Contents
- 190年代北欧メロディック・メタル・シーンをリードしたパワーメタル・バンドは、血で血を洗う内紛の末にフィンランドのイングヴェイことティモ・トルキを追放!名前はそのままにほぼ別のバンドへと変貌!!
- 1...1メタル振興国フィンランドの英雄!?
- 1...2北欧とドイツの伝統の融合!?
- 1...3シンフォニック・スピードメタルの元祖!?
- 1...4バンド内の確執と分裂!?
- 1...5トルキを追放して再始動!?
- 1.1STRATOVARIUS|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Fright Night|フライト・ナイト
- 1.1.2Twilight Time (Stratovarius II)|トワイライト・タイム
- 1.1.3Dreamspace|ドリームスペース
- 1.1.4Fourth Dimension|フォース・ディメンション
- 1.1.5Episode|エピソード
- 1.1.6Visions|ヴィジョンズ
- 1.1.7Destiny|デスティニー
- 1.1.8Infinite|インフィニット
- 1.1.9Elements Pt. 1|s・パート1
- 1.1.10Elements Pt. 2|エレメンツ・パート2
- 1.1.11Stratovarius|ストラトヴァリウス
- 1.1.12Polaris|ポラリス
- 1.1.13Elysium|エリジウム
- 1.1.14Nemesis|ネメシス
- 1.1.15Eternal|エターナル
- 1.1.16Survive|サーヴァイヴ
- 1.1STRATOVARIUSはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
STRATOVARIUS|DISCOGRAPHY
Fright Night|フライト・ナイト
オリジナルアルバム – 1作目 (1989年)
今となっては彼らのカタログ中でも異色といえる荒削りなパワー/スピードメタルで、ヴォーカルもティモ・トルキによるヘタウマに近いラフなものです。
メロディアスである以上にアグレッシヴでパワフルな作風が魅力なサウンドは、NWOBHMや初期のジャーマン・パワーメタルに通じるB級臭さやマイナー臭さが漂うものですが、のちの無難なメロディック・メタル・サウンドからは得られない独自の魅力があります。
STRATOVARIUSのメロディアス&シンフォニックな軟弱様式美サウンドというイメージを避けて、聴かず嫌いしているリスナーにこそ聴いて欲しい、“初期衝動型メロディック・メタル・アルバム”です。
|シンフォ度:★★☆☆☆
|スピード:★★★★★
|叙情メロ度:★★☆☆☆
|多 様 性:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作
Twilight Time (Stratovarius II)|トワイライト・タイム
オリジナルアルバム – 2作目 (1992年)
本国フィンランドだけでなく日本を含めた他国でも、STRATOVARIUSがブレイクするきっかけとなった出世作。
当初は“Stratovarius II”のタイトルで、フィンランドのみでリリースされていましたが、のちにタイトルとアートワークを改めたものが各国でリリースされることになります。
本作の魅力は、何と言ってもキラーチューンのT-02『The Hands of Time』の存在につきます。この曲は、EUROPEの『The Final Countdown』を思い起こさせる(ある意味焼き直しともいえる)ものですが、バンドのアンセムと言っていい名曲。
これが日本のメタル系メディアで大プッシュされたこともあって、日本未発売でありながらヒットチューンとして彼らの名を知らしめ、本作は輸入盤店の目玉商品となり売上に貢献します。
前作と比較すると、いくぶんメロディ重視でシンフォニックな作風となり、プログレ風の長尺曲やドゥーミィともいえるダークなナンバーなど楽曲の幅も広がりました。
T-02あってのこそアルバムという印象は拭えませんが、どれも及第点には仕上がっています。
|シンフォ度:★★★☆☆
|スピード:★★★☆☆
|叙情メロ度:★★★★☆
|多 様 性:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤
Dreamspace|ドリームスペース
オリジナルアルバム – 3作目 (1994年)
トルキがヴォーカルを担当する最後のアルバムとなる本作は、時代を反映してか収録曲数が過去作品との比較で50%増にも及び、14曲で64分という特大ボリュームとなりました。
このロングタイムをもたせるには力及ばなかったようで、T-01, T-06, T-13のように水準に達したの曲もあるものの、全体的には見所のない凡庸な捨て曲があふれてかえっています。
何より、前作の『The Hands of Time』ほどのキラーチューンが見当たらないのも大きな痛手です。
のちの大容量時代のピークを迎えても、10曲前後に抑えらてていることからも、本作の多すぎる収録時間はバンドの力量を超えて持て余していたことは確実でしょう。
|シンフォ度:★★★☆☆
|スピード:★★★☆☆
|叙情メロ度:★★★☆☆
