDLEMASS(キャンドスマス)フォロアー。

MEMENTO MORI(メメント・モリ)ABSTRAKT ALGEBRAl(アブストラクト・アルジェブラ),KRUX(クラックス)といったCANDLEMASSファミリーバンドは、必然的に音楽性も共通点が多いものでしたが、出身国も異なる全く無関係なCANDLEMASSフォロアーというのはドゥームメタルシーンの中でもごく稀なものです。

ヴォーカルのロバート・ロー(Robert Lowe)は、メサイア・マーコリン(Messiah Marcolin)に代わり一時期CANDLEMASSに在籍していたこともありますから、まさに本家お墨付きのフォロアーと言えます。

音楽的にはあえて言えばCANDLEMASSよりもややパワーメタル寄りで、作品ごとにそれが強まっていき後年はNEVERMORE(ネバーモア)のようなダークパワーメタルに接近しています。

COUNT RAVEN|カウント・レイヴン

COUNT RAVEN(カウント・レイヴン)は、いわば“SABBATHインスパイア系”とでも呼ぶべきスタイルを持つスウェーデンのバンド。

こういった音楽性のバンドは既に80年代から存在していましたが、CATHEDRALののブレイクを機にまさに“雨後の筍状態”となります。

初期BLACK SABBATH直系のサウンドはもちろんとして、粘り気のあるオジ・オズボーン(Ozzy Osbourne)風ヴォーカルも“SABBATHインスパイア系”によく見られる鉄板スタイルです。

“SABBATHインスパイア系”にはアメリカのバンドが目立ちますが、彼らはUS系のバンドとは異なり欧州的な湿り気を感じさせるのが特徴です。

この手のバンドとしては作品クオリティも高水準ですが、あまりにもストレートにBLACK SABBATH色を押し出し過ぎているあたりが評価が分かれるところです。

SORROW|ソロウ

SORROW(ソロウ)はアメリカの大手のエクストリームメタルレーベル、ロードランナー(Roadrunner Records)に在籍していたドゥームデス系のバンド。

スロー/ミドルテンポ中心のデスメタル自体は80年代からも見られましたが、超高速グラインドコア出身のCATHEDRAL(リー・ドリアンNAPALM DEATH出身)が、ドゥームデス寄りのアルバムでプレイクしたことから、同じような激スローなドゥームデスバンドが一気に増殖します。

SORROWはその中で日本盤もリリースされた数少ないバンドですが、スローな曲調という以外にCATHEDRALに通じる部分は無くむしろスラッジコアに近い淡白で無機質なスタイルだったため、深みのあるサウンドを求めるリスナーの評価は芳しくありませんでした。

今では、時代の波に消えた“知る人ぞ知る掘り出し物バンド”的な扱いで、好事家から支持を集めています。

CONFESSOR|コンフェッサー

CONFESSOR(コンフェッサー)は、イギリスの老舗エクストリームミュージックレーベルのイヤーエイク(EARACHE RECORDS)で、CATHEDRALのレーベルメイトだった英国産バンド。

ドゥームメタル的なヘヴィロックとスラッシュメタルをベースに、変則的でテクニカルなドラムとハイトーンヴォーカルをフィーチャーした、まさに唯一無二の前衛的な個性派変態ドゥームサウンドが特徴。

デスメタル全盛期にはカテゴライズ不能の個性的すぎるサウンドが受け入れられず、イヤーエイクでもやや浮いた存在で、リアルタイムでは通好みのリスナーだけ認められるにとどまり、むしろ後年にポストハードコアなどにも通じる独自のスタイルが再評価されたバンドです。

ヴォーカルの様式メタル風のハイトーンボイスも、ありがちなスタイルとは一線を画したフリーキーなスクリーミングで、メタルにおけるハイトーンヴォーカルの可能性を提示しています。

PARADISE LOST|パラダイス・ロスト

PARADISE LOST(パラダイス・ロスト)はゴシックメタルシーンではドゥームメタルにおけるCATHEDRALにあたる存在で、いわばゴシックメタルの創始者で代名詞的なバンド。

活動が古いゴシックメタルのパイオニア的バンドたちは、その多くがデビュー当初はドゥームデススタイルで活動しており、耽美派ドゥームデス,ゴシック・ドゥーム・デスなどと呼ばれてドゥームメタルとカテゴライズされていました。

PARADISE LOSTもデビュー当初は完全なドゥーム・デスメタルバンドで、ゴシックメタルスタイルを確立してそれがジャンルとして認知されるには、そこから数作を経る必要があります。

CROWBAR|クロウバー

同郷のEYE HATE GOD(アイ・ヘイト・ゴッド)と並んで、スラッジメタル/スラッジコアのパイオニアにに数えられるバンド。

ドゥーム/ストーナーと並んで語られつつもそれらとは一線を画したスラッジ系バンドらしく、ブラックサバスをルーツに持ってハードコアやグランジなどを通過した、装飾を抑えたミニマルでパンキッシュなスタイルで圧力の高い無骨なサウンドが持ち味。

それと、同時にPANTERAに代表されるアメリカ南部のサザングルーヴメタルのグルーヴィーでヘヴィメタリックなエッセンスも持ち合わせています。

基本的なスタイルはそのままに、少しずつサウンドの幅を広げつつコンスタントな活動を続ける他、フィル・アンセルモDOWN(ダウン)にメンバーの派遣も行っています。

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