Contents
- 1ヘヴィメタル・オリジン(ヘヴィメタル第1世代)|HeavyMetal 1st Generation -全てはここから始まった!
- 1.1ハードロックの進化系ヘヴィメタル誕生!
- 1.2ハードロックがパワーアップした革新的サウンド
- 1.3初期ヘヴィメタルの代表的バンド
- 1.3.1JUDAS PRIEST|ジューダス・プリースト
- 1.3.2BLACK SABBATH|ブラック・サバス
- 1.3.3ACCEPT|アクセプト
- 1.3.4RIOT|ライオット
- 1.4ハードロックとヘヴィメタルの境界線上のバンド
- 1.4.1RAINBOW|レインボー
- 1.4.2OZZY OSBOURNE|オジー・オズボーン
- 1.4.3M.S.G.(THE MICHAEL SCHENKER GROUP)|マイケル・シェンカー・グループ
- 1.4.4GERY MOORE|ゲイリー・ムーア
- 1.4.5SCORPIONS|スコーピオンズ
- 1.4.6AC/DC|エーシー・ディーシー
- 2メタルムーヴメントの終焉と更なる進化系の登場
ヘヴィメタル・オリジン(ヘヴィメタル第1世代)|HeavyMetal 1st Generation -全てはここから始まった!
ハードロックの進化系ヘヴィメタル誕生!
ヘヴィメタルは1970年前後から活動を始めていたハードロックバンドの中から、70年代後半に生まれた新世代ハードロックのこと。
70年代中期から後期にかけては、パンクロックやそこから派生したニューウェーヴロックによるムーヴメントのど真ん中。
それ以前のハードロックやプログレッシヴロックは、ロックの魂を失った旧世代のロートル(おいぼれ)ジャンルとして新世代の仮想敵扱いされていました。
実際、その時期はハードロックが既にピークを過ぎて行き詰まっていたのは確かで、解散や活動停止するバンドや路線変更するバンドが相次いでいました。
ハードロックがパワーアップした革新的サウンド
そんな状況で活動していたバンドの中から、ハードロックの持ち味である疾走感や重量感を大きくパワーアップさせた上で、金属的でソリッドな質感を持った今までにない新しいサウンドを作り出すバンドが立て続けに現れます。
従来のハードロックから進化した新世代ハードロックとしてヘヴィメタルと呼ばれるようになります。
初期ヘヴィメタルの代表的バンド
JUDAS PRIEST|ジューダス・プリースト
言わずと知れたメタルゴッドの称号を持ち、ヘヴィメタルシーンを代表するUKメタルバンド。
ヘヴィメタルというジャンルが存在しない時代にハードロックからスタートした第一世代のバンドとしては、最も早い時期にヘヴィメタルと呼ぶにふさわしい音楽性を確立してしました。
初期の頃はバンドのルーツとなるブルーズロックやロックンロール要素が濃く、それがヘヴィメタリックな要素と同居していましたが、次第にルーツ要素を薄めて行き純粋なヘヴィメタルサウンドを作り上げます。
彼らはメタルの王道一直線のバンドと思われがちですが、常にメタルの最新シーンをチェックして新たなムーヴメントをキャッチし、絶えず自分たちのサウンドのバージョンアップを続けたバンドです。
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ドゥームロックと呼ばれるヘヴィなグルーヴとダークなサイケデリアが特徴のサウンド、オカルト的イメージのコンセプトでカルト人気を持つブラック・サバス。
Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン),Deep Purple(ディープ・パープル)に次ぐ英国ハードロックの顔として一時代を築きますが、ハードロックムーヴメントが下火になりバンドも低迷期を迎えます。
オジー・オズボーン(Vo.)との決別後、新たに元Rainbow(レインボー)のロニー・ジェイムス・ディオという全く異なる個性のヴォーカルを迎え音楽性も一転します。
Black Sabbathはこの第二期で新時代のヘヴィメタル様式を作り上げ、Judas Priest(ジューダス・プリースト)と並ぶ英国ヘヴメタルの中心的バンドとして再び最盛期を迎え、ロニーもメタルアイコンというべき存在となりトレードマークのメイロックサインも世界的に広がります。
Amazon MusicでBLACK SABBATH』の聴き放題をチェック!ACCEPT|アクセプト
Scorpions(スコーピオンズ)と並ぶジャーマンメタルの元祖とされるバンドですが、Scorpionsがハードロックベースのスタイルに終始してしたのを考えれば、Acceptこそジャーマンメタルの創始者と呼ぶべきでしょう。
最初期はR&Rベースのハードロックでしたが、次第にヘヴィ&ソリッドなサウンドに勇壮で荘厳な楽曲、金属的なスクリーミングヴォーカルにクラシカルなギターと言うヘヴィメタルサンドを作り上げます。
彼らのサウンドはのちにジャーマンメタルの一大勢力となるメロディックパワーメタルのルーツにもなっています。
RIOT|ライオット
ハードロックスタイルでスタートした頃からヨーロッバンド的な疾走感や叙情性を持ち合わせたバンドでしたが、アルバムごとにその要素を強化していき欧州勢とは一味違う独自のヘヴィメタルサウンドを模索し、最終的にはパワーメタルとも呼べるパワフル&スピーディーでアグレッシヴなスタイルを作り上げます。
度重なるヴォーカルチェンジなどトラブルも多く、順調な活動を続けられたとは言えませんが、独自の進化で到達したアメリカンヘヴィメタルの創始者であり、USヘヴィメタルシーンを代表する存在なのは間違いありません。
ハードロックとヘヴィメタルの境界線上のバンド
ヘヴィメタルの登場とムーヴメントの勃発は、ハードロックとして活動していたベテランバンドにも大きな刺激を与えることになり、サウンドをヘヴィメタル化したりメタルに接近した曲をレパートリーに加えるバンドも数多く現れます。
ここで紹介するのはその代表的な存在で、一時期はヘヴィメタル的な要素を強めながらも、根本的なスタイルはハードロックであることを維持し続けたまさに境界線上バンドです。
ヘヴィメタルとハードロックの違いがわからないという人は、これらのバンドと代表的なメタルバンドを聴き比べてみることで、それが実感的に理解できるかもしれません。
RAINBOW|レインボー
元Deep Purpleのギターヒーロー、リッチー・ブラックモアのプロジェクトバンドレインボーは、ロニー・ジェイムス・ディオやグラハム・ボネットといったヘヴィメタル/ハードロックのカリスマヴォーカリストを発掘したことでも知られています。
ヘヴィメタル色は薄いものの、クラッシックに影響を持ち込んだ様式美の創始者としてメロディックなネオクラシカル系ヘヴィメタルやエピックメタルに大きな影響を与えました。
OZZY OSBOURNE|オジー・オズボーン
Black Sabbathを脱退したオジー・オズボーンは、ヘヴィメタルの次の中心地となるアメリカを拠点に自身のバンドを結成して活動開始します。
脱退直前のポップ化が進んだ頃のブラック・サバスをベースにしたスタイルですが、そこにKiss(キッス)やTwisted Sister(ツステッド・シスター)のようなポップなティーン向けアメリカンハードロックをミックスさせて一躍人気者になります。
その時々のアメリカで主流のヘヴィミュージックのスタイルをとるので、ヘヴィメタル最盛期はメタル色を強めていました。また、メタルシーンの流行に乗ってギターヒーローの発掘にも力を入れていました。
Amazon Musicで『OZZY OSBOURNE』の聴き放題をチェック!M.S.G.(THE MICHAEL SCHENKER GROUP)|マイケル・シェンカー・グループ
以前、実兄ルドルフが在籍するScorpions(スコーピオンズ)に加入していた経験もある、ギタヒーローのパイオニアの一人マイケル・シェンカー率いるバンド。
ヘヴィメタルの代名詞とも言えるギター「フライングV」の使い手として知られており、基本はハードロック寄りのスタイルながら、ヘヴィメタル以外の何物でもないソリッドな曲もプレイしました。
のちに気まぐれな天才として来日公演のキャンセルを重ねることで悪名を高めますが、数多くのメタルギタリストに影響を与えたカリスマなのは確かです。
Amazon Musicで『MICHAEL SCHENKER GROUP』の聴き放題をチェック!GERY MOORE|ゲイリー・ムーア
Thin Lizzy(シン・リジィ)に在籍経験もあるアイルランドのギタリストゲイリー・ムーアは、リッチー・ブラックモア,マイケル・シェンカーと並ぶヘヴィメタル黎明期のギターヒーローBIG3として知られています。
もともとブルーズやアイリッシュミュージックへの志向が強いギタリストですが、見かけによらず流行に敏感なところがあり、のちにはEDMを取り入れたりもしています。
ヘヴィメタルムーヴメントと重なるハードロック時代と呼ばれる時期は、ヘヴィメタル色の強いナンバーを積極的にアルバムに加えていました。
SCORPIONS|スコーピオンズ
Scorpionsは叙情的でメロディアスな曲を得意とするジャーマンハードロックバンドで、ヘヴィメタルムーヴメントの頃はすでにそれなりのキャリアを持ちベテランに近い存在でしたが、アメリカ進出も見据えて次第にヘヴィメタル色を強めた硬質なサウンドへと変化していきました。
その後うまく米国のヘヴィメタルブームに乗って人気バンドとなり、若手のグラムメタル勢に混じって活躍、それ以降も時代に合わせてサウンドをマイナーチェンジしつつ、メジャーの第一線で活動を続けます。
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AC/DCはMotorHead(モーターヘッド)と同じく純粋なヘヴィメタルとは言えないながらも、メタルファンから高い支持を受けているグループです。
基本はミドル〜スローテンポのR&Rですが、ボン・スコット(Vo.)の逝去でブライアン・ジョンソンが新ヴォーカリストとして加入してからは、ヘヴィメタルに接近した印象も感じられます。
基本的なサウンドは変わらないものの、明らかに重量感やソリッド感はアップ。ブライアンの金属的なスクリーミングも相まって、マイナー調でダークネスを感じさせるヘヴィメタル的とも言える曲も目につくようになります。
メタルムーヴメントの終焉と更なる進化系の登場
80年代に入って英国で新世代バンドによるヘヴィメタル/ハードロック、NWOBHMのムーヴメントが勃発し、今までにない新たなヘヴィメタルサウンドも生まれます。
80年代の中期になると、ヘヴィメタルの中心地はイギリスからアメリカへと移り、英国では再びオールドウェイヴな過去の音楽と成り果てます。
アメリカのメインストリームではグラムメタル系のコマーシャルなポップメタルが中心となってしまいますが、そのアンチテーゼとしてアンダーグラウンドではスラッシュメタルが生まれ、ヘヴィメタルの進化は受け継がれることになります。