|多 様 性:★★★☆☆
|総合評価:★★☆☆☆
賛否両論 スルメ盤
Fourth Dimension|フォース・ディメンション
オリジナルアルバム – 4作目 (1995年)
前作から大きな成長を遂げて、のちのシンフォニック・スピードメタルの原型として多方面に継承されるスタイルが本格的な確立を見たアルバム。
本作から専任ヴォーカリストとして、ティモ・コルペトを迎えています。
本作は、大仰なシンフォ装飾の度が過ぎないパワー/スピードメタルアルバムであり、このストレートなパワー/スピードメタル路線と、後年のシンフォ様式路線とのどちらを好むかで、微妙に評価が分かれてきます。
しかし、楽曲単位でもアルバムオリエンテッドな視点でも、STRATOVARIUSのカタログ中ではトップ。まさに、最高傑作と呼ぶに値する充実度を誇る一枚です。
近年では、知名度が高まった次作以降がバンドの黄金期とされがちですが、パワー/スピードメタルとしてのクリエイティビティについては本作がピーク。
実際、この路線での手札はここでほぼ切り尽くしており、ここから先のパワー/スピードメタル・ナンバーは、本作からの焼き直しが多くを占めるようになります
|シンフォ度:★★☆☆☆
|スピード:★★★★☆
|叙情メロ度:★★★★☆
|多 様 性:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門
Episode|エピソード
オリジナルアルバム – 5作目 (1996年)
T-01, T-05などのパワフルなスピードチューンについては、これまでに通りマンネリになりそうでならない安定の仕上がりでなかなかに魅力的。
それ以外の楽曲は、大半がミッド〜スローチューンとなっているものの、これが前作とは打って変わって肝心のクオリティがイマイチで、なんともパッとしない仕上がりです。
当然のように全体的に勢いを欠いており、楽曲の多様性が増しているわりには途中で退屈することも多く、一枚通して集中して聴き通すのはややストレスを感じるアルバムです。
|シンフォ度:★★★★☆
|スピード:★★☆☆☆
|叙情メロ度:★★★☆☆
|多 様 性:★★★★☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 スルメ盤
Visions|ヴィジョンズ
オリジナルアルバム – 6作目 (1997年)
ジャーマン・メタルシーンの重鎮ヨルグ・マイケル(Dr.)が加入したことで、バンドの総合力はパワーアップ。
それもあって、00年代以降では代表作とされることの多いアルバムで、フィンランド本国でも長期間チャート入りするほどとなりました。
ただしその評価は、本作からその路線に突入したドラマティックでエピカルな大仰さを持った、シンフォ/ネオクラ系のメロディック・メタルとしてのものです。もちろん、それよって幅広いメタルファンにアピールしたことは事実。
とはいえ、メロディとアグレッションが同居したパワーメタル/スピードメタルとして見るならば、ふやけた使い回しに過ぎません。
もちろん、どちらに重点を置くかによって評価は変動しまますが、どちらにしても“Fourth Dimension(4th)”を差し置いてベストに挙げるほどかというと、これは甚だ疑問です。
|シンフォ度:★★★★☆
|スピード:★★★☆☆
|叙情メロ度:★★★☆☆
|多 様 性:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両
Destiny|デスティニー
オリジナルアルバム – 7作目 (1998年)
フィンランドのチャートで1位を記録したアルバムで、名実ともに完全にフィンランドの国民的バンドとしての地位を確立しました。
基本的には、前作からの流れをくむドラマティックなシンフォ系ヘヴィメタルで、パワー/スピードメタルと呼べる曲もあるものの、それほど比重は置かれていません。
また、今後の展開の予兆ともいえる、プログレ的な手の込んだ大作趣味も顔をのぞかせています。
前作が気に入ったリスナーであれば、その発展形として楽しむことは可能ですが、パワー/スピードメタルとしては魅力に欠けるため、往年とは別物としてのキッパリとした割り切りが必要です。
|シンフォ度:★★★★★
|スピード:★★☆☆☆
|叙情メロ度:★★★☆☆
|多 様 性:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論
Infinite|インフィニット
オリジナルアルバム – 8作目 (2000年)
Elements Pt. 1|s・パート1
オリジナルアルバム – 9作目 (2003年)
Elements Pt. 2|エレメンツ・パート2
オリジナルアルバム – 10作目 (2003年)
Stratovarius|ストラトヴァリウス
オリジナルアルバム – 11作目 (2005年)
Polaris|ポラリス
オリジナルアルバム – 12作目 (2009年)
Elysium|エリジウム
オリジナルアルバム – 13作目 (2011年)
Nemesis|ネメシス
オリジナルアルバム – 14作目 (2013年)
Eternal|エターナル
オリジナルアルバム – 15作目 (2015年)
Survive|サーヴァイヴ
オリジナルアルバム – 16作目 (2022年)