【Wikiに無い!】ニューメタル/NWOAHM紹介:基礎知識&代表的必聴バンド【ビギナー必見・必聴|ヘヴィメタルジャンル徹底解説】

ヘヴィメタルライヴ中にメロイックサインを掲げるオーディエンスのイメージ インダストリアル

USミュージックシーンに新たなメタルバブルを生み出し、90年代以降のヘヴィミュージックシーンをリードし続ける革新性と俗物化が表裏一体の新世代ヘヴィメタルムーヴメント!

ニューメタルってどんなジャンル?

ニューメタルは、90年前後のグルーヴメタルをルーツとして90年代中盤から新世代ヘヴィミュージックとして登場したバンドを中心にシーンを形成して、00年代にかけて米国のメインストリームを席巻したヘヴィメタルムーヴメントとそこに属するバンドのことです。80年代英国の伝説的ヘヴィメタルムーヴメントNWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリテッシュ・ヘヴィメタル)にならってNWOAHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・アメリカン・ヘヴィメタル)とも呼ばれる、90年代以降の米国新世代ヘヴィメタルのカテゴリと同一とされることもあります。
基本的にこの2つの違いは、米国以外のグループを含めるか/含めないかでしかありません。US以外のバンドを含む場合は、必然的にニューメタルと呼ぶことになりますね。

PANTERA(パンテラ)らのグルーヴメタルや初期のインダストリアルメタルもこれに含むこともありますが、KORN(コーン)FEAR FACTORY(フィアー・ファクトリィ)のような明らかにターニングポイントとなって後続のサウンドを一新する新機軸を持つバンドが存在するので、それらの登場を境目と考えるのが適切でしょう。

ニューメタルってどんなサウンド?

ニューメタルにはいくつものスタイルがあり、特定のジャンルサウンドを指すものではありませんが、大まかに分けると次のような感じです。

①…KORN&ロス・ロビンソン系の新世代ヘヴィグルーヴメタル。
②…FEAR FACTORY,WHITE ZOMBIE系の新世代インダストリアルメタル。
③…LIMP BIZKITなどの新世代ミクスチャー/ラップメタル
④…ニュースクールハードコア/グルーヴコアをルーツとしたメタルコア系。
⑤…CREEDなどのポストグランジ系。
⑥…TOOL,NUROSISなどをルーツとした新世代ヘヴィプログレ系。
⑦…EVONESCENCEらUSゴシック/ニューウェイヴリバイバル系。
⑧…SLIPKNOTらのデスメタル的手法による情報量の多い高密度サウンド。
⑨…①〜⑧の様々な新世代ヘヴィサウンドをクロスオーバーしたスタイル。

…といった具合で、基本的にはグルーヴメタルの延長線上にありますが、それをベースに様々な当時の新世代ヘヴィサウンドやHIPHOP,EDMの手法などを取り入れるミクスチャー/クロスオーバー手法が中心で、そこにどれだけ自分たちなりのセンスや独自性を折り込めるかが焦点でした。

長期化するニューメタルムーヴメントの移り変わり

ニューメタルムーヴメントは予想を大きく上回って長期化してゆき、ある意味では現在進行形ということもできるくらいなので、ひと口にニューメタルと言ってもその時期によって主流となるスタイルも移り変わっています。また、他のメインストリームや近縁ジャンルなどのシーンの移り変わりも、そこに反映されてゆきます。

第1期 1990年代中期〜
主流サウンド:KORN&ロスロビンソン系のオルタナティヴ・グルーヴメタル
シーンの傾向:黎明期。グルーヴメタルをベースした様々なオルタナティヴサウンドが登場。
第2期 1990年代後期~
主流サウンド:新世代ミクスチャーメタル/新世代インダストリアルメタル
シーンの傾向:ラップメタルがシーンを席巻。ニューウェイヴサウンドリバイバル。
第3期 2000年代〜
主流サウンド:SLIPKNOT系高密度エクストリームメタル/ポストグランジ/ポストハードコア
シーンの傾向:90年代初期サウンドリバイバル。スラッシュメタルリバイバル。
第4期 2010年代〜 
主流サウンド:メタルコア/スクリーモ/歌モノ系/プログレ系
シーンの傾向:メタルコアがメジャー化。異ジャンルとのクロスオーバーと細分化がさらに進行。

ニューメタルの功罪と評価は?

