Contents
- 1ソリッドでパワフルなストロング・スタイルのパワーメタルでシーンを牽引し続けた、パワーメタルとスラッシュメタルが密接なアメリカを象徴するUSパワーメタルのトップグループ!!
- 1...1アメリカン・パワーメタルの代表的グループ!?
- 1...2パワーメタルとスラッシュメタルの間に!?
- 1...3スラッシュメタルのシーンにも縁が深い!?
- 1...4METAL CHURCHのバンド体制は!?
- 1...5METAL CHURCHの音楽性は!?:第1期〜第2期 80年代〜90年代中期
- 1...6METAL CHURCHの音楽性は!?:第3期 再結成後 1999年〜
- 1.1METAL CHURCH|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Metal Church|メタル・チャーチ
- 1.1.2The Dark|ザ・ダーク
- 1.1.3Blessing in Disguise|ブレッシング・イン・ディスガイズ
- 1.1.4The Human Factor|ザ・ヒューマン・ファクター
- 1.1.5Hanging in the Balance|ハンギング・イン・ザ・バランス
- 1.1.6Masterpeace|マスターピース
- 1.1.7The Weight of the World|ザ・ウェイト・オブ・ザ・ワールド
- 1.1.8A Light in the Dark|ア・ライト・イン・ザ・ダーク
- 1.1.9This Present Wasteland|ディス・プレゼント・ウェストランド
- 1.1.10Generation Nothing|ジェネレーション・ナッシング
- 1.1.11XI|イレヴン
- 1.1.12Damned If You Do|ダムド・イフ・ユー・ドゥ
- 1.1.13Congregation of Annihilation|コングレゲイション・オブ・アナイアレイション:殲滅のメタル集会
- 1.1VANDERHOOF|ヴァンダーフーフ|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Vanderhoof|ヴァンダーフーフ
- 1.1.2A Blur in Time|ア・ブラー・イン・タイム
- 1.2PRESTO BALLET|プレスト・バレエ|DISCOGRAPHY
- 1.2.1Peace Among the Ruins|ピース・アモング・ザ・ルインズ
- 1.2.2The Lost Art of Time Travel|ザ・ロスト・アート・オブ・タイム・トラベル
- 1.2.3Invisible Places|インヴィジブル・プレイス
- 1.2.4Relic of the Modern World|レリック・オブ・ザ・モダーン・ワールド
- 1.2.5The Days Between|ザ・デイズ・ビトウィーン
METAL CHURCH|DISCOGRAPHY
Metal Church|メタル・チャーチ
オリジナルアルバム – 1作目 (1984年)
スラッシュメタルのジャンルに括られることもあった時期のデビューアルバムですが、同時期の〈ANTHRAX〉のデビューアルバムなどと比較してみれば、スラッシュ扱いもも納得というところです。
ここで聴けるのは、NWOBHM…というよりも〈MOTORHEAD〉あたりの影響も感じさせる、ロッキンなストロングスタイルのパワーメタル・サウンドで、リフはスラッシーではあるものの、今となってはスラッシュメタルの枠で語るのは難しいところでしょう。
しかし、前記した通り、アグレッション/エクストリミティにおいては、最初期の〈ANTHRAX〉や〈OVERKILL〉とそれほど大きな差は感じられないことを考えれば、もしかすると、今後の展開次第ではスラッシュメタルへと進化する未来もあったのかもしれません。
いずれにせよ、彼らのアルバムの中では最も勢いにあふれており、プリミティヴな熱量を感じることのできる爽快なアルバムです。
本作と次作では、デビュー後の初代ヴォーカリストであるデビッド・ウェインがフロントを務めており、ウド・ダークシュナイダーを想起させるダーティでヒステリックなメタリック・ハイトーンを聴かせます。
|オースク度:★★★☆☆
|スラッシュ度:★★★★☆
|ポップネス:★★★☆☆
|スピード:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤
The Dark|ザ・ダーク
オリジナルアルバム – 2作目 (1986年)
前作のスラッシーな要素は大きく払拭され、旧来のヘヴィメタルへの接近が著しいパワーメタル・アルバム。
作風の変化については、聴き手の好み次第で評価が分かれるとはいえ、それ以前に、前作と比較するとグレードもテンションも若干下落気味の傾向があり、特にダウンテンポな曲はそれが顕著です。
ファストチューンのクオリティは安定しており、T-05,T-07あたりは名曲認定もやぶさかではないものの、それらが後半に固まっており、アップテンポの佳曲T-01を除いた前半に微妙なミッドチューンやバラードが集中したことで、いきなり中だるみを起こすために若干メリハリを欠いた印象を引きずります。
前半のダウンテンポ曲にキラーチューンと呼べるレベルのものがあれば、一気にアルバムのアベレージは改善されるのですが、現状では、アルバムの穴としてマイナスに傾く要因でしかありません。
それら諸々込みで、及第点であれば軽くクリアしていますし、事実、比較的人気度の高いアルバムで初期の代表作と呼ぶ声も少なくありませんが、総合力で前作には一歩届かない出来栄えです。
|オースク度:★★★☆☆
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ポップネス:★★☆☆☆
|スピード:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤
Blessing in Disguise|ブレッシング・イン・ディスガイズ
オリジナルアルバム – 3作目 (1989年)
T-07,T-08,T-09といったファスト・チューンは、比較的魅力的に仕上がっている一方で、ミッド〜スローのダウンテンポな曲やバラードに冴えが見られず、頭数合わせめいているという“パワーメタルあるある”は、METAL CHURCHも無縁ではいられず、デビュー以来それを引きずっています。
本作においてもその点は代わり映えしないどころか、全体的に無駄な長尺傾向が目立つようになり、それに伴って楽曲の複雑化も見られるものの、それに技量が伴っていないため、アルバムとしてのクオリティはさらに落ち込んでいます。
前作同様に、終盤にファストチューンが集中していますが、それらも含め全体的に楽曲のグレードが低下が見られ、中だるみも激しいために終盤まで聴き手の間が持ちません。
我慢し聴き続けてそこまでたどり着いても、肝心の終盤のファストチューンのつるべ打ちも、T-07以外は過去作と比較して一枚以上落ちる出来栄えなため、中盤までの盛り上がりの無さを帳消しにするには至りません。
なお、本作からカート・ヴァンダーフーフがバンドメンバーから退いたほか、ヴォーカルもマイク・ハウへと交代しています。
ハウは、やはり同じような暑苦しいメタル・ハイトーンでも、若干クセが少なくより万人受けしやすい印象があります。
|オースク度:★★☆☆☆
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ポップネス:★☆☆☆☆
|スピード:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
代表作 賛否両論 スルメ盤 実験作
The Human Factor|ザ・ヒューマン・ファクター
オリジナルアルバム – 4作目 (1991年)
本作は、長尺傾向の前作と比較すると若干ながらもコンパクトなつくりで、また、作風も前作以上にキャッチーなものとなっています。
個々の楽曲を見ると、安定のファストチューンT-03,T-08,T-10や、ライヴでのピックアップも多いT-01、T-04といったあたりも、キラーチューンと呼ぶには一歩及ばず、やや決め手には欠けることは否めません。
しかし、弱点だったミッドテンポも含めて楽曲が底上げされたことにより、アベレージとトータルの完成度は大きく向上しており、アラの目立たない高水準なパワーメタル・アルバムと言えます。
スラッシーなリフを持つパワーメタルも残されているものの、ややオールドスクールなヘヴィメタル/ハードロックのエッセンスが濃くなったあたりが、好みの分かれるところでしょうが、彼らをスラッシュメタルでなくパワーメタルと認識していれば、さほど問題でにはならないでしょう。
|オースク度:★★★☆☆
|スラッシュ度:★★☆☆☆
|ポップネス:★★★☆☆
|スピード:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 通好み
Hanging in the Balance|ハンギング・イン・ザ・バランス
オリジナルアルバム – 5作目 (1993年)
リアルタイムではオールドファンを中心に低評価を集め駄作認定をされる傾向までありましたが、後にメタル史上有数の“過小評価アルバム”として再評価が進み、現在では最高傑作の呼び声も聞こえるまでになっています。
リアルタイムでの不評の原因としては、スラッシュ・テイストが薄れたこと、ファスト・チューンが減退したこと、ジャケットがユーモラスなカートゥーン調だということ…などが挙げられますが、結局のところ90年代前半にことさら蔓延していた「作風が変わったら問答無用で否定!」という空気が、正当評価を阻んでいたことが大きいのでしょう。
確かに、本作では、オールドスクールなヘヴィメタル・テイストを強めた前作を踏襲しつつも、そのアプローチをさらに推し進め、ポップネスを増したメロディ重視の歌モノ系ナンバーが中心となっており、初期はおろか前作と比較してもかなり大胆な変化を見せています。
しかし、彼らの弱点だったミッドチューンでさえも強化されて、本作では看板曲にできるほどの向上を見せるなど、前作以上の底上げが行われており、キラーチューンのT-02やT-05,T-06,T-08,T-09と、過去作とは比較にならないほど強烈なフックを持った見事な楽曲が並んだ、全く隙のないアルバムに仕上げられています。
なお、本作はゲストも多彩で、〈ALICE IN CHAINSの〉ジェリー・カントレルとジミ・ヘンドリックスのコピー・ミュージシャンのランディー・ハンセンに加え、元〈THE RUNAWAYS〉でロック・クイーンのジョーン・ジェット、フェミニストバンド〈BIKINI KILL〉のカスリーン・ハンナ、ガールズ・パンクバンドの〈BRATMOBILE〉アリソン・ウルフという、ライオット・ガール3名も色を添えています。
|オースク度:★★★★☆
|スラッシュ度:★☆☆☆☆
|ポップネス:★★★★☆
|スピード:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 入門盤 賛否両論 実験作
Masterpeace|マスターピース
オリジナルアルバム – 6作目 (1999年)
The Weight of the World|ザ・ウェイト・オブ・ザ・ワールド
オリジナルアルバム – 7作目 (2004年)
A Light in the Dark|ア・ライト・イン・ザ・ダーク
オリジナルアルバム – 8作目 (2006年)
This Present Wasteland|ディス・プレゼント・ウェストランド
オリジナルアルバム – 9作目 (2008年)
Generation Nothing|ジェネレーション・ナッシング
オリジナルアルバム – 10作目 (2013年)
XI|イレヴン
オリジナルアルバム – 11作目 (2016年)
Damned If You Do|ダムド・イフ・ユー・ドゥ
オリジナルアルバム – 12作目 (2018年)
Congregation of Annihilation|コングレゲイション・オブ・アナイアレイション:殲滅のメタル集会
オリジナルアルバム – 13作目 (2023年)