ニューメタルは多くの革新的ヘヴィサウンドを生み出してヘヴィミュージックシーンを活性化させた反面、米国音楽ビジネス特有の過剰で露骨すぎる商業至上主義で、サウンドの画一化やミュージシャンシップの低俗化を促進させたことで批判も浴びました。
そのためニューメタルという名称自体が、80年のグラムメタル/産業メタルによるメタルバブルの再来として、揶揄的に使われることもあります。米国でNWOAHMという呼び方がつくられたのはそれが理由なのかもしれません。

同時代の新規リスナーには受け入れられる一方で、アンチトレンド派やアングラ至上主義者、様式美至上主義の保守メタラーの間ではグルーヴメタル同様に評価がかんばしくなく、同様にアレルゲンとなっている傾向が見られます。

ヘヴィミュージックに革命を起こしニューメタルの基本スタイルを築いたパイオニア!

ここではニューメタルサウンドの基本となるメソッドを生み出して、シーン全体の楽曲スタイルやサウンドメイクに多大な影響を及ぼした、ニューメタルの教科書ともいうべき重要アーティストを紹介します。

ROSS ROBINSON|ロス・ロビンソン

ロス・ロビンソンは数々のニューメタルバンドを手がけた米国のプロデューサーで、ニューメタルシーンでは、ある意味多くのミュージシャン以上に重要な役割を担った存在です。

ニューメタル時代の名プロデューサーとしては、重鎮リック・ルーヴィンをはじめとして、テリー・デイトコリン・リチャードソンスコット・バーンズなどそうそうたる面々が並びますが、彼がKORNとともにそのデビューアルバムで作り出したひときわ特徴的な個性的過ぎるヘヴィネスは、これまで耳にすることのできなかった斬新なもの。
これはまさに時代を変えた革命的サウンドであり、ニューメタルを支配する基本モードでもあります。のちの大多数のニューメタルは、この影響下から一歩も逃れられていません。

数々のグループを同様のスタイルで送り出し、彼の生み出すサウンドこそがニューメタルを象徴するものとして、オルタナティヴ色の強い初期ニューメタルムーヴメントからメタル色が濃くなる中期以降のニューメタルシーンまで、常にその影響力を示し続けます。

ロス・ロビンソンが手がけたバンド:KORN,DEFTONES,LIMP BIZKIT,FEAR FACTORY,SEPULTURA,MACHINE HEAD,SLIOKNOT,AMEN …etc
Amen
ハードロック¥1,069エイメン

KORN|コーン

後続バンドに対する影響と登場以降のヘヴィミュージックシーンの変遷を考えれば、紛れもなく元祖ニューメタルバンドと呼ぶに相応しいバンド。

ロス・ロビンソンとのタッグによる1stアルバムは地道な形でセールスを伸ばしてゆく形でしたが、独自の重圧の高いヘヴィサウンドは明らかにこれまでにない革新的なものでしたし、ダイナーな浮遊感のあるクリーンヴォイスから激情的なダーティシャウトへつながる個性的なヴォーカルスタイルも、マイク・パットンらボイスパフォーマンス系の影響も感じられるとはいえ、やはり過去に例のない個性的なものでした。

そのサウンドとヴォーカルスタイルは、ブレイクとともに瞬く間にPANTERA以来の新たなヘヴィメタルモードとなり、シーンに絶大な影響を波及させます。大多数のニューメタル世代バンドがなにがしかのカタチでその影響下にあると言っても過言ではありません。

1作目にすべてを注ぎ込んでしまったため、それ以降は知名度とセールスが増加していく反面音楽的には停滞してゆきますが、それでもシーンでの存在感と音楽史的な意義は全く揺らぎません。

KORNの影響下にあるバンド:LIMP BIZKIT(最初期),COAL CHAMBER,DEFTONES(初期),STAIND …etc
Korn
ハードロック¥1,630コーン
Life Is Peachy
ハードロック¥1,630コーン
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FEAR FACTORY|フィアー・ファクトリィ

当時少なからず存在したインダストリアル・デスメタル勢の中でも突出したセンスを持ち、彼らが生み出したグルーヴメタルとデスメタルをベースにしたそのサイバーでスペーシーな革新的サウンドは、新世代インダストリアルメタルの代表的モードとなりました。

また、重量級サイバーサウンドとデスヴォーカルでアグレッシヴに突き進む楽曲から、一転してクリーンヴォイスでニューウェイヴの風メロディを歌い上げるサビという曲構成は彼らによってメジャー化されたもの。
この手法はニューメタルに限らずデスメタルやハードコアからHIPHOPに至るまであらゆるシーンで多用され、90年代から00年代にかけての音楽シーンの代表的モードのひとつとなります。

FEAR FACTORYの影響下にあるバンド:STATIC-X,SPAINESHANK,STRAPPING YOUN LAD …etc
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LIMP BIZKIT|リンプ・ビズキット

KORNフォロアーとして登場しつつも、本格的なラップヴォーカルやターンテーブルを含め、より直接的にHIPHOP手法を導入したサウンドで新世代のミクスチャー/ラップメタルをリードし、初期ニューメタルシーンの旗手的存在として時代の顔的となります。

イキったパーティノリのサウンドから80年代グラムメタル時代の商業パーティメタルの再来として堕落の象徴的な扱いを受け、またバブル感が強すぎて転落スピードも急激でしたが、ミクスチャーサウンドを次のステージに押し上げたバンドとしての後続バンドへの影響力は無視できません。

ギタリストのウェス(Wes Borland)はオルタネティヴ/アート的な趣味が強く、1st時点では10分越えのサイケでスペーシーなインストも収録していました。その路線のサウンドは後のソロ作品でも聴くことができます。

LIMP BIZKITの影響下にあるバンド: STUCK MOJO,LINKIN PARK,P.O.D.,PAPA ROACH,ONE MINITE SILENCE …etc
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SLIPKNOT|スリップノット

ロス・ロビンソンの最終兵器との触れ込みで登場して、ニューメタルムーヴメントをよりメタルサイドに寄せて加速させたバンド。
メンバーがツナギにマスクで全身を覆っていたことと、全く無名の存在だったこと、どこかで聴いたようなサウンドが詰まっていたことから、デビュー当初は「大物バンドによるプロジェクトでは?」という噂も巻き起こりました。

1stアルバムでの、それまでの様々なニューメタル/エクストリームメタルのサウンドをコラージュしたような重層的な高密度ヘヴィサウンドは、主にロビンソンの手腕による部分が大きものでしたが、それは新たなモードとなりニューメタルを次のステージへ引き上げます。
彼らもそれによってテクニカルで雑食的ないちローカルデスメタル/デスコアバンドから、ニューメタルシーンの騎手へと成り上がり、SYSTEM OF A DOWNと並ぶニューメタル第3世代の顔となります。

デスメタルサウンドにに回帰した2ndからは音楽的には失速し、むしろ後続バンドの方が個性的でユニークなものが多いという皮肉な状況になりますが、シーンの顔としてのポジションは保ち続け、またコスプレ/メイクを施すビジュアル系バンド増加の面でも大きな影響を残しています。

SLIPKNOTの影響下にある/同系統のバンド:AMEN,SYSTEM OF A DOWN,MUDVAYNE,AMERICAN HEAD CHARGE …etc
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ニューメタルって今はどうなっているの?

現在いちおうの主流とされているメタルコア系のバンドもニューメタルと捉える向きもありますし、KORNをはじめ今もコンスタントな活動を続けるバンドはいますから、定義次第では現在進行形の新世代ヘヴィメタルは全てニューメタルと呼んでムーヴメント進行中とすることもできなくはありません。

ただし、SLIPKNOTLIMP BIZKITSYSTEM OF A DOWNらシーンを支えた中心的バンドの活動が停滞気味になったり、実質的な解散/活動停止状態もが増加した現在、すでに本来のムーヴメントとしては収束したものと考えていいでしょう。